ウクライナとロシア、捕虜を交換。
米国のWSJ(Wall Street Journal/ウォールストリート・ジャーナル)(電子版)は2022年06月29日に、戦場激化の中でマウロ・オルル(Mauro Orru)とアラン・カリソン(Alan Cullison)の取材によるウクライナとロシアの捕虜を交換取材記事を公開した。
ウクライナとロシアは、ロシア軍が東部のリシチャンスク(Lysychansk)を包囲する動きを続け、米国が冷戦後ヨーロッパで最大の軍事拡張の概要を示す中、キエフ(Kyiv)が2022年02月のモスクワ侵攻以来最大の捕虜交換を行ったと発表した。
ウクライナの軍事情報機関は2022年06月29日水曜日に、マリウポルのアゾフスタル製鉄所(Azovstal steel plant in Mariupol.)を守っていた95人の兵士を含む、144人のウクライナ人兵士が解放されたと発表した。この工業団地でロシアの包囲に耐えていた最後の戦闘員グループは2022年05月に降伏し、モスクワに製鉄所から2千人以上のウクライナ人捕虜を引き渡した。それ以来、兵士の運命は不明である。
95人の兵士のうち43人は、ロシアがネオナチ集団(neo-Nazi group)とみなしているウクライナのボランティア民兵組織「アゾフ連隊」(Azov Regiment, a Ukrainian volunteer militia)の出身だった。ロシアは、ウクライナ人捕虜の返還は法的手続きを経てから検討すると主張していたが、今回の交換は、モスクワが交換に関与することに前向きであることを示すものであった。
つまり、ウクライナで、家族が帰ってくるかもしれないと期待した人をほとんど裏切った。
https://time-az.com/main/detail/77211
ロシアが支援するドネツク人民共和国のデニス・プシリン代表(Denis Pushilin, the Russia-backed head of the self-proclaimed Donetsk People’s Republic)は、テレグラムで、ウクライナ軍に捕らえられた離脱国家とロシアの兵士144人が帰還する途中だと書き、交換を確認した。
このようなやり取りがあったにもかかわらず、紛争は続いており、双方とも一歩も引く気配がない。
バイデン大統領は首脳会談で、ポーランドに常設司令部を設置し、スペインに海軍の駆逐艦を追加派遣するなど、ヨーロッパでの戦力態勢の追加的な動きについて説明した。
ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務副大臣(Russian Deputy Foreign Minister Sergei Ryabkov)は、モスクワが「代償措置」を講じると述べた。
「このような決定を提案する人たちは、ロシアを威嚇し、どうにかして抑制することができると錯覚しているのだと思う。彼らは成功しないだろう」と、リャブコフ外務副大臣は水曜日にロシア国営通信社RIA Novostiが伝えたコメントの中で述べた。
ロシアがリシチャンスクを占領すれば、ルハンスク(Luhansk)は事実上モスクワの支配下に置かれることになる。クレムリン(Kremlin)は、かつてウクライナの経済を牽引していた地域ルハンスクとドネツク(Donetsk)を含むウクライナ東部のドンバス(Donbas)地域の全領域の奪取を視野にいれている。
ロシアは2022年06月28日火曜日、スウェーデンとフィンランドがNATOに加盟することを認めれば、弾道ミサイルと核兵器を国境に配備すると脅した。
ロシアのプーチン大統領(Russian President Vladimir Putin)は2022年06月29日水曜日に、カスピ海周辺諸国が集まるカスピ海サミット(Caspian summit)に参加するためトルクメニスタン(Turkmenistan)に移動し、アゼルバイジャン(Azerbaijan)、イラン(Iran)、カザフスタン(Kazakhstan)、トルクメニスタンの首脳と会談した。
ロシア国営メディアも引用したカザフスタン政府の声明によると、カスピ海に外国軍が侵入しないようにする目的で、5カ国の首脳は「沿岸国のいずれかに対する侵略やその他の軍事行為」を行おうとする他国に対して領土へのアクセスを提供しないことに合意したという。
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