イギリス政府、CO2製造の米国企業に運転資金援助。
ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2021年09月23日に、イギリス政府は2021年09月21日に、ガス価格高騰でイギリス国内工場の操業を停止した米国の肥料大手CFインダストリーズ(CF Fertilizers)に、今後3週間の運転資金を融通することで合意したと発表したと報告した。
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支援額は£数千万に上る可能性もある。
イギリスでは同社の2工場の稼働停止を受け、二酸化炭素(CO2)が不足しており、食品・飲料の供給が大幅に滞る恐れが生じていた。
クワシ・クワーテング民間企業・エネルギー・産業戦略相(Kwasi Kwarteng, Secretary of State for Business, Energy and Industrial Strategy)は、今回の合意は「異例の短期的取り決め」と説明した。「CO2市場が世界のガス相場に適応するまでの間、同社のイギリス子会社CFファーティライザーズの今後3週間の運転資金を限られた形で支援する」もので、これにより、同社のイングランド北東部ダラム州ビリンガム(Billingham)の工場が直ちに操業を再開できるとしている。
ユースティス環境・食料・農村地域相(George Eustice, Secretary of State for Environment, Food and Rural Affairs)は支援の具体的内容について、公共放送BBCのインタビューで「融資ではなく、固定費の一部を保証するための支払い」と説明。また、支援額は数千万ポンドに達するが5,000万ポンドは下回るとの見方を示した。
CFインダストリーズはガス価格の高騰を受け、ビリンガム(Billingham)およびイングランド北西部チェシャー州インス(Ince, Cheshire)に保有する肥料工場の稼働を停止。両工場で副産物として生産されるCO2は、国内の産業用需要の60%を占めており、特に生鮮食品の流通に多大な影響が及ぶと懸念されていた。
CO2は食品の真空パックや、ビールやソフトドリンクの発泡、ドライアイスなどに使用される。家畜のと殺や食肉の保存にも用いられるため、食肉加工業者が数日中に操業を停止する可能性もあった。またタイムズによると、CO2は原子力発電所の冷却剤としても使用されることから、発電業界は政府に原発を一時停止する可能性を警告していた。
2021-09-20---イギリスで、ガス相場高騰。政府に支援要請。
2021-07-22---イギリスは、接触追跡アプリの通知多発で、食品業者などの自主隔離免除。