異種ワクチンの混合接種でも、高い効果。
MITテクノロジーレビュー(MIT Technology Review)は2021年07月01日に、イギリスの製薬大手アストラゼネカ(AstraZeneca)とオックスフォード大学(Oxford University)が共同開発した新型コロナウイルス感染症(COVID19)ワクチンと、米国の製薬大手ファイザー(Pfizer)とドイツのビオンテック(BioNTech)が共同開発した新型コロナウイルス感染症(COVID19)ワクチン「BNT162b2」の両方を接種させる臨床試験の結果が公開され、免疫反応は、オックスフォード大学/アストラゼネカ製ワクチンを2回接種した人よりも強く、ファイザー/ビオンテック製ワクチンを2回接種した人とほぼ同等だったことが、2021年06月28日に公開されたプレプリント(査読前論文)で報告されたと報告した。
https://time-az.com/main/detail/74710
すでに異なる種類のワクチンを組み合わせて接種している国にとって心強いニュースになった。
例えばスペインでは、オックスフォード大学/アストラゼネカ製ワクチンを1回接種した60歳未満の人に、まれに起こる血液凝固による血栓への懸念から、2回目の接種ではファイザー製ワクチンを提供している。また、今回の新しいデータにより、ワクチンの不安定な供給に直面しているその他の国も柔軟に対応できるようになるはずだと述べている。
特に、オックスフォード大学/アストラゼネカ製ワクチンは、北欧などで接種中断していることから、この結果は助かる。
ただし、中国でも同じようなことを言い出しているが、中国のワクチンでも同じ効果があるかどうか、臨床試験の結果かどうかはわからない。
オックスフォード大学の小児科医で、今回の試験の主任研究員であるマシュー・スネープ(Matthew Snape)は、2021年02月04日にアストラゼネカとファイザーのワクチン両方を接種した場合どうなるか?を提案し、「試験されたワクチン接種スケジュールはすべて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して有効だと言えると思いますし、有効性を期待できます」と言う。
しかしマシュー・スネープ医師は、大規模な第3相試験で検証された接種計画よりも混合接種の方が好ましいとまでは言えないと、「依然として、直接的な証拠に基づいて実際に効果があることが分かっているワクチン接種スケジュールに従うことが基本だと考えています。」と付け加える。
このデータは「コム・コブ(Com-Cov)」という研究の一環として得られたもので、50歳以上の800人を超える参加者を4つのグループに無作為に分け、2つのグループには治験通りのワクチン接種、つまり同じメーカーのワクチンを2回接種し、残りの2つのグループには2つのメーカーのワクチンを1回ずつ接種した。この研究は、同じワクチンの2回接種よりも、異なるワクチンを組み合わせて接種した方が結果が悪くなるかどうかを調べるために実施された。
つまり、「コム・コブ」では、ワクチン接種により新型コロナウイルス感染症を予防できるかどうかではなく、このような接種計画が抗体とT細胞の反応にどのように影響するかを評価している。
2021年05月06日に公開された研究では、異なるワクチンを組み合わせて使用しても安全であることが示されたが、異種混合接種では副反応が大きかった。
今回の論文では、4週間の間隔をあけて2回接種した463人の免疫反応のデータを発表している。
研究チームは、12週間の間隔でも試験しており、いずれの接種計画でも強い免疫反応が導かれたようだ。
私は個人的に、独自のVLP(Virus-like particles/ウィルス様粒子)技術を使用したノババックスが変異型に対しても保護することができ、ノババックス社は必要に応じて、将来的に心配される可能性のある亜種にワクチンを適応させることができるということに期待している。
私は、ファイザー/バイオンテック製を3週間間を開けて接種した。
しかし、これだけ亜種が増えると、次は将来的に心配される可能性のある亜種にワクチンを適応させることができるというノババックス社製を摂取することになるかもしれない。
その成果が確認できるまでは、ファイザー/バイオンテック製を3週間間を開けて接種したワクチン効果に期待している。
つまり、ワクチン接種には、その接種の順番が重要になってきている。
それこそが、ワクチンの進化である。
2021-05-14---ノババックス大規模調査でCOVID-19接種の効果が約90%と判明。
2021-05-07---イギリスも、アストラゼネカ製の副反応考慮し、40歳未満に別ワクチンを推奨。
2021-05-06---異種ワクチンの混合接種に、新たな可能性。
2021-04-10---コロナウイルス・ワクチンで、100%を期待するのは間違い。
2021-04-10---中国、COVID-19ワクチンの混合による保護強化を検討。
2021-04-09---香港当局はアストラゼネカ社製ワクチンの納入を一時停止。
2021-04-07---EMAは、アストラゼネカ社のCOVID-19 ワクチンで、ごく稀な異常な血栓の症例との関連性の可能性を発見。
2021-04-07---香港のワクチンの専門家、アストラゼネカ社に注文の750万本の注射中止を要請。
2021-04-01---ファウチ博士、米国はアストラゼネカ社のワクチンを必要としないかもしれない。
2021-03-31---ドイツ、イギリス製ワクチンに、血栓事例で60歳以上の投与年齢制限。