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ディグゴジラ ~栃木のラッパーさんを深堀りしよう~ vol.8 Ty Lee

vol.8 Ty Lee

 今回のディグゴジラは、THIS IS ANTHEM準優勝UMB2024栃木予選ベスト8と今年MCバトルで結果を残し、今年9月に1st EP『monologue』を配信リリースしましたTy Leeさんをゲストに迎えてお送りしました。ラップとの出会いや各地足を運んだ中で栃木と出会ったきっかけなどのお話をお伺いしました。
 今回も貴重なお話を伺うことができましたので、ぜひ最後までご覧いただき拡散よろしくお願いします。

HIPHOPとの出会い

 Ty Leeさんは1998年福岡県北九州市出身の26歳です。同い年には言×THE ANSWERさんを筆頭にTERUさんや9forさんなど、全体的にみてもバトルシーンなどで活躍をされていたラッパーが多い世代となっています。
 そんなTy LeeさんとHIPHOPとの出会いは15歳の冬に遡ります。
 世間的には徐々にSNSが浸透し始めた頃、Ty Leeさんは友人のSNSでサイファーの存在を知ります。サイファーに行くというより友達に会いに行く感覚で、差し入れで温かいドリンクを買って遊びにいったTy Leeさんはそこでフリースタイルをさせられることになります。遊びに行ったサイファーは言葉遊びをリレーする形式というよりは普通のMCバトルの延長線上のような形となっており、その中でTy Leeさんは初挑戦ながら決勝まで勝ち進んでいきました
 そこから徐々にラップをやるようになったTy Leeさんは、地元福岡のクラブにも足を運ぶようになり、そこで地元で既にラップ活動をしていた先輩のLIVEをみました。そこでその先輩のLIVEにくらったTy Leeさんは本格的に活動することを決意します。
 今まで取材させていただいた方々との違いとして、Ty Leeさんは音源を聴いてフリースタイル・HIPHOPにのめりこむのではなくて、HIPHOPをあまり知らない状態でフリースタイルを始めてからフリースタイル・HIPHOPの世界にのめりこむようになります。

栃木との出会い

 中学卒業後、地元で就職して働きながらラップをしていたTy Leeさんですが、一時期ラップを辞めていた時期があるといいます。そんな中で環境を変えることを決意したTy Leeさんは、地元が福岡ということもあり北東方面での移住を希望し、結果として茨城の古河に移住することになります。
 古河に移住したTy Leeさんは就職しながら現場にも遊びに行くようになります。その中で栃木との出会いを果たします。小山サイファーに遊びに行ったTy LeeさんはMC巴さんや怪士さんなどと出会い、久々にフリースタイルをすることになります。そこから再びラップの活動をするようになり、BINEにて初めてLIVEを行いました。この時同じイベントでMC巴さんがRelease LIVEをしており、booking権もあったということもあってTy Leeさんが抜擢されました。
 そんな中で再び転機が訪れます。'22年のとある日、Ty Leeさんは当時働いていた会社から突如解雇されてしまいました。小山サイファーへの参加から栃木のMC達と知り合い遊ぶようになっていたTy Leeさんはこれを機に宇都宮に移住して宇都宮で活動をすることになります。
 そして現在は東京に拠点を移して活動を行っています。

活動におけるこだわり

 ここからはTy Leeさんの活動におけるこだわりのお話になります。
 まずは音源について。これは筆者が感じることですがTy Leeさんの音源はリリックがとても詩的なものが多く、いただいた質問の中でも音源制作におけるインスピレーションについての質問がありました。しかし、Ty Leeさんにとってリリックを書くという行為は日常に溶け込んでおり、例えば喫煙者がタバコを吸うのと変わらない感覚で日々リリックを書いています。

 続いてはバトルについて。Ty Leeさんはどちらかと言えばあまり積極的に参加する方ではないのですが、今年は初めてUMB栃木予選に出場しました。EPの宣伝の意味もありますが、言葉を選ばずに言えば地元であまり活動をしていないような、栃木をなめているような人間に栃木の頂点を獲らせたくないという想いで出場しました。

 最後にステージングについて。Ty LeeさんのLIVEに行ったことのある方はご存じだと思いますが、サブスクで聴いている時よりかなり力強い印象があります。これの根幹として、Ty Leeさんはマイクの持ち方や発声法といった基本の部分を非常に大事にしています

転機の出会いとEP

 ここからは1st EP『monologue』についてのお話になりますが、その前にこのEP制作のきっかけとなった人物との出会いがあります。

 EAST GATE LOTALYでLIVEに呼ばれたTy Leeさんは、自身のLIVEが終わった後、DOMITORYのroaさんに声を掛けられます。DOMITORYは小山を拠点に活動しているマルチクリエイティブ集団で、roaさんはDJにあたります。それまで全く面識がなかったのもあり初めは少し警戒心もあったそうですが、ここからTy Leeさんはroaさんによく声をかけてもらうようになります。

 roaさんと遊ぶようになったTy Leeさんは、とある日roaさんと吞んでいる中で核心を突かれます。
 Ty Leeさんは自身がラップをする理由について「常にカッコイイ人間であり続けたい」「栃木の若手に手本を見せたい」という2つの大きな理由がありました。
 HIPHOP文化の栄えている福岡出身ということもあり、栃木に行くようになってからは栃木のシーンについて「どうしても環境があまり整っていない」と感じていました。福岡に比べてクラブの数も、プレイヤーの数も、リスナーの数も少ないということを痛感しました。また小山サイファーに行った時に怪士さんとお話したTy Leeさんは、まず当時19、20歳の怪士さんがUMB予選で頂点を獲ったこと、そしてUMB予選に優勝したにも関わらず当時は数回しかLIVEをしたことがなかったという事実に衝撃を受けます。
 Ty Leeさんは15歳からラップをしており、当時の栃木の若手よりも経験があったということもあって、Ty Leeさんなりのお手本を栃木の若手にみせることで、一度はHIPHOPに傾倒した身として何かを残したかったという気持ちがありました。「注目している若手」についても、特定の若手に頑張ってほしいというのではなく全員で盛り上がるべきだというお話は印象的でした。
 しかしそんな中でも作品などを作らずにいたTy Leeさんに対しroaさんは「それは無責任じゃないか?」と強い言葉で諭しました。このことがきっかけでTy LeeさんはEP制作を決意しました。

 そこから制作期間を半年ほどかけて制作されたのが、今年9月にリリースした1st EP『monologue』なのです。このEPの制作中に東京への移住が決まったということもあり、5曲通してTy Leeさんとはどういう人間かということをテーマに作られています。
 特に1曲目の「」は東京で活動する中でTy Leeさんにとって名刺代わりとなる曲で、今回の要チェキ音源としても挙げていただいたのでぜひ皆様チェックしてください。

今後の展望

 今現在は東京を中心に活動しているTy Leeさんですが、今後の展望としては2nd EPの制作を目指しているといいます。

要チェキ音源

・「
 まずはご自身の音源のなかでは、1st EP『monologue』から、リード曲の「壮」をあげていただきました。前述したとおり、この曲はTy Leeさんが東京で活動するにあたり名刺代わりとなる1曲となっているので、ぜひ皆様チェックしてください。

roa DJ MIX
 ご本人以外では、今回EP制作のきっかけとなったDOMITORYのroaさんのDJ MIXをあげていただきました。Ty Leeさんの音源も使用されているそうです。YouTubeチャンネルを掲載しますので、皆様ぜひチェックよろしくお願いします。冬にはビートテープを出すということで、ぜひそちらも皆様チェックよろしくお願いいたします!!

締めくくり

 今回のディグゴジラはTy Leeさんをゲストに迎えてお送りしました。今回は転々としている中で栃木に辿り着いた経緯や1st EP『monologue』についてのお話を伺いました。重い腰を上げるきっかけとなったroaさんとのお話や自身がラップをしている理由など興味深いお話を今回もたくさんお聞きできました。基礎を大事にしていることやスタンスなどお話しててめちゃくちゃくらいました。これからの活動や2nd EPも楽しみにしてvol.8を締めくくりたいと思います。

Who's next...?

 次回のディグゴジラは12月4日(水)ファットタンクさんをゲストに迎えてお送りします!!
 活動の変遷などのお話をお伺いしたいと思います。
 告知、トークを行うため、公式SNSをチェックしていただけますと幸いです。もし記事を読んでいいなと思っていただけましたら拡散までよろしくお願いいたします。
 それではまたお会いしましょう。

Special Thanks / Ty Lee

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