ロンドン都市圏への投資拡大 FDI件数、2023年は欧州トップ。
ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2024年07月12日に、ロンドン都市圏へのFDI(Foreign Direct Investment/外国直接投資/海外直接投資)件数は2023年に359件となり、前年から20%増加した。
イギリスの大手会計事務所EY(Ernst & Youngアーンスト&ヤング)が2024年07月11日公表した調査で明らかになった。
ロンドンはパリ首都圏の300件を抜いて、FDI件数でヨーロッパ首位に躍り出ていると報告した。
イギリスではこのほか、スコットランドとイングランド中部ウエストミッドランズ(Scotland and the West Midlands)で投資が進み、ヨーロッパ全体ではそれぞれ6位と7位につけた。スコットランドは洋上風力発電など再生可能エネルギー関連が好調で、FDI件数は142件と14%増加。ウエストミッドランズは72%増の127件だった。
ただ、その他の地域は振るわず、ウェールズ(Wales)は52%減の15件だったほか、北アイルランド(Northern Ireland)は35%、イーストミッドランズ(East Midlands)は31%それぞれ落ち込んでいる。
この結果、FDI件数はイギリス全体では6%増の985件にとどまった。
イギリスへの投資を産業別に見ると、デジタル産業が255件と好調で、金融サービスも100件を超える。ビジネスサービスと公共サービスは、いずれも92件だった。一方で、発R&D(Research&Development/研究開)プロジェクトへのFDIは44%落ち込み、2016年以降で最低を記録したほか、イギリスへの本社設置も2018年以降で最低水準となっている。
これはBrexitの影響である。
労働党が、Brexitの再検討を発表すれば、一気に持ち直すことだろう。
EYのイギリス事業でチーフエコノミストを務めるピーター・アーノルド(Peter Arnold, EY's UK chief economist)は「昨年のFDIの伸びはデジタル投資に支えられた」と説明し、再生エネ投資も好調だったとの認識を示した。その上で、政府に送電インフラなどのさらなる整備を促した。R&Dをはじめとする、将来的な成長に重要な投資が伸び悩んでいることにも警鐘を鳴らしている。
https://www.ey.com/en_uk/news/2024/07/scotland-fdi-attracts-record-results
https://www.ey.com/en_uk/attractiveness/21/scotlands-share-of-uk-fdi-projects-has-risen
https://assets.ey.com/content/dam/ey-sites/ey-com/en_uk/about-us/ey-uk-2023-impact-report.pdf
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