資源獲得競争で、日本が買い負ける未来? |イベントレポートvol.1
4/14には新しいイベントを開催予定です(参加受付中)▶︎
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サーキュラーエコノミーの時代に、メディア・VC・スタートアップが見るものとは?
サーキュラーエコノミー(循環型経済)という言葉をよく聞くようになったという方もいるかもしれません。グリーン・トランスフォーメーション(GX)、脱炭素、資源循環、そしてこれらにテクノロジーで挑戦する”Cleantech(クリーンテック)”についても、「言葉として聞くようにはなったけれど」「理解まではできていない」あるいは、「まだ聞いたことがない」という方もおられるかもしれません。
このイベントでは、20年来この分野を見つめ続けてきたメディア「環境ビジネス」編集長 尾見和則氏・編集企画部 田中倫太郎氏、サステナビリティ、特にサーキュラーエコノミーを投資テーマとするキャピタリスト アーキタイプベンチャーズ 北原宏和氏、社会課題と環境課題に挑む日本発の資源循環スタートアップdigglue CEO原英之という異色の三者が、それぞれの角度から見ている日本のサーキュラーエコノミー × Cleantech(クリーンテック)の現状と課題、そして将来性についてお話しました。
気候変動や資源枯渇といった地球規模の問題は重点的な政策課題として取り上げられ(*1)、全ての企業にとって重要度は増しています。ビジネスの最先端を学び続け、これから先の社会を見据えていこうとする方にとっては、避けては通れない領域です。これまでの国内の環境問題や循環型社会をめぐる課題の変遷、国外で盛り上がる投資テーマとしてのCleantech、そして日本のスタートアップや企業が挑もうとする環境課題など、分かりやすく、幅広く知っていただける内容になりました。ぜひレポートをご覧ください!
📝イベント概要
日時:2022年12月19日(月)14〜15時
形式:オンライン形式(Zoomウェビナー形式)
参加費:無料
司会:株式会社digglue 濵田
株式会社digglueでは、サーキュラーエコノミーやサステナビリティ(持続可能性)をテーマとしたイベントを定期的に開催しています。Peatixのグループをフォローしていただくと最新イベントの情報をお送りします!ぜひフォローしてください!(こちらから)
📝イベント内容
「脱炭素社会実現に向けて サーキュラーエコノミー、循環型ビジネス構築の必要性ー国内外における循環型社会の現状についてー」環境ビジネス 尾見様・田中様
「国内外のサーキュラーエコノミーの現状と日本のクリーンテックスタートアップ」アーキタイプベンチャーズ 北原様
「国内のCleanTechが挑むサーキュラーエコノミーの新時代」digglue 原
パネルディスカッション
最初に各登壇者からのプレゼン、最後にパネルディスカッションの構成です。本記事(イベントレポートvol.1)では、1の環境ビジネス尾見様・田中様の登壇内容をお送りします!
創刊25周年のメディアが見る「サーキュラーエコノミー」現在地
田中)よろしくお願いいたします!環境ビジネスからは、「脱炭素社会実現に向けて サーキュラーエコノミー、循環型ビジネス構築の必要性ー国内外における循環型社会の現状についてー」と題して、メディアから見た視点をお話させていただきます。
まずは私たちのメディア「環境ビジネス」について紹介します。
「環境ビジネス」は1998年に環境系総合メディアとして創刊しました。「季刊 環境ビジネス」と申しまして、3月、6月、9月、12月と年に4回、季刊で環境とビジネスをテーマとした紙の雑誌を発行しています。2023年1月には、創刊25周年となり、「脱炭素経営とCO2削減に貢献するメディア」として企業・自治体の脱炭素、カーボンニュートラルに貢献する情報を発信しています。
また、「環境ビジネスオンライン」というWebメディアも運営しています。カーボンニュートラル・省エネ・資源循環、電動化など日々ニュースを発信していまして、97,000人(2022年12月現在)の登録会員の方がおられ、会員数は増加していて、環境とメディアへの関心が高まっている中で情報発信を続けております。
本日登壇しているのは、編集長の尾見と、編集企画部の私、田中です。よろしくお願いいたします。
3回目のサーキュラーエコノミー特集で受けた、そもそもの質問
尾見)ではここからは、私が取材を通して感じているサーキュラーエコノミーや資源循環の潮流についてお話します。実は最新号が先週12/15に発行されたのですが、特集テーマがまさに「サーキュラーエコノミー」でした。
当メディアは25周年を迎えようとしていますが、「サーキュラーエコノミー」の特集を組むのは3回目です。その中で、「サーキュラーエコノミー」の特集を組むたびに読者の方からご質問をいただく質問が、この2点なんです。
サーキュラーエコノミーとはなんですか?
サーキュラーエコノミーはなぜ必要なのですか?
今日はこの2つについても説明していきたいと思います。
では、「サーキュラーエコノミー」とは何か。サーキュラーエコノミーというのは、モノの利用に価値を置く経済システムのことです。いかに資源の投入量・廃棄量を抑えつつ、効率的な運用やリサイクル、リユース、修理などを通じてモノの価値を最大化しつつ、経済を拡大していくか、ということなんです。
分かりにくいですよね。この質問を、サーキュラーエコノミーが最も進んでいるEUの職員の方にインタビューしてみました。
今、RE100、2050カーボンニュートラル宣言をする企業は増えてきています。多くの企業がその中で、再生エネルギー化によるCO2排出量の削減の方針を打ち出しています。
でも、実は、これでは全く不足している実態があります。世界中の企業が使っているエネルギーを、全て再生エネルギーに変えたとしても、世界のCO2排出量は少なくない量が残る。
モノの生産・流通・消費のCO2排出にスポットライトが当てられた
これはどういうことでしょうか。実はそこで、「モノ」が登場してきます。車を作るときに、鉄を使いますね。コンピュータも使う。布製品も使います。鉄、コンピュータ、布ーーいずれも、それを生産する・利用する・消費するにあたって、その過程でCO2を発生させるんです。つまりモノを製造するときに、CO2が排出されている。再生エネルギー化した先にまだ残るCO2排出というのは、この、モノづくりにおけるCO2排出なんです。それも、かなりの量。
そこでモノの製造にスポットライトを当てたのが「サーキュラーエコノミー」の本質なのだと、そのEU職員さんはおっしゃいました。
車の例をもう少し掘り下げてみます。車を生産するのに使う鉄。鉄は、資源採掘、製造のために、多大なCO2を排出します。
ただ、車というのは非常に便利なもので、もはや人類に欠かせないものですよね。だったら、その車をより長く使う、効率的に使うということをしたらどうだろうかというのが「サーキュラーエコノミー」の思想的な転換なんです。1車でも長く使う、つまり1車でも廃棄の間隔を伸ばし、一定期間における生産量を減らすことができれば、その分だけCO2の排出を減らすことができます。
車であれば、そもそも長く使用できる耐久性の高いものを作る。修理しやすいものを作る。壊れたら取り替えやすいものにする、といった、設計の部分からまず変えていく。そして最終的に廃棄するときには、鉄などの資源をリサイクルする。
それからシェアリングの発想もあります。車というのは、お仕事で使う人以外は、実は車に乗る時間よりもガレージに置いている時間の方が長いですよね。その時間をうまく活用して、シェアリングなどを進めていけば、新たに製造する車の数を減らせます。また、効率的に運用していくことで経済も拡大できます。人の生活も、経済も豊かにして、持続可能な社会を作れる。
そういった視点で説明されたとき、私も腑に落ちたところがありました。
国内外の注目「リユース」ビジネスとは
さてここで、最新号「環境ビジネス」で取材したサーキュラーエコノミービジネスについてご紹介したいと思います。
まずはアメリカのTERRACYCLE社が立ち上げたビジネスプラットフォーム「Loop」です。これは使い終えた食品容器を回収して、再利用することのできる仕組みです。取り上げたハーゲンダッツの事例では、冷蔵庫に入れてもアイスがカチカチになりにくいという容器を開発して、再利用の仕組みを作っています。
次に、今夏に東証グロース市場に上場した、株式会社エアークローゼットが提供する月額制ファッションレンタルサービス「airCloset」。これはプロのスタイリストがコーディネートした洋服を配送するオンラインファッションサービスです。
それからNISSHA株式会社が運営する「Re&Go」。丸の内、渋谷で展開するテイクアウトの容器のシェアリングサービスです。
技術力のある中小・スタートアップ企業の活躍が期待される時代へ
これらのサービスは、サーキュラーエコノミーではまだまだ事業として立ち上がっているものが少ない中で、私たちが注目しているサービスとして取り上げました。
特に「airCloset」のビジネスモデルは非常におもしろいものだと思っています。「airCloset」のビジネスモデルは、先ほどサーキュラーエコノミーの核心だとご紹介した”モノの利用”に着目したサービスだと思っています。洋服をいかに傷めることなくクリーニングできるか、いかに効率的な倉庫オペレーションを作っていけるか。これらは技術力を要することですよね。
こうした、高い技術力を持っている企業というのは、実は中小企業やスタートアップに多いんです。サーキュラーエコノミーが推進される時代においては、こうした中小企業やスタートアップの活躍が求められていく時代なのではないかと感じています。
ーーありがとうございます。
環境ビジネスが提供しているサービス
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