一般的な殺虫剤を結晶化することで、より効果的になることを発見。

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米国のNSF(National Science Foundation/全米科学財団/国立科学財団)は2021年10月27日に、結晶化された新しい形態のイミダクロプリド(imidacloprid)は、より早く効き、より少量で済むと報告した。

NSFの助成を受けたニューヨーク大学の化学者たち(New York University chemists)は、広く使われている殺虫剤イミダクロプリドの結晶体を開発した。

https://time-az.com/main/detail/75494

この研究成果は、Journal of the American Chemical Society(米国化学会誌)に2021年10月12日に掲載された。

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この新しい形態の殺虫剤は、より効果的な害虫駆除が可能で、持続可能性にも優れている。

イミダクロプリドは、ペットや農作物の保護、昆虫が媒介する病気の蔓延防止など、さまざまな用途に使われている。しかし、この化合物の広範な使用は、その毒性のためにハチのコロニー減少の原因となる可能性があると指摘されてい る。イミダクロプリドの速効性結晶体を少量使用することで、ハチへの被害を軽減できる可能性がある。

研究者らは、市販の化合物を融解・冷却することで、新たな結晶体を作り出した。最も活性の高いイミダクロプリドは、その安定性から商業的に利用できる可能性がある。

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今回の研究を主導したニューヨーク大学の化学者バート・カー(Bart Kahr, a chemist at New York University)は、「改良型イミダクロプリドを使用することで、必要な量を減らしながら、蚊の病気の媒介動物を駆除する能力を向上させる持続可能な戦略をとることができるかもしれません。」と語る。「これにより、他の生物への暴露や害を最小限に抑え、マラリアが蔓延している地域では緊急課題である蚊による抵抗性の発現を遅らせることができる道筋ができます。」と述べている。

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