ベルギーの画家ルネ・マグリットが死去した。
ArtDailyは2022年08月15日に、ベルギーの超現実主義のアーティストであったルネ・フランソワ・ジスラン・マグリット(René François Ghislain Magritte/1898 - 1967)または単にルネ・マグリット(René Magritte)は、1963年に膵臓癌と診断され、1965年のMoMA(Museum of Modern Art/ニューヨーク近代美術館)での彼の作品展のために、ニューヨークに旅行している。また、この期間に妻ののジョーゼットを特集した一連の短編映画を制作し、彫刻の実験も行っていた。壮絶でエネルギッシュな死に向かう旅の後、1967年08月15日にベルギーのブリュッセル(Brussels, Belgium)で、68歳で死去し、ベルギーのスカールベーク(Schaerbeek/Schaarbeek)に埋葬されたと報告した。
https://time-az.com/main/detail/7838
この1963年に膵臓癌と診断された後から、1967年08月15日にベルギーのブリュッセルで死ぬまでをリアルに描いた本が読んでみたいと思った。
マグリットは多くの画家のような波乱や奇行とは無縁の平凡な生涯で、3LDKのつましいアパートに暮らし、幼なじみの妻と生涯連れ添い、ポメラニアン犬を飼い、待ち合わせの時間には遅れずに現われ、夜10時には就寝するという、どこまでも典型的な小市民であったというが、マグリットは、死の宣告を受ける前に、大失態を犯している。
マグリットが1922年06月に結婚したジョルジェット・ベルジェ(Georgette Berger)と結婚しているが、ジョルジェットはシャルルロワの肉屋(butcher in Charleroi)の娘で、マグリットと初めて会ったのは彼女が13歳、彼が15歳のときだった。
7年後の1920年にブリュッセルで再会し、美術も学んでいたジョルジェットは、マグリットのモデル、ミューズ、そして妻となった。
しかし、1936年に、堅物と言われたマグリットは、若いパフォーマンス・アーティスト、シーラ・レッジ(a young performance artist, Sheila Legg)と出会い、彼女との不倫関係を始めたことで、結婚生活に問題が生じた。
マグリットは、友人のポール・コリネ(Paul Colinet)にジョルジェットを楽しませて気を紛らわせるよう手配したが、これがきっかけでジョルジェットとコリネの間に不倫関係が生じた。
最悪の事態にまで向かっていた。
マグリットと妻が和解したのは1940年のことである。
このことが記憶に残っていたのだろう。
当時、膵臓癌と診断されたのは、死の宣告である。
それを克服して、マグリットは、罪償いを死ぬまでにしたのだろう。
私の義理の弟は、半年の命と医者から、私に告げられ、私は、ドイツでそのような場合は、家族や本人に宣告するのが通常であったので、妹つまり、義理の弟の妻に話したが、医者はそれを否定した。
マグリットは、死の宣告から5年間も生きた。
そしてその5年間で、壮絶な作品を作っている。
私は、義理の弟が死んでから、何人もの癌による死を見てきた。
その中で、死の直前まで、医者の指示で、本人には癌と知らせなかったのは彼だけであった。
私は、早い時期に暗示を与えたが、それを彼は信じなかった。
ルネ・マグリットは、シュールレアリズムの傘に入って、多くの機知に富んで、示唆に富んだ多くのイメージのためによく知られた。
マグリットの絵画は、画家自身の言葉によれば「目に見える思考」であり、世界が本来持っている神秘(不思議)を描かれたイメージとして提示したものである。
つまり、マグリットは「言葉とイメージ」の問題を追求した。
日本では、宇都宮美術館、横浜美術館、豊田市美術館、富山県美術館などに作品が収蔵されている。
また、ザ・ビートルズが、自ら1968年に興したレコードレーベルのアップル・レコードのデザインは、メンバーのポール・マッカートニー(Sir James Paul McCartney, CH, MBE, Hon RAM, FRCM/1942 - )が所有するマグリットの絵が使用された。
彼の作品は、現実をオブザーバーで事前に調整された認知と競合する。
今回、ArtDailyで公開されたルネ・マグリットの写真は、ローター・ボレー(Lothar Wolleh)によって、彼が「巡礼者(Pilgrim)」を描く前に撮影された。
しかし、1960年代になると、マグリットの作品に対する一般の認知度が非常に高くなり、健全な知識の持ち主も増え、マグリット作品を広告、ポスター、書籍の表紙などで頻繁に採用されるようになり、それと同時に盗用なども増え、それだけでも1冊の本ができるほどであった。
一方で世界的に売れたビートルズは、The Beatles' company Apple Corpsのロゴに、1966年に描かれたマグリットの「Le Jeu de Mourre」をモチーフにしている。
ポール・サイモン(Paul Simon's)の曲「Rene and Georgette Magritte with Their Dog after the War」は、Lothar Wollehが撮影したマグリットの写真をモチーフにしたもので、1983年のアルバム「Hearts and Bones」に収録されている。
ジョン・ケイル(John Cale)は「マグリット」というタイトルの曲を書いた。もう、ここまで来るとバカバカしくなる。この曲は2003年のアルバム『HoboSapiens』に収録されている。
ブリュッセルのスカールベーク墓地(Schaarbeek Cemetery)の緯度、経度
50°52'11.0"N 4°25'22.3"E
または、
50.869722, 4.422861
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