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ロシアのエネルギー禁輸は、ドイツにどれほどの損害をもたらすか?
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ドイツのインフォグラフィクスを紹介しているハンブルク(Stadt Hamburg)にあるStatista GmbHのデータ・ジャーナリスト(data Journalist)でSenior Datenredakteur(シニアデータ編集者)のマティアス・ヤンソン(Matthias Janson)の報告として2022年04月26日に、ロシアのウクライナ殲滅戦に対応してロシアからのエネルギー輸入が減れば、ドイツ経済にも影響がないとは言えない。どの程度の被害が出るかは、専門家の間でも意見が分かれている。Statistaのグラフが示すように、ミュンヘン(Münchn)のIfo Instituteは、石油、ガス、石炭の消費が10%減少した場合、GDP(Gross Domestic Product/国内総生産)は年間1.3%減少すると計算している。
https://time-az.com/main/detail/76760
一人当たりでは、€500〜700ユーロの負担に相当する。さらに極端なシナリオとして、ガス消費量を30%削減した場合、GDPは2.2%低下し、一人当たり€800〜1000のマイナスとなる。
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Ifo Instituteによると、エネルギー禁輸による物価上昇に対抗するため、中央銀行はインフレを安定させるために金利を引き上げなければならないという。エネルギー供給の問題は、経済活動全体をいくらか抑制することで緩和されるだろう。
Ifo Instituteによると、このような禁輸措置が経済に与える影響は、生産構造が化石燃料の輸入減少にどの程度適応できるか、ロシアからのエネルギー輸入がどの程度代替可能か、すなわち他の供給国からの輸入でどの程度容易に代替できるかに大きく依存するという。
ごく短期間では、この代替性は限定的であり、化石資源の利用に依存することも増える。
発電は比較的低いコストで迅速に対応できるが、例えば石油の物質的利用を代替することは、より困難か不可能であると指摘している。
さらに大きな問題は、これまでは全てドイツ主導の話であるが、ポーランドのように、ロシア制裁に対するロシアのエネルギー禁輸は、さらに問題を複雑化し、価格も影響することだろう。
ロシアはもともと、ガスや石油を輸出しなくても、自給自足で成り立っていたが、ドイツはエネルギーを輸入して成り立っていた。
そこで、より安いエネルギー源を求めて、ロシアに近づいた経緯がる。
それを根こそぎなくすのであれば、被害が大きいのは当然である。
わたしは、米国がロシアへの経済制裁を言い出した次元で、この問題を指摘してきた。
米国には、アラスカのガス、テキサスの石油があり、イギリスには、北海油田がある。
ロシアを寄ってたかっていじめ、ロシアが思い通りに対応してくれるという自己中心の矛盾で解決できるというのは、異常である。
アメリカやイギシス、その他の産油国やガス産出国が、赤字覚悟で、石油やガスを提供するとは考えられない。
国連が仲裁できるとも考えられない。
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アントニオ・グテーレス国連事務総長(Secretary-General António Guterres)が、モスクワでウラジーミル・プーチン大統領(President Vladimir Putin)と対談し、その後にウクライナを訪問しているときに、ロシアはウクライナの首都キーウの中心部のシェフチェンコ地区(Shevchenko district in the centre of the Ukrainian capital Kyiv)にミサイルで攻撃している。
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これは、プーチン大統領の意思表示である。
プーチン大統領は、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdoğa)大統領に,2022年11月のG20に出席すると話したといい。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領も招待されると言われていることから、それまでは、休戦はないということだろう。