米国大統領選挙後:経済信頼感は上昇、バイデン支持率は低下
米国の世論調査会社ギャラップ(Gallup)のジェフリー・M・ジョーンズ(Jeffrey M. Jones)は2024年11月26日に、米国の現状に満足しているアメリカ人はわずかに減少していると報告した。
2024年の選挙で共和党が圧勝した後、ギャラップが初めて実施した世論調査では、国民の気分を表す主要な指標にさまざまな変化が見られた。
経済に対するアメリカ人の信頼感は、共和党員の楽観的な見方が高まったため改善し、選挙前よりも議会を支持するアメリカ人がわずかに増えた。経済問題を国が直面する最も重要な問題として挙げるアメリカ人の成人も減少している。一方、ジョー・バイデン大統領の支持率は37%に低下し、米国の現状に満足しているアメリカ人も減少している。
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この結果は、2024年11月06日から20日までのギャラップ社の世論調査によるもので、ドナルド・トランプ次期大統領(President-elect Donald Trump)に対するアメリカ人の好感度は選挙日前よりもわずかに上昇している一方で、ジョー・バイデン大統領(President Joe Biden)、カマラ・ハリス副大統領(Vice President Kamala Harris)、民主党に対する好感度はわずかに低下していることも明らかになった。これは、党派が選挙結果に対して非常に異なる感情的反応を経験している中でのことだ。
https://news.gallup.com/poll/653714/republicans-optimistic-democrats-afraid-election.aspx
経済見通しの改善、主に共和党員(Improved Economic Outlook, Primarily Among Republicans)
ギャラップ社の2024年11月の経済信頼感指数は-17で、10月から9ポイント改善した。現在の数値は、経済がCOVID-19パンデミックの初期ショックから引き続き改善した2021年08月の-12以来の最高値である。2021年後半から2022年初頭にかけてインフレが上昇したことを受けて、指数は2022年06月までに-58まで下落し、2007～2009年の世界不況以来最悪の数値となった。
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この指数は、米国人の米国経済に対する現在の評価と、経済が良くなっているか悪くなっているかについての認識をまとめたものである。
26%が経済を非常に良い、または良いと評価し、32%が「まあまあ」、40%が悪いと評価している。10月以来の主な評価の変化は、悪い評価が6ポイント低下したことである。
36%が経済が良くなっていると感じており、10月の32%から上昇している。一方、55%が経済が悪化していると考えており、62%から低下している。
経済に対する信頼感の上昇は主に共和党支持者によるもので、共和党支持者の指数スコアは今月29ポイント上昇して -43となった。無党派層の信頼感は9ポイント上昇して-25となり、民主党支持者は10ポイント下落して+27となった。 https://news.gallup.com/poll/653714/republicans-optimistic-democrats-afraid-election.aspx
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こうした変化は、経済の見通しに関する党派の認識の変化によるところが大きく、おそらくトランプ大統領の当選に対する反応だろう。現在、経済は改善していると考える共和党員は大幅に増加し、悪化していると考える人は大幅に減少している。対照的に、経済は改善していると考える民主党員は減少し、悪化していると考える人は増加している。
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ギャラップは、民主党のジョー・バイデンが共和党のトランプを破った2020年の選挙後にも同様の政党のシフトを測定した。バイデンが就任して間もない2021年2月までに、民主党の指数スコアは共和党を上回った。
共和党支持者の増加、国の現状に満足している民主党支持者の減少(More Republicans, Fewer Democrats Satisfied With State of Nation)
米国の現状に満足しているアメリカ人は、選挙前(26%)よりも現在(22%)減少している。共和党支持者の満足度が著しく上昇(5%から16%)したが、民主党支持者の大幅な低下(47%から31%)と無党派層のわずかな低下(25%から21%)によって相殺された。
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2020年の選挙直後、共和党支持者の満足度は60%から35%へと、今年の民主党支持者よりもさらに急激に低下した。民主党支持者も無党派層も、2020年の選挙後、満足度は変化していない。
バイデン支持率はほぼ最低水準(Biden Ratings Nearly Hit Bottom)
バイデン氏の支持率は選挙前の41%から37%に低下し、大統領選から撤退する直前の2024年07月に記録した最低値をわずか1ポイント上回った。
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この低下は、主に政治的無党派層の支持率が選挙前の38%から現在32%に低下したことによる。民主党員の80%、共和党員の7%がバイデンの仕事ぶりを支持している。
レームダック大統領(lame-duck presidents)の選挙直後の支持率の傾向はまちまちだ。1952年以降のレームダック大統領12人のうち半数は選挙直後に支持率が上昇した。バイデン氏を含む3人は支持率が低下し、3人は安定していた。
選挙後に支持率が低下した大統領は他にトランプとジミー・カーター(Jimmy Carter)である。両氏は大統領として2期目の任期を務めることに失敗した。トランプ氏の支持率は2020年の選挙後、46%から43%にわずかに低下し、レームダック期は選挙結果に異議を唱える動きが目立ったため、さらに低下するだろう。カーターの支持率は1980年の選挙後、37%から31%に低下した。
他の3人の大統領は、選挙後の支持率に大きな変化はなかった。この中には、バイデンと同様に再選の資格があったものの、結局はそれを果たさなかったリンドン・ジョンソン(Lyndon Johnson)とハリー・トルーマン(Harry Truman)の2人が含まれる。ジョンソンが関与した 1968 年の選挙は、今年の選挙と似ており、現職大統領が脱落し、副大統領が党の大統領候補になったが、最終的には選挙に敗れた。ドワイト・アイゼンハワー(Dwight Eisenhower)も、選挙後の支持率が変わらなかったレームダック大統領の1 人である。
バラク・オバマ(Barack Obama)、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)、ビル・クリントン(Bill Clinton)、ジョージ・H・W・ブッシュ(George H.W. Bush)、ロナルド・レーガン(Ronald Reagan)、ジェラルド・フォード(Gerald Ford)は、いずれも選挙後に支持率が上昇した。フォードと父ブッシュも再選を目指して敗北した。
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世論調査では、バイデンの外交政策に対する支持率は30%と、これまでで最低の数字である。バイデンの経済政策に対する支持率は38%と、より高い評価を得ている。バイデンの経済政策に対する支持率は、2022年8月時点で31%と低かった。
議会の支持率が上昇(Congress’ Approval Ticks Up)
議会の政策を支持する人は19%で、選挙前の16%からわずかに上昇し、今年は高い支持率となっている。
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政治的に無党派層(支持率は 17% から 21% に上昇)と民主党員(19% から 24% に上昇)は、選挙前よりも議会をやや好意的に見ている。
主要な問題はほぼ変わらないが、経済問題に言及する人は減少(Top Problems Largely the Same, but Fewer Mention Economic Matters)
米国が直面している最も重要な問題を挙げるよう求められたとき、米国人は引き続き 3 つの問題に注目しており、21% が政府、20% が移民、17% が経済を挙げている。過去 1 か月間で、経済から政府へと若干のシフトが見られた。さらに 11% の米国成人がインフレを最も重要な問題として挙げており、10 月、9 月、8 月の数字から若干減少している。
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経済全般、インフレ、連邦予算赤字などのその他の問題を含む経済問題は、最も重要な問題を挙げるよう求められたとき、米国人にとってそれほど重要ではなくなった。先月は経済問題に言及した人が43%だったが、今月は33%に減少した。減少はすべての政党グループで見られ、民主党(31%から17%)と共和党(52%から41%)の減少は無党派(45%から39%)よりも大きい。
結論
選挙後、アメリカ人は経済についてはより肯定的になったが、バイデンのパフォーマンスと国家の状態についてはそれほど肯定的ではなかった。この変化は、共和党が経済の方向性についてはるかに楽観的になり、民主党が連邦政府の行政府と立法府の支配権を握った選挙後、国家の状態に対する満足度が低下するなど、どちらかの党派グループ間の急激な変化を反映している。今後数か月で、国家の状態に関する共和党の見解はますます肯定的になる可能性が高いが、民主党の意見はおそらく悪化するだろう。
https://news.gallup.com/poll/330194/satisfaction-improved-recent-decline.aspx
トランプと共和党の議会が2025年初頭に就任すると、経済、国家の状態、連邦指導者に対する共和党の評価は民主党を上回ると予想される。
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