2021EBAストレス・テストの結果、ドイツ銀行とフランスのソシエテが最も脆弱。
米国の新聞「ブルームバーグ(Bloomberg)」日本語版は2021年07月31日に、EBA(European Banking Authority/ヨーロッパ銀行監督機構)が実施したストレス・テスト(Stress Test/健全性審査)で、大手ヨーロッパ銀行の中でドイツ銀行(Deutsche Bank AG)とフランスのソシエテ・ジェネラル(Société Generale SA)が最も脆弱(ぜいじゃく)な一角との結果が示されたと報告した。
https://time-az.com/main/detail/74903
EBAが2021年07月30日に公表したEBAストレス・テストの審査結果によると、低金利長期化と急激な経済縮小が3年続く逆境シナリオで、ドイツ銀行のCET1(Common Equity Tier 1/普通株式等ティア1)比率は620ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して7.4%。ソシエテの比率は562bp下がって7.5%だった。
CET1比率は銀行の財務健全性を測る上で最も重要な指標の一つで、この逆境シナリオの下、ヨーロッパ銀行全体の同比率は10.2%と、3年前の審査から若干改善された。
ドイツ銀行のCFO(Chief Financial Officer/最高財務責任者)イェームス・フォン・モルトケ(James von Moltke)はステートメントで、審査結果には2021年01-06月の利益増加が反映されていないとして、「一段と厳しい逆境シナリオでも、起こり得る経済危機に対して強靱(きょうじん)である状況をドイツ銀行は示している。」と指摘した。
欧州の銀行50行を対象とするEBAの健全性審査は合格・不合格を示すものではないが、ECB(European Central Bank/欧州中央銀行)を含むヨーロッパの監督当局が金融システムの資本ニーズや銀行の配当およびボーナス水準の妥当性を評価する上での指針となる。
ECBは今月に入り、経済状況の好転を理由に、銀行に課してきた株主還元の制限を9月末で終了させると発表した。
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