天の川銀河の中心にある巨大ブラックホール「いて座A*」と対峙する天文学者たち。
米国のNSF(National Science Foundation/全米科学財団/国立科学財団)は2022年01月13日に、天の川の中心にある質量は99.9%が「いて座A*(Sagittarius A/人馬宮 A)」のものであることが判明したと報告した。
天の川銀河の中心には、太陽の430万倍もの大きさの超巨大ブラックホール「射手座A*」が存在する。最近まで、銀河の中心にある物質のうち、どの程度が「いて座A*」であるかは明らかではなかった。
天文学者は、このブラックホールの周りにある4つの星の速度を測定した。この星の動きから、銀河の中心部の質量はほとんど「いて座A*」の物質で構成されており、星や他のブラックホール、星間塵やガス、あるいは暗黒物質が入る余地はほとんどないことがわかった。
https://time-az.com/main/detail/76028
「ジェミニ観測所(The Gemini observatories)は、我々の銀河系とその中心にある巨大なブラックホールの性質について、新たな洞察を与え続けている。」と、NSFのジェミニプログラムオフィサー、マーティン・スティル(Martin Still, Gemini program officer at the U.S. National Science Foundation)は言う。
「今後10年間、幅広い利用を目的としたさらなる装置の開発が行われ、私たちを取り巻く宇宙の特徴を明らかにする上で、ジェミニのリーダーシップが維持されるでしょう。」と述べている。
研究チームは、NSFが資金提供するNOIRLabのプログラムである国際的なジェミニ天文台の一部であるハワイのジェミニノース(Gemini North in Hawaii)で研究を実施した。この調査では、ジェミニ近赤外線分光器による星の速度の測定と、欧州南天天文台の超大型望遠鏡干渉計SINFONI(SINFONI instrument on the European Southern Observatory’s Very Large Telescope Interferometer)による星の動きのマッピングが行われた。これらの観測データから、研究チームは「いて座A*」が銀河系中心部の質量の99.9%を占めていることを推測した。
今後天文学者は、天の川の中心に何が隠れているのかを知ることになる。射手座 A* が主張しない空間には、何があるのか?今後、もっと暗い星や遠くの星をより正確に測定することで、より多くのことが明らかになる。
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