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サウジアラビアが、イギリス、イタリア、日本の戦闘機共同開発への参加を要請
イギリスの新聞「ガーディアン(The Guardian)」のジャスパー・ジョリー(Jasper Jolly)は1年以上前の2022年08月11日に、この動きは、戦闘機やドローンの開発コストを分散させるのに役立つかもしれないが、物議を醸す可能性もあると報告していた。
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イギリス、日本、イタリアの企業は、テンペスト) Tempest)としても知られるGCAP(Global Combat Air Programme/グローバル戦闘航空計画)の下、新しい戦闘機やドローンなどのシステムの構築に協力している。この計画は、2035年までに最初の航空機を納入することを目指しており、納期は厳しい。
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この計画にサウジアラビアが加わることは、世界最大の防衛費支出国の一つと数十億ポンドの費用を分担できる可能性があるため、パートナーにとって魅力的かもしれないが、両国の間に緊張が生じる可能性もある。
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The Japan Newsは2024年12月01日に、日本、イギリス、イタリアが開発中の次世代戦闘機にサウジアラビアが「パートナー」として加わる可能性が話題にした。
3カ国は、今年末までにGCAPへサウジアラビアを加えることで合意する予定で、原油輸出で潤っているサウジアラビアから、3カ国は多額の資金提供を期待している。
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日本、イギリス、イタリアは、2035年からの次世代戦闘機配備を目指しており、計画を監督するGIGO(GCAP International Government Organization/GCAP国際政府機構)を設立する条約に署名している。
日本政府筋によると、3カ国は、条約の枠外でサウジアラビアをパートナーにすることを検討しているという。
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サウジアラビアを加えることは、イエメン戦争への関与や2018年のジャーナリスト、ジャマル・カショギ(journalist Jamal Khashoggi)の殺害など、人権問題に関する記録に対する批判のため、おそらく物議を醸すことになるだろう。この殺害により、サウジアラビアとその皇太子であるムハンマド・ビン・サルマン(crown prince, Mohammed bin Salman(は一時的に国際取引から締め出されたが、その後非難は薄れている。
GCAPの3つのパートナーのうち、英国がサウジアラビアを加える取り組みを主導していると理解されている。しかし、この要請を最初に報じたフィナンシャル・タイムズ(Financial Times)によると、日本当局はサウジアラビアの参加に断固反対を表明している。日本は、第二次世界大戦後の平和主義の遺産の一部であった武器輸出の規制を徐々に緩和している。
イギリスの上級防衛筋は、「サウジアラビア王国はイギリスの戦略的パートナーの1つであり、イギリス防衛はGCAPの取り組みを深めることに熱心である。サウジアラビアは戦闘機プログラムの重要なパートナーと見ており、できるだけ早く確実に大きな進展が得られるよう取り組んでいます。」と述べた。
サウジアラビアは以前からテンペストへの参加を視野に入れている。2024年03月にイギリスと覚書を交わし、両国は将来の戦闘機パートナーシップとより緊密な産業協力を検討するため「提携実現可能性調査(partnering feasibility study)」を実施するとしている。サウジアラビアのハリド・ビン・サルマン国防相(defence minister, Khalid bin Salman)は、この契約は同国が国際的なジェット機開発計画に参加することを意味するとツイートしたが、イギリスは慌ててこれは別の合意だと述べた。
サウジアラビアの正式加盟に関する協議はまだ比較的初期段階にあり、イギリス国防省が担当していると考えられている。正式な合意には首相の承認が必要となる。
サウジアラビアは最近、武器供給に関して米国への依存度を下げようとしており、国内の武器産業の構築に取り組んでいると、ある中東アナリストは述べたという。
ここにきて、日本経済新聞が多く報告している。
アメリカが、どう出るかも注目されている。