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金風舎の新企画「次世代の教科書」シリーズを立ち上げます

この度、金風舎で新しいシリーズ企画を立ち上げることになりました。

その名も、「次世代の教科書」。

シリーズのコンセプトをざっくりお伝えすると、

「次世代を担う若者たちが本当に面白いと思ったコンテンツを書籍化して、世代、空間を越えて広めていく」

ということ。

なぜこのようなコンセプトで企画を立ち上げようと思ったのか?
これからどんなコンテンツを展開しようとしているのか?

今回はそのあたりを中心にお話していきます。


きっかけは学生スタッフ

金風舎ならびに親会社のデジカルでは現在、総勢7名の学生スタッフが働いてくれています。

彼らは、インターンとバイトとサークル活動をミックスしたような新しいコミュニティを生み出し、ほぼ完全オンラインの元、金風舎の制作やSNS発信の屋台骨を作ってきてくれました。彼らがいなければ今の金風舎はありません。お世辞でもなんでもなく、そう言い切れます。

単なる「学生バイト」の領域を遥かに超える彼らのポテンシャルと、既成の価値観にとらわれない柔軟な思考に触れているうちに、私達の中にある確信が生まれました。

「彼らに新しい金風舎の企画を任せてみてはどうだろうか?」

未来予測がますます難しくなっていく出版界。

その中で、これからの世界に対して本当に価値のある問題提起ができるのは、凝り固まった価値観や、長いものには巻かれろ的な商業戦略にとらわれていない若者たちなのではないだろうか?

その気づきは日増しに強くなっていきました。

youtubeやブログ、SNSで誰でもマニアックな情報発信ができる時代。
玉石混交とはいえ、その中にはきっと珠玉の価値ある企画アイデアが埋まっている。「これからの時代」に本当に必要な学びは、今広がりつつあるメディアの中にも埋まっている。

そんな宝の山に臆することなく飛び込んで原石を見つけてこれるのは、そういったコンテンツに抵抗のない若い世代しかいない。

そんな実感もありました。

本当に価値のある経験を提供したい

学生たちが社会に出ていくときの手土産としてもきっと、「書籍の企画を実現させた」という経験が活きてくるはずです。同世代に、同じような経験をしている人はきっと少ないですから。

ここには、「学生インターン」というものに対する私達デジカルの思いがあります。

「インターンで経験値を積む」という耳障りのいい言葉のもとに、学生をほぼ無給で働かせ、降ってくるのはおよそ経験値にならない単純作業ばかり……といった、就活業界の負の側面を変えたいという思いです。

どうせやるなら、インターンでお金も稼いでほしいし、時間をかけたぶん経験値にしてほしいし、なんなら新しい仲間や楽しみを見つける機会にしてほしい。

そして、業務を与える側、与えられる側という区分ではなく、同じ目標を持って歩みを進めていくパートナーとして、対等に関わっていきたい。

だからデジカルでは、一緒に働いてくれる学生を「学生インターン」ではなく「学生スタッフ」と呼んでいます。ここには、丁稚奉公のようなインターンではなく、同じ立場のスタッフとして喧々諤々の議論をしたいという意志があるのです。

こういった思いからも、「学生スタッフが企画し、デジカル/金風舎が世に出すサポートをする」という構想が生まれていきました。

公教育では教えてくれないディープな学びを

そうやって構想が生まれた学生スタッフによる企画シリーズ。

試しに企画のブレストをしてもらうと、次から次に面白い発想や斬新な目の付け所のアイデアが出てきました。

「これは行ける!」

思いは確信に変わり、実際に企画を形にしてみようという流れに。

しかし、そこで新しく出てきた課題は、「シリーズ名とコンセプトをどう作るか?」でした。

いくら面白い企画でも、金風舎として自身を持って押し出していけるコンセプトによってまとまっていないと、野放図なだけの軸のないシリーズになってしまいます。

そこで、今一度原点である金風舎の出版方針に立ち返ってみました。

「伝えたいことを読まれるのものに」

これが、もともと金風舎を立ち上げたときの思いです。では、金風舎にとって「伝えたいもの」とは何なのか?

考えた結果見えてきた「伝えたいこと」は、次の3つでした。

1.多様性
一つの価値観にとらわれない柔軟な考え方を提示すること
2.意外性
固定観念を崩してくれる新たな見方を提示すること
3.教養性
一時的な享楽のためではなく、人生全般に役立つ知的な学びを得られること

これら3つのコンセプトを一つの言葉で表現しようとしたときにピッタリだったのが、「次世代の教科書」でした。

公教育の限られた時間、画一化された教育観念の中ではなかなか学べないこと。

そういった、分野横断的かつディープな興味関心をとことん掘り下げていくことこそ、金風舎が次世代を生きる人たちにむけて提示できるひとつの「教科書」なのだと。

それは、扇情的で刺激的な内容を並べて一時的な享楽を得るようなものではありません。

生きること全般において役立つことを目指した「知の体系」です。

何を学べば未来に役立つのか、何が人生における価値なのかがますます予測しにくくなっていく現代。

少なくとも、自分自身の人生において大切だと思う知識を、在りものの中からではなく、多様に開かれた知の体系の中から偏見なく選び取ってほしい。

その際の選択可能性の一つに、「次世代の教科書」シリーズがなれたらと思っています。

電子書籍という新しい情報発信メディア

「次世代の教科書」シリーズがもうひとつアピールしたいこと。

それは、電子書籍を中心とした出版スタイルです。

紙の書籍の制作には、時間もお金も相応にかかります。もちろんそれだけ存在感のあるコンテンツになるわけですが、その本が書店で売れるかどうかは正直わかりません。

せっかく時間とお金をかけて作った渾身の本が、誰にも知られることなく倉庫でホコリを被っていく……。

デジカルは、そんな出版の現状も変えていきたいと常日頃から思ってきました。

そこで目をつけたのが、電子書籍です。

電子書籍は、原稿さえ揃えばあっという間に制作ができます。紙の本では難しい、制作が終わった後の修正も容易です。

そして、いろんなプラットフォームで、世界中にむけて販売ができます。

ブログやyoutubeなどで発信している内容を、本という体系的な知識の集成としてまとめ直し、発信し直していく。

価値ある情報をより多くの人に広めていきたいと考えている発信者にとって、電子書籍という出版スタイルはそういった「情報発信メディア」として有効になっていくのではと思っています。

電子書籍の集大成としての「紙の本」

ならば、紙の本の出番はないのか?というと、そんなことはありません。

紙の手触り、こだわり抜いた装丁、それが書店に並んだときの存在感。
長年書籍のデザイン制作を続けてきたデジカルとしては、紙の本が持つ価値が未だ無くなってはいないことも実感しています。

だから、電子書籍で発刊したコンテンツの集大成として、

紙の書籍を出版することがひとつのゴール

でもあるのです。

その際はもちろん、デザイン制作会社としてのデジカルの本領発揮です。

電子書籍×紙の書籍の2段構えで、情報発信をよりスムーズかつ価値あるもの変えていく。

そんな夢も、次世代の教科書で実現できればと思っています。

悩み、迷う人たちの北極星となる

「次世代の教科書」シリーズでは、上で示した「多様性」「意外性」「教養性」の3つのコンセプトに沿っているならば、どんな内容の企画でもまずは打ち出していこうという意欲を持っています。

自分たち自身の興味関心バイアスすらも飛び越えて、誰かの役に立つと確信できるものなら何でも出していくという思いがあります。

ただ、その中でも特に中心軸にしていきたい企画コンセプトがあるとすれば、「既存の知識では解決できないことに悩み、苦しんでいる人」の道標になるようなものです。

それは、社会課題に根付いたものかもしれないし、哲学的な内省思考が必要なものかもしれない。

いずれにせよ、人生の闇夜を歩む人たちの北極星になれるような、そんな内容の書籍を1冊でも多く作っていくことを、まずは目標として進んでいきたいと思います。

次世代とは、私達みんなのこと

若者が作る未来へのメッセージに、「若者以外」は立ち入れないのかというと、そうではないと思っています。

人生経験豊富な「大人世代」は、若者の発信に耳を傾けることで時代に必要とされているものを学び、彼らをサポートすることで一緒に未来を作ることが出来ます。

「若者以前」のさらなる次世代の子どもたちには、まさに公教育では得られないもう一つの「教科書」として新しい視野を提示できると思っています。

次世代の中心にいるのは若者たちですが、次世代を作っていけるのは「若者以外」でもあるのです。

あるゆる世代、あらゆる属性の人たちのために。

「次世代の教科書」を、始めます。


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