イギリス下院、介護費用の自己負担巡る政府案を承認。
ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2021年11月24日に、イギリス下院(UK House of Common/定数650)は2021年11月22日に、政府の介護制度改革案を賛成272票、反対246票の僅差で可決した。1人が生涯に支払う介護費用に£8万6,000ポンドの上限を設定する内容だが、保有資産額に応じて自治体から支給される補助金をこれに充てることが認められないため、貧困層に不利として、野党各党が反対しただけでなく与党・保守党内からも19人の造反議員が出た。
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イギリスのボリス・ジョンソン首相(Prime Minister Boris Johnson)は2021年09月に介護制度改革案を公表した。生涯を通じた介護費用負担に£8万6,000の上限を設けると共に、資産£2万以下の人の介護費用は国が肩代わりし、資産£2万~£10万ポンドでは費用の一部を自治体が補助するとしていた。
ところが政府は最近になって、この自治体からの補助金は最低負担額の£8万6,000には含まれないとする詳細案を公表。この結果、資産額が中程度の人も富裕層と同じ額の自己負担を迫られることになり、自宅を手放さざるを得ないケースも出てくるとして、野党を中心に批判が高まっていた。
政府はこれに対し、介護費用の自己負担額に上限がなく、資産額£2万3,250以上の人は全く補助が受けられない現状と比べれば、より多くの人が補助を受けられると反論している。
介護制度改革案は、保健・介護法案の一部。同法案については引き続き下院で審議が行われている。