アフリカの中央銀行が、デジタル通貨の検討をさらに増加。
IMF(International Monetary Fund/国際通貨基金)が定期的に公開している「IMF Blog」で、国ごとの情報をまとめて報告する「IMF Country Focus」は2022年06月24日に、ハブタム・フジェ(Habtamu Fuje)、サード・クアイユム(Saad Quayyum)、フランク・ウアタラ(Franck Ouattara)によるレポートとして、2021年10月にナイジェリアが「e-Naira」を導入したのに続き、サハラ以南のアフリカのいくつかの中央銀行がデジタル通貨を模索、あるいは試験的に導入している。
ナイジェリアは、バハマ(Bahamas)に続いて2番目にCBDCを展開した国である。
https://time-az.com/main/detail/77141
CBDC(Central Bank Digital Currency/中央銀行デジタル通貨/ステーブルコイン)は現金のデジタル版で、中央銀行が発行し規制しているため、暗号資産よりも安全でボラティリティが低くなっている。
ただし、ステーブルコインは、不渡りや、利用停止など、現在大きな問題になっている。
それを早く解決することも先決である。
新しい金融取引は、いつも攻撃者のターゲットになるなど、基本技術に問題を提起している。
今週のグラフが示すように、南アフリカとガーナはパイロットを実行しており、他の国は研究段階にある。
南アフリカ準備銀行(South African Reserve Bank)は、プロジェクトKhokhaの第2段階の一環として、金融機関が銀行間送金にのみ使用できるホールセールCBDCを実験的に導入している。また、オーストラリア、マレーシア、シンガポールの中央銀行と共同で、国境を越えた試験的な取り組みにも参加している。
一方、ガーナ銀行(Bank of Ghana(は、デジタルウォレットアプリまたはオフラインで使用できる非接触型スマートカードで誰でも使用できる汎用またはリテールCBDCである「e-Cedi」を試験的に導入している。
CBDCを発行する動機は国によって異なりますが、この地域にとって潜在的に重要な利点がいくつかあります。
第一は、金融包摂の促進で、特にオフラインでも使えるように設計されていれば、これまで銀行口座を持っていなかった人たちにも金融サービスを提供することができる。インターネットにアクセスできない遠隔地では、シンプルなフィーチャーフォン(simple feature phones)を使って、ほとんどあるいは全くコストをかけずにデジタル取引を行うことができる。
フィーチャーフォンは重要で、スマートホンは先進国で浸透したが、発展途上国では、高価で経済的負担になる、
特にパンデミックや自然災害のような突発的な危機の際には、ターゲットとなる福祉給付金を配布するためにCBDCを利用するできる。
また、国際取引として国境を越えた送金や決済を容易にすることができる。サハラ以南のアフリカは送金のコストが最も高い地域であり、平均コストは送金額の8%弱である。
CBDCは、決済の流れを短くし、サービス・プロバイダー間の競争を促進することで、送金をより簡単、迅速、かつ安価にできる。国境を越えた決済がより迅速に行われることで、地域内および世界との貿易を促進することができる。
また、経済変動に激しい国では、インフレなどにより、紙幣の印刷という新しい経済リスクと時間の浪費が、CBDCで削減できる。
しかし、CBDCを発行する前に考慮しなければならないリスクと課題がある。
政府は、電話やインターネット接続のようなデジタルインフラへのアクセスを改善する必要がある。この地域は大きく前進しているが、さらなる投資が必要である。
その環境を提供することは、IMFの重要な仕事である。
より広い意味では、中央銀行は、潜在的なサイバー攻撃などによるデータ・プライバシーへのリスクや、金融の健全性へのリスクを管理するための専門知識と技術的能力を開発する必要がある。
また、国民が銀行から多額の資金を引き出してCBDCを購入し、銀行の融資能力に影響を与えるというリスクもある。これは、特に金融システムが不安定な国にとっては大きな問題である。
その点も、IMFが技術陣の提供を考えるべきである。
アフリカは、世界で最初に、モバイル・マネーを成功させた地域である。
それによって、アフリカ全土の経済が動き出したとも言える。
中央銀行は、モバイルマネーを通じて金融包摂を推進する上で重要な前進を遂げたデジタル決済サービスの民間企業に、CBDCがどのような影響を与えるかも考慮する必要がある。
現に、今も「IMF Blog」のリンク先が、全て襲われて警告が出た。