
タイで、一般に売られている透明な淡水魚は、虹色に発光する謎を解明。
Nature Briefingは2023年03月14日に、AP通信の2023年03月14日のニュースからとして、ゴーストキャットフィッシュ(Kryptopterus vitreolus)の虹色の輝きは、色素ではなく、筋肉にある光を曲げる微細な構造から生まれると報告した。
https://www.pnas.org/doi/suppl/10.1073/pnas.2219300120/suppl_file/pnas.2219300120.sm01.mp4
他の動物では、孔雀の羽や蝶の羽など、体の外側にこのような構造的な色の揺らぎを見せるが、ゴーストキャットフィッシュには鱗がない。
サランガイ科ゴーストキャットフィッシュ/Kryptopterus vitreolus)の虹色の輝きの構造は、色素ではなく、筋肉にある光を曲げる微細な構造から生まれまるヌードルフィッシュなど、他の透明な種でも虹色に輝く可能性がある。
タイで生まれたこの小さな水族館の魚は、透けて見える。その皮膚はほとんど透明である。しかし、光が当たると、体が虹色に輝く。
ゴーストキャットフィッシュと呼ばれるこの魚が、どのようにして虹色の輝きを放つのか、科学者たちが解明した。
PNAS(Proceedings of the National Academy of Sciences/米国科学アカデミー紀要)に掲載された研究によると、その輝きは体の中から生まれるのだそうです。光が魚の皮膚を通過するとき、筋肉の中の小さな構造物に当たって、光をカラフルなスペクトルに変える。
RESEARCH ARTICLE
APPLIED PHYSICAL SCIENCES
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Light diffraction by sarcomeres produces iridescence in transmission in the transparent ghost catfish
Xiujun Fan,
Xuezhi Zheng,
Tong An, +6 , and
Qibin Zhao zhaoqibin@sjtu.edu.cnAuthors Info & Affiliations
Edited by Joanna Aizenberg,
Harvard University, Cambridge, MA; received November 11, 2022; accepted February 7, 2023
March 13, 2023
120 (12) e2219300120
https://doi.org/10.1073/pnas.2219300120
ゴーストキャットフィッシュは、タイの河川に生息する小型の魚で、体長は数cm。水族館用の魚として世界中で販売されている。
多分、バンコクの有名な動物マーケットに行けば、普通に売っていそうである。
このほかにも、動くたびに色が変化する虹色に輝く生物もいる。アリゾナ州立大学の生物学者ロン・ルトウスキー(Arizona State University biologist Ron Rutowski)は、「通常、ハチドリの羽や蝶の羽のように、光を反射する光沢のある外面を持っている。」と説明した。
ゴースト・ナマズには鱗がない。筆頭著者である中国上海交通大学の物理学者キビン・ツァオ(senior author Qibin Zhao, a physicist at China’s Shanghai Jiao Tong University)は、水族館でこの魚を見て魅了されたのだという。
その代わり、筋肉の中に光を虹色に曲げることができる構造がぎっしり詰まっている。
研究室でこの魚の体にさまざまな光やレーザーを照射してみたところ、このことがわかった。ゴーストキャットフィッシュが泳ぐと、筋肉が緩んだり締まったりして、さまざまな色を放つように輝く。
そして、外光を約90%取り込むシースルーの皮膚も欠かせない。
「魚の皮膚が透明でなければ、色を見ることはできません。」と、趙は電子メールで語った。
魚の種類によっては、虹色の光で仲間を引き寄せたり、警告を発したりするものもいるが、ゴーストキャットフィッシュの色に目的があるかどうかは不明であるとロン・ルトウスキーは言う。
https://apnews.com/article/ghost-catfish-iridescent-rainbow-colors-7da1460beab335cf2110ac4dee610dee?utm_source=Nature+Briefing&utm_campaign=00ccecfc7c-briefing-dy-20230314&utm_medium=email&utm_term=0_c9dfd39373-00ccecfc7c-46484510
https://www.pnas.org/cgi/doi/10.1073/pnas.2219300120