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シェル、安定供給を確保するため、北海新ガス田開発へイギリス政府が承認。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年06月07日に、イギリス政府は石油大手シェル(Shell)は、イギリス領北海に浮かぶシェトランド諸島沖のカンボ油田開発プロジェクト(Cambo oil field development project)が計画しているイギリス領北海のジャックドー(Jackdaw)・ガス田の開発計画を承認したと報告した。

この計画は2021年10月に環境上の理由で却下されたが、ロシアのウクライナ侵攻を受けてエネルギーの増産を目指すイギリス政府の判断が注目されていた。

ジャックドー・ガス田はスコットランドのアバディーン沖合250kmにある。

https://time-az.com/main/detail/77035

シェルは2022年03月にプロジェクトの修正案を規制当局に提出した。新たな計画では2025年後半に生産を開始する予定で、稼働後は国内のガス生産量の6.5%を占め、140万世帯にガス供給が可能になる。

シェルは先に、開発に絡んだ設備投資は£5億に上るとの見通しを示した。また、スコットランド東部のピーターヘッドで計画中のCCS(Carbon dioxide Capture and Storag/二酸化炭素回収・貯留)プロジェクトが実現すれば、新しいガス田の炭素排出は最終的には回収できるという。

クワシ・クワーテング民間企業・エネルギー・産業戦略相(Minister for Private Enterprise, Energy and Industrial Strategy, Kwasi Kwarteng)はガス田開発を承認した理由について、「再生可能エネルギーと原子力を加速させてはいるが、政府は現在のエネルギー需要に対して現実的な立場を取っている。」と説明。エネルギーの安定供給を確保するため、イギリスの海域からのガス供給を拡大する必要性を唱えた。ただ、環境保護団体グリーンピースは今回の決定に反発しており、法的措置を検討すると述べている。

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