「Today, I express a certainty(今日、私はある確信を表現する)」

画像4

米国のCNNは2021年12月24日のクリスマス・イブに、2年経った今、パンデミックは永遠に引きずっているように見える。新型コロナウイルスの変異株「オミクロン変異体(COVID-19のOmicron variant/B.1.1.529)」が猛威をふるい、富裕層を除く世界の多くの人々がワクチンを待ち望む中、終わりは憂鬱なほど遠くにあるように見える。

画像2

この100年で最悪の公衆衛生上の緊急事態は、経済不況、HIV/AIDSの蔓延、市民不安、貧困の蔓延、国家災害など、近代に先進国につきまとう危機の中でも異彩を放つものである。

画像3

なぜなら、COVID-19のために自由が奪われ、健康が損なわれ、将来性が失われ、家族の絆が断たれたことがない人間はおそらく一人もいないからである。

https://time-az.com/main/detail/75890

第二次世界大戦では、兵士、水兵、海兵隊員、飛行士が海外で受けた危険と苦痛は、国内でも同じように受け止められることになった。当時も今も、危機以前の記憶は薄れつつあり、恐怖と悲劇で曇った地平線の向こうには終わりが見えていた。

画像4

フランクリン・ルーズベルト大統領(President Franklin Roosevelt)は、1943年のクリスマス演説で、同胞に楽観主義と決意を植え付け、かつて知られていた生活が以前より良くなって戻ってくるというビジョンを示して、来るべき損失への備えを固めることを決意した。

最終的な勝利を予言した彼は、海外で戦っていた何百万人ものアメリカ人が帰還したとき、教育、仕事、経済的な安定を約束したのである。

画像5

ジョー・バイデン大統領(President Joe Biden)の「ビルド・バック・ベター(Build Back Better)」の初期バージョンとでもいうべきものである。

ノルマンディー上陸作戦の6カ月前(Six months before the D-Day Normandy invasion)、FDRは「ヨーロッパとアジアにおける国際的なギャング主義と残忍な侵略」との戦いにおいて、過去の逆襲に一線を画したのである。

画像6

戦時中の過去2回の祝祭の季節を思い出して、「我々は『メリークリスマス、ハッピーニューイヤー(Merry Christmas—Happy New Year)』と言ったが、我々の世界を覆っている雲が、それを誠意と信念を持って言うことを妨げていることを、心の中で知っていた.」と述べたのだ。

画像7

ニューヨークのハイドパークの自宅から、彼はこう続けた。「今年のクリスマス・イヴに、私は皆さんに、ついに、どんなに大きな犠牲を払っても、『地上の平和と人に対する善意』は実現し、保証されるという、本当の意味での確信を持って、未来を見つめることができるようになった、と言うことができます。今年、私はそう言うことができます。昨年は、希望を表明する以上のことはできなかった。しかし、今日、私は、その代償は大きく、時間はかかるかもしれないが、確実なことを表明する。(On Christmas Eve this year—I can say to you that at last we may look forward into the future with real, substantial confidence that, however great the cost, ‘peace on earth, good will toward men’ can be and will be realized and insured. This year I can say that. Last year I could not do more than express a hope. Today I express a certainty—though the cost may be high and the time may be long.)」

画像8

ルーズベルトは10年間、ラジオでの「ファイアサイド・チャット(Fireside Chats)」を通じて、「私の友人(my friends)」と呼ぶアメリカ人と関係を築いてきた。ルーズベルトの口調は、慈悲深くも毅然とした、市民を信頼する指導者のようなものであった。この日は、ロシア、中国、イギリスの指導者たちとの戦略会談から帰国したばかりの彼が、太平洋とヨーロッパの戦争について一通りのことを話した。

画像9

十年後のFDRの話を聞いていると、アメリカの指導者が、共通の危機に直面したときに、これほどまでに国民の一体感を得られるとは、二度と想像できない。パンデミック(Pandemic/世界的大流行)は、国家の善が辛く分裂した時代の政治を乗り越えられるという幻想を打ち砕いた。しかし、彼の言葉は、現在がどんなに暗くとも、未来への希望は決して消えることはないことを思い出させてくれる。そして、強い、しかししばしば捉えどころのない政治的リーダーシップの力を強調するものである。このことは、78年前のクリスマスイブに起きた国家的危機の2年後と同様、3年目のパンデミック(Pandemic/世界的大流行)を迎える今、歓迎すべきことである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?