市場流動性の悪化は価格変動を増幅させた。
IMF(International Monetary Fund/国際通貨基金)が定期的に公開している「IMF Blog」は2022年10月27日に、市場の流動性不安は、世界的な金融安定化リスクの高まりを意味すると報告した。
流動性は、金融市場がどの程度機能しているかを測る重要な尺度である。流動性とは、資産の売買のしやすさを意味し、流動性が枯渇すると、大きな混乱を招く可能性がある。
10年以上にわたって豊富な流動性と比較的穏やかな市場が続いた後、インフレ抑制のための中央銀行の利上げが行われ、市場のボラティリティが上昇した。
今週のグラフが示すように、市場流動性の指標は、特にここ数週間で、資産クラス全体にわたって悪化している。
このことは、2022年10月初めに発表した「世界金融安定化レポート(Global Financial Stability Report)」が指摘したように、金融の安定性にリスクをもたらす可能性がある。このことは、最近、イギリス国債市場にストレスが生じ、イングランド銀行(Bank of England)が介入を余儀なくされたことからも明らかである。このエピソードは、急激な値動きと強制的な売却やデレバレッジの組み合わせが、資産市場の無秩序な状態を引き起こし、より広範な市場の機能と安定を脅かす可能性があることを示した。無秩序な資産市場からの波及は、政府や企業の借入コストを上昇させ、金融情勢を悪化させる可能性もある。