イギリス政府、燃料価格高騰止まらず、燃料小売業界を調査。
ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年06月14日に、イギリス政府は2022年06月11日に、自動車燃料税の引き下げが給油価格に反映されていない疑いがあるとして、イギリスCMA(Competition and Markets Authority/競争・市場局)に自動車燃料市場の調査を依頼した。
イギリスではガソリン・ディーゼル価格が過去最高水準に達している。
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イギリス政府は2022年03月に、ロシアのウクライナ侵攻を受けた自動車燃料価格の高騰を背景に、ガソリン・ディーゼルにかかる燃料税を2023年03月まで1リットル当たり5ペンス引き下げると発表した。しかし、その後もガソリン・ディーゼル価格は上昇し続けている。
ロードサービス・自動車保険大手RAC(Leading road service and car insurance provider RAC)によると、2022年05月のガソリン価格は月初の1リットル当たり162.87ペンスから、月末には174.02ペンスへと上昇。値上がり幅は2022年03月に記録した過去最大の11.61ペンスに次ぐ水準だった。平均的な55リットルのタンクを満タンにした場合の価格は、ガソリンで£100.27、ディーゼルで£103.43に達している。
こうした事態を受け、クワシ・クワーテング・ビジネス・エネルギー・産業戦略相(Kwasi Kwarteng, Secretary of State at the Department of Business, Energy and Industrial Strategy)はCMAに宛てた書簡で、「1リットル当たり5ペンスの減税効果が消費者に還元されているかどうか」について調査を依頼。また、給油所での価格に地域的なばらつきがあるとして、その理由も調べるよう求めている。
ガソリン小売協会(Petrol Retailers Association)は、給油所は政府の減税分を顧客に還元したものの、燃料の仕入れ価格はその後も上昇し続けており、「極めて厳しい利益率で運営している」と説明した。ロードサービスを手掛けるイギリスのAA(Automobile Association of Great Britain/自動車協会)は、給油価格の上昇を緩和するためには、燃料税を1リットル当たり10ペンス引き下げる必要があると指摘している。
RACによると、現在のレギュラーガソリン価格のうち、燃料税が占める比率は29%。このほか、仕入れコストが45%、VAT(value added tax/付加価値税)が17%、混合を義務付けられているバイオ燃料の費用が7%となっており、小売業者の利益は2%だという。
ここで問題が起こるとすれば、仕入れコスト、バイオ燃料の費用である。