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世界のETF膨張、2024年03月末の残高はUS$12兆7050億(約2000兆円)
イギリスのロンドンにある世界のETF(Exchange Traded Funds/上場投資信託)エコシステムに関する洞察の提供に特化した大手独立系調査およびコンサルティング会社ETFGIは2024年05月13日に、「ETFGI Reports Robust Growth in Global ETFs Industry with 35 New Listings last week(ETFGI、先週35の新規上場により世界のETF業界の堅調な成長を報告)」を公開し、ETF市場の大幅な上昇を発表した。
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ETの2024年03月末の残高はUS$12兆7050億(約2000兆円)と2023年末比で9%増え、過去最高になった。半導体大手エヌビディア(NVIDIA)など単一株式を対象とするETFが増えているほか、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるBTC(Bitcoin/ビットコイン)など新たな資産に投資できる受け皿としても存在感を増した。
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ETFGIによると、ETFの残高は23年末比でUS$1兆710億増えた。
先週だけでも、ETF業界では35の新商品が導入され、6つの商品が閉鎖され、最終的に29のETF商品が純増加した。
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年初来(YTD)パフォーマンスの主なハイライト:
世界のETF業界は612の新しい商品の上場を歓迎した。
合計182件の商品が閉鎖された。
業界では、430件の製品リストが純増加した。
219のプロバイダーからなる多様なグループが、世界中の35の取引所にわたる新規上場した。
29の取引所で73のプロバイダーから182件の閉鎖があった。
新しい製品構造を詳しく見ると、
年初からリストされた612の新製品のうち、540はUCITSと40Actを含む規制された基金として構成されている。
72社が代替製品構造を採用している。
新規物件の地域分布では、
米国が新規上場207件で首位。
アジア太平洋(日本を除く)が192に続く。
ラテンアメリカでは新規上場が1件あった。
業界では、21の取引所で489件の新たな相互上場も確認されている。
製品閉鎖の傾向では、
閉鎖182件のうち164件はETFが占めている。
米国では83件の閉鎖が大半を占め、ヨーロッパでは37件、ラテンアメリカでは1件となっている。
過去5年間の比較分析では、
米国およびアジアパシフィック(日本を除く)地域は、毎年、新製品の半分以上を安定して発売してきた。
ラテンアメリカは依然として新規上場件数が最も少ない地域である。
米国が新規上場件数の最大の増加を記録し、次に日本を除くアジア太平洋地域が続いた。
今年のデータは、米国とアジア太平洋地域が製品の革新と提供において先頭に立って、ETF業界がダイナミックかつ拡大していることを反映している。ETFGIは引き続きこうした傾向の監視と報告に努め、投資家や業界関係者に貴重な洞察を提供している。