2021年のデジタルマーケティング予測
毎年、この季節になると業界人間ベムさんが翌年の予測を作られていたのを大変興味深く見ていたのですが、今年は自分でも作成してみようと思い書いてみます。
日々成長のモットーに基づき、つっこみ、付け足し、大歓迎です。
全体を網羅的に書けるほど知見は深くないかなぁという自覚はあるものの、少しくらい見える未来もあるだろう…と考えます。
■ 2021年の生活
コロナに関係して前半は巣篭もり、後半は活発に外出するようになる(ここでいう前半後半はキッチリ半年分づつという意味ではない)
- ワクチンが一般ユーザーに流通してコロナ脅威が希薄化するよりも前
巣篭もりでは引き続き積極的な外出はできない状態が続きオンライン体験(zoomでのコミュニケーションややECでの買い物、自宅でのエンタメ関連)が伸びる。また、それと同時にますますYouTubeやNetflixなどの契約、視聴時間は伸びる。この流れを活かす形で5Gがローンチすると従来よりも圧倒的に快適なオンライン体験を得られることにより、ますますオンライン化は加速する
- コロナ脅威が希薄化された後
逆に後半はオンライン側は頭打ちが来て成長が鈍化し、屋外,リアル体験に関連する行動(旅行、帰省、外食、百貨店での買い物など)が活発化する。
■ 注目の「動画」関連予測
そんな2021年、YouTubeやNetflixなどでエンタメに多くの時間を投下する中でユーザーが「飽き」を実感し始める
それが後押しする形で余暇時間として楽しむエンタメが「情報収集の手段」としてのエンタメを提供する動きが益々活発になる(YouTubeでのHow To系など)
テレビで活躍するタレントなどが2020年には多くYouTubeに参入することで話題になったが(すでに傾向が見え始めている通り)やはり一部のプレイヤーしか残ってこず、その勢いは衰退し始める。
逆にニッチだが、有益な情報を発信しているミドルプレイヤーが力をつけて伸びていく
そんな背景の中で「動画」は単純なエンタメの側面に追加して、一般ユーザーから「情報性」を持つメッセージ手段として更に強く認識されるようになる。
この動きに対してGoogle検索の結果などにも動画を活用して回答を提示するようなマーケティングも積極的に導入されるようになると予測
■ データ関連
ここ数年叫ばれているITP、個人情報の保護、利活用の制限については大きな変化は得られないと予測する。これらに対する広告主側の興味関心は高まり続けているものの、経営判断として1st partyをどのように集め、活用していくのか?という明確な意思と行動指針を策定して実行するような段階はまだ来ていない印象が強い。
よって、引き続き自社が保有する1st Party Dataの重要性は注目されるが、どのように集めるのか?活用するのか?という点や、シームレスにこれらと3rd party dataを繋いで活用する?というような動きにはまだ時間がかかる
■ 販促領域からマーケティング全体
これまでチラシや店頭のPOPが担っていた購買を後押しする「最後の一押し」をオンラインでも実施しようという動きは更に加速する(LINE、PayPay、楽天など)
これらの販促広告活動はラストワンマイルでユーザーを説得できるという強みに加えて、明確な評価ができるという点で非常に魅力的な手段として捉えられている。
しかしこれらの動きはあくまでも売りの瞬間最大風速を生み出すものであり、本質的なマーケティングにおける一つの手段でしかない。これらの手段を全体の中でどのように立体的に活用していくのか?という点には課題が残る。
逆にファネルの上部、中部にオンライン広告を使ってアプローチするような施策が課題として残してきた「計測問題」については、小売事業者やキャッシュレス決済事業者との協力により少しづつ解決の方向に向かう。これにより、例えばYouTubeで動画広告に触れた人が、どの程度購入してくれたか?などがレポート可能になりはじめる。
ただし、これらのレポートを使って費用対効果を計算するとROIが悪く見えることは明らかであり、そういう判断にならないように媒体や代理店側は貢献度を証明しようとアトリビューションに再注目するようになる、また、それに付随するソリューションも用意される。
そんな背景の中で、広告主側からプッシュされる広告であるバナー広告や動画広告よりも、情報の伝達がスムーズに出来ることが期待できる(情報を求めている人に対して適切な広告を設置)検索広告の活用が今一度見直されるようになる。
ただ、広告投資の全体的な考え方として、人がアトリビューションを加味した計算処理をし、広告宣伝への投資活動を最適化するような動きは従来から存在するものであり、「2021年の進化」の本質ではない。
2021年進化の本質は「全自動化」にある
つまりいわゆるUpper, Middle, Lowerと分類化して考えていたコミュニケーションや投資計画が、すべて機械学習を活用した「自動化」によって実現される段階へと進む。
どの人に、どんなタイミングで、どんな内容を伝えれば「売り」が最大化するのか?というこれまで不透明だったものが機械学習の自動予測、自動計算が解明し始める
そんな中で重要になってくるのは、機械学習に対してどんな広告を「材料」として提供できるか?という点になってくる
同時に機械学習機能を提供する主体に対しては、その中で何が起こっているのか?を報告する透明性がますます求められるようになる
これらが成立し始めると、どのタッチポイントでどんな事を訴求するのが最適なのかがわかるようになり、オフラインでのコミュニケーションもこれまでとは違うアプローチで考えられるようになる動きが出てくる
■ 予測される2021年の動きに対して注力したい事
ここからは予測ではなく、予測した未来に対して自分がどんなポイントに重きを置いた動きをしていくのか?について。
1. ユーザーメリットの出る形でどのように1st party dataを集め、活用するのかを具体的に提案する事
2. あらゆる動きが自動化されたとしてもキーになるのは時流や個人のインサイトであるという立場に立ち、それらを「見える化」する材料を提供し続ける
ひとまずはこの辺にして…追加あれば書き足していきます
2021年も楽しい一年にしましょう。