アメリカ人はバイデン政権下で主要分野はほとんど進歩がなかったと感じている
米国の世論調査会社ギャラップ(Gallup)のメーガン・ブレナン(Megan Brenan)は2025年01月14日に、経済、国内、国際のほとんどの分野で米国が地位を失ったと考える人のほうが多い。
ジョー・バイデン大統領が退任を控える中、米国民は、バイデン大統領の任期中に米国が経済、国内、国際問題18項目で達成した進歩について、おおむね否定的な評価を示している。
米国民の大多数は、過去4年間に米国が6つの分野で後退したと考えている。その分野には、連邦債務(federal debt/67%)、移民(immigration/64%)、富裕層と貧困層との格差(gap between the wealthy and less well-off /60%)、経済(economy 59%)、米国の世界における地位(United States’ position in the world58%)、犯罪(crime/51%)などがある。また、教育(education)、テロリズム(terrorism)、他国との貿易関係(trade relations with other countries)、人種関係(race relations)、国のインフラ(nation’s infrastructure)とエネルギー(energy)という他の6つの分野でも米国が遅れをとっていると答えた人が多数派である。
一方、米国の成人は、同性愛者(gay)、レズビアン(lesbian)、トランスジェンダー(transgender)の人々の立場という問題のうち1つについてのみ、後退(regression/23%)や安定(steadiness/31%)よりも進歩(progress/39%)を感じている可能性が高い。
気候変動と黒人の立場という2つの問題に関して、米国は停滞していると考える人のほうが、進歩したと考える人や後退したと考える人よりも多い。米国の成人の間では、医療、国防と軍事、税金に関して米国が後退したか停滞したかについてほぼ半々で、これらの分野で進歩したと考える人は比較的少ない。
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これらの結果は、バイデン副大統領のカマラ・ハリス(Kamala Harris)がドナルド・トランプ(Donald Trump)に選挙で惨敗した後、大統領交代から1か月が経った2024年12月02日から18日まで実施されたギャラップ社の世論調査によるものです。
民主党はすべての分野で共和党よりもはるかに肯定的な評価を示しています(Democrats Offer Much More Positive Evaluation Than Republicans in All Areas)
民主党寄りの無党派層を含む民主党員は、18の問題のうち14の問題に関して、過去4年間に起こった変化について全体的に肯定的な見方をしています。しかし、これらの党派の肯定的な評価は、エネルギーに対する+51から黒人の状況に対する+13まで多岐にわたります。バイデン大統領の任期中に民主党員が改善を見たその他の問題は、国のインフラ、他国との貿易関係、経済、LGBTQ+の人々の状況、国防と軍事、米国の世界における立場、テロ、犯罪、気候変動、医療、教育、人種関係です。
バイデン政権下では、連邦債務と富裕層と貧困層の間の格差に関して、民主党は国が得たものよりも失ったものの方が多いと考えている。税金に関しては、国が進歩したのか失ったのかで民主党員は意見が分かれており、過半数(63%)はこの問題で現状維持だと考えている。移民問題に関しても、民主党員は進歩したのか失ったのか(30%)で意見が分かれている。
共和党員と共和党寄りの無党派層は、過去4年間で18分野のうち17分野で国が失ったと認識しており、移民、連邦債務、経済について最も否定的な見方をしている。同性愛者、レズビアン、トランスジェンダーの人々の立場は、共和党員がバイデン政権下で進歩があったと考えている唯一の問題である。
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*バイデン氏は多くの問題で前任者より肯定的に捉えていない(Biden Viewed Less Positively Than Predecessors on Many Issues)
ギャラップは、2021年のトランプ大統領の最初の任期の終わり、およびそれぞれ2017年と2009年のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領とジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領の2期目の終わりに、国の進歩に対するアメリカ人の見方も測定した。12月の世論調査で測定された問題のうち12は、これら3人の大統領の任期の終わりにも同様に追跡され、他の5つはオバマ大統領とトランプ大統領の任期後に尋ねられ、1つ(国のインフラ)は最新の世論調査でのみ測定された。一般的に、任期の終わりに大統領の問題に対する進歩に対するアメリカ人の評価は、肯定的よりも否定的であった。
https://news.gallup.com/poll/329423/americans-views-impeachment-trump-record-issues.aspx
https://news.gallup.com/poll/201683/americans-assess-progress-obama.aspx
https://news.gallup.com/poll/113680/gains-under-bush-seen-aids-race-relations-little-else.aspx
バイデンの純進歩は、国防と軍事、移民、税金に関して前任者3人より大幅に遅れており、連邦債務、富裕層と貧困層の格差、他国との貿易関係に関してもオバマやトランプより悪い。
エネルギー、医療、米国の世界における地位、経済の分野ではバイデンの方がブッシュよりも純進歩率が高いが、オバマとトランプはいずれも、これらの問題でバイデンよりも多くの成果を上げたと評価されている。
4人の大統領のうち、気候変動についてはオバマが最も好意的に見られ、トランプは最も好意的に見られなかった。
人種関係の純進歩では、ブッシュが後継者3人を上回った。
米国人は、ブッシュとトランプの2人の共和党大統領が、バイデンとオバマと比べて、米国における犯罪とテロリズムに関して進歩を遂げたと答える傾向が強かった。
LGBTQ+の人々の状況の改善については、オバマは後継者2人よりもはるかに高い評価を受けたが、この分野ではバイデン氏がトランプ氏よりも進歩を遂げたと見られている。
バイデンの教育に関する純進歩の評価はトランプと似ているが、どちらもブッシュとオバマより低い。
黒人の状況改善に関する純進歩は、バイデン、トランプ、オバマで似ている。
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バイデンの進歩に対する民主党員の見方は、4年前のトランプに対する共和党員の見方や2017年のオバマに対する民主党員の見方に比べると概して控えめだが、2009年のブッシュに対する共和党員の見方と多少似ている。
*印は、私の追記
*これだけ評価が低いバイデンの後を、なにも準備もしないで継いだカマラ・ハリスは、まるでインド人のようだ。
結論
バイデンの支持率が比較的低く、歴史が彼の大統領職を否定的に評価するだろうという予想を考えると、アメリカ人はバイデンの在任中に米国が改善したとは考えていないということになる。しかし、任期終了時のアメリカ人の過去の大統領に対する評価も、比較的高い支持率で退任したオバマに対してさえ、概ね否定的だった。民主党がバイデンの経済、国内、国際の幅広い分野への対応を概して控えめに支持していることが、彼の正味の肯定的評価が異例に低い一因となっている。
https://news.gallup.com/poll/654650/americans-ratings-biden-tepid-steady.aspx
https://news.gallup.com/poll/654878/americans-think-history-rate-biden-presidency-negatively.aspx
https://news.gallup.com/poll/202742/obama-averages-job-approval-president.aspx
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