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EU首脳会議、ロシア産石油禁輸、年内に9割削減で合意。

ヨーロッパ経済ニュースEUROPE NNAは2022年06月01日に、EU(European Union/欧州連合)は2022年05月31日に開いた臨時首脳会議(サミット)で、ロシア産石油の輸入を禁止することで合意した。

ただし、ハンガリーなど内陸諸国への配慮から、当面は陸上パイプライン経由での輸入は適用外とし、海上輸送分のみを禁止する。これにより、ロシアからの石油輸入は年内に90%削減される見通しだという。

https://time-az.com/main/detail/76983

EU首脳らは合意文書で「第6弾の対ロシア経済制裁の対象に、ロシアから加盟各国に輸送される原油および石油製品を含めることで合意した」とした上で、「パイプラインで輸送される原油は一時的に例外とする」と述べた。例外とされる期間を巡っては合意がまとまらず、「できるだけ早急に再検討する」方針が示されたのにとどまった。

EUのシャルル・ミシェル(Charles Michel)大統領は、新制裁について「ロシアからの石油輸入の75%が直ちに対象となり、年内にはロシアからヨーロッパへの石油輸入の90%が禁止される」としている。

欧州委員会は2022年05月上旬、ロシアのウクライナ侵攻を受けた経済制裁として、ロシア産原油については6カ月以内に、石油精製品については年内に、それぞれ輸入を禁止することを加盟各国に提案。

しかし、ロシア産石油への依存度が高いハンガリーなどの内陸国がこれに抵抗したため、妥協案が検討されてきた。

サミットでは、ロシア最大の国営銀行(Сбербанк/Sberbank/ロシア貯蓄銀行/ロシア連邦貯蓄銀行)をSWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication/国際銀行間通信協会)から排除することでも合意がまとまった。

また、ロシアの国有テレビ3社のEU域内での放映を禁止するほか、戦争犯罪の責任者と見なされる個人を経済制裁対象リストに追加する。

EUは今後、閣僚理事会で新制裁の詳細を策定した上で正式に採択する。

一方、ロシアの天然ガス世界最大手ガスプロム(Gazprom/Газпром)は2022年05月31日に、オランダへのガスの供給を停止した。オランダのガス販売会社ガステラ(GasTerra)が、2022年04月に納入されたガスに対してロシア側が求めるルーブル建てでの代金支払いに応じなかったため。また、デンマークのエネルギー大手オーステッド(Orsted)も30日、ユーロ建てでの支払いを続けるために供給停止の恐れがあると警告している。

ガステラは2022年05月30日に発表した声明で、ガスプロムの一方的な要求はEU(European Union/欧州連合)の経済制裁に抵触するほか、ルーブルの銀行口座開設には財務上や運営上のリスクがあるとして、ルーブル建てでの支払いには応じないと説明した。2022年10月01日までの契約分である約20億立方メートルのガスが供給されない見通しだが、すでに代替手段を講じていると明らかにした。

ガステラはオランダ政府が半分を所有し、残りはイギリスの石油大手シェル(Shell)と米国のエクソンモービル(Exxon Mobil)が出資する。

オランダのラブ・イェッテン気候・エネルギー政策相(Rob Jetten is Minister for Climate and Energy Policy)は今回の動きに対し、ガステラは供給停止を見越してガスを購入していたために「一般家庭や産業界への影響はない」と述べた。

オランダはガス供給の約15%をロシアに依存しているが、これはEU平均の40%を大きく下回る。

ロシアは先に、EU加盟27カ国を含む「非友好国・地域」が天然ガスを輸入する際に、ルーブル建ての支払いを求める法令を導入。ガスプロムは既にポーランドとブルガリア、フィンランドへの供給を停止している。

ドイツのインフォグラフィクスを紹介しているハンブルク(Stadt Hamburg)にあるStatista GmbHのデータ・ジャーナリスト(data Journalist)のフローリアン・ツァント(Florian Zandt)の報告として2022年05月31日に、ここ数週間、ギリシャの石油タンカーのチャーターが一般的になっているが、ロシアはこの他にもエネルギー源の買い手を見つけているよで、トルコと特にインドは、制裁関連の価格割引の恩恵を受けて、数週間前からロシア産原油の輸入を大幅に増やしている。この進展次第では、EUの石油禁輸がロシアの予算に与える影響は期待よりも小さくなる可能性があると報告した。

2022-05-31---ロシアの石油はどこに流れているのか?
2022-05-04---EC、ロシア産石油の段階的禁輸を提案。ロシア国営銀行ズベルバンクも制裁。
2022-04-27---ロシア、ルーブル建て支払い拒否で、東欧2カ国にガス供給停止。

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