大和証券グループ、ETHで日本初のデジタル証券(ST)発行へ。

2023年12月4日 09:02

Coinpostは2023年12月01日に、証券大手大和証券グループ本社は2023年11月30日に、パブリックブロックチェーン上でセキュリティトークン(ST)の発行および発行プラットフォーム開発に向けた概念実証(POC)を実施することを発表した。

その基板には、暗号資産(仮想通貨)ETH(Etereum/イーサリアム)のブロックチェーンを活用する。

実施は2024年01月以降を予定しており、今回は主に、ハッキングが起こった場合にどのようにして顧客の資産を守ることができるかを検証することにした。

このPOCは同社子会社の大和証券、Fintertech、Gincoと協業して4社で行う。日本で発行されるSTは主にプライベートチェーンやコンソーシアムチェーンを基盤にしているが、海外ではパブリックブロックチェーン上でも発行されている現状がPOCの背景にあるとした。

パブリックブロックチェーンの活用には様々な課題もあるが、透明性や相互運用性の高さなどのメリットがあるとし、今回のPOCを実施することになったと説明した。

これ実現すれば、現時点では日本初の事例になるという。

POCの概要

今回のPOCでは、まずイーサリアム上の投資家2名のアドレスに対して、FintertechがSBT(Soulbound Token/ソウルバウンドトークン)を付与。その後に、発行会社がイーサリアム上でSTを発行する。

「デジタル証券」とも呼ばれているこのSTは証券会社を仲介させずに、少人数私募によって1人の投資家に販売。そして、購入した投資家がもう1人の投資家に売却するという。

スマートコントラクトによって、このSTはSBTを所有する投資家しか取得・売却できないように設計。この設計を活用すれば、ハッキングによって秘密鍵が流出した際にも、STの不正移転ができないようになるはずだとした。

有価証券とみなされる権利をトークンとして表現したデジタル資産で、日本では、2020年05月に金融商品取引法(金商法)が改正され、法に準拠したSTの取り扱いが可能になった。

東京の小池都知事が、STの発行支援などフィンテックの振興を後押しすると表明した。革新的技術を社会に広めるため、金融のデジタライゼーションを推進すると述べたが、コロナの時の無責任行動に、マイナス・イメージになった。

SBTとは
一度受信したらデジタルウォレットの外に移すことができない特性を持つ、譲渡不可能なトークン。ユースケースとして、資格、職歴、プロジェクトへの貢献、ユーザー認証情報、ローン履歴など、個人の信用に関連するデータの記録などが挙げられている。

また、以下の3つのケースについて、
投資家の暗号鍵が盗まれた場合
発行体の暗号鍵が盗まれた場合
SBT発行体の暗号鍵が盗まれた場合

スマートコントラクトによって問題を未然に防いだり、問題発生時に元の状態に戻したりできるかを示す予定だとも述べている。

EIB(European Investment Bank/欧州投資銀行)は2021年04月28日に、ETHで130億円相当(€100 million two‑year bond)のデジタル債権発行している。

Summary Terms and Conditions for the new bond issue

Issue Amount

EUR 100m

Pricing Date

27 April 2021

Settlement Date

28 April 2021

Maturity Date

28 April 2023

Coupon

0.000%, annual

Re-offer Yield

-0.601%

Re-offer Price

101.213%

Governing Law

French law

Joint Lead Managers

Goldman Sachs, Santander, Societe Generale

Registrar, Fiscal Agent, Settlement Agent and Platform Manager

Societe Generale - FORGE

Legal advisers

Linklaters LLP (to EIB) and Allen & Overy LLP (to the joint lead managers)

Blockchain

Ethereum public blockchain

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