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プライベートバンクって?

diffintです.

8月が終わり,9月になりました.上期終了までわずかですが,皆さんお元気ですか.台風15号が関東上陸ということもあり,9月9日の朝は早々に電車なども計画運休のようです.皆さんお気をつけください.

さて,今日は「プライベートバンク」について書いてみます.最初にお断りしておきますが,かなり偏っているといいますか,私が見たり,体験したプライベートバンクのことしかわかりません.ですので,一般論というものでもありませんし,そもそも一般論がある世界なのかもわかりませんが,ごくごく私的な体験記といいますか,感想文の延長と思っていただければと思います.

以下について記述します.
・プライベートバンクとは
・プライベートバンクもどきとは
・プライベートバンクの印象
・プライベートバンクを利用するには
・まとめ

プライベートバンクとは

「プライベートバンク」の定義というものは金融庁などで定めているわけではないと思うので,私的な印象に書いてみると...

プライベートバンクは,顧客のニーズに種々の金融商品(やその取引テクニック)や不動産等により最大限応えるような金融機関等のこと.

上記はあくまでも個人としての印象から書いています.法人や超富裕層(三桁億円等)はまた別の世界があるかと思います.

基本的には,顧客ごとに担当者が付きます.担当者は一人のこともあれば,複数で,チームのような形で対応する場合もあります.私の場合は担当者が一人ついてくれました.この担当してくれている方については後ほど書きます.

扱っている金融商品は,ベースとしては法律にしたがい,日本であれば日本の法令で扱えるような商品や方法でしか対応してくれません.当たり前ですが.

また,そもそものプライベートバンクの入り口として,プライベートバンクと顧客ともにウィン・ウィンにならないといけません.この顧客側のウィンは,利殖できるということもあれば,減らさないということもあったり様々なので,その目的に合致した戦略や担当者がアサインされると思っています.で,その大前提としてプライベートバンクがウィンできる顧客であるかどうか?という選別が入ります.それはベーシックには反社でないことはもちろんですが,総資産,金融資産,それらの資産はどのようにストック(あるいは増やされてきたか)してきたかということなどが審査されます.入り口としては,そのプライベートバンクにいくら預けられるかというかなりストレートなハードルも用意されているようですが,このあたりは比較的柔軟に対応してくれるような気がします.

プライベートバンクもどきとは

「もどき」ってなによ...という方がいるかもしれません.これは,都市銀行や信託銀行などが用意しているもので,たとえば,退職金などが入った顧客等に対して「特別なお客様」というような扱いとして,担当者がついて対応してくれるようなものがあります.これはプライベートバンクというよりは,富裕層向けのウェルスサポートのようなものであって,銀行であれば販売できる商品も限られていますし,証券会社だったりすると,SMAといった運用をお願いするようなものがあります.まあどちらにせよ,信託報酬がかなり高いのが印象的です.なお,担当してくれる方は一概には言えませんが,扱っている商品については詳しいのですが,扱っていない商品であるとか,なぜそのような価格形成がされるのかという理論的な説明などについては少々手薄な印象です.

とはいえ,一定量の利用者はいるみたいですし,プライベートバンクとは銘打っていないようですが,あたかもそのような印象を醸し出すようなものです.

プライベートバンクの印象

私がお付き合いしているプライベートバンクですが,路面店は全くありません.たいていは大きなビルの中に入っていて,会議室(応接室)に案内されて,当然のことながらバックオフィス等の作業風景とは無縁です.会議室(応接室)はパーティションで簡易に仕切ったようなものではなく,プライバシーが守られるように配慮された分厚い扉で安心してお話できるような印象です.部屋は超高級ホテルの会議室やラウンジをイメージしてもらえると良いでしょう.

ということで,他に誰が働いているのかとか全くわからないような感じですが,担当者以外と接することはほぼありません.あるとしたら,担当者に電話したら不在で,アシスタントの人に用件を伝えるとかその程度....

担当者がとても大切です.当たり前ですが.そのプライベートバンクのある意味,顧客から見たときの顔になります.担当者の技量がものを言う世界です.

私を担当してくれている方は,ファンドマネージャ等を経てプライベートバンクの担当者として活動している方ですが,その知識量や情報収集能力にはいつも驚いています.たとえば,「なぜそのような値動きになったのか?」ということについて問い合わせたりすると,観測される事実と理論を交えてかなり的確に説明してくれます.また,私自身の投資方針や投資スタイルなどをかなりの時間をかけて伝えていることもありますので,それに合わない商品や戦略は当然ですが話してきません(時間の無駄ですしね).以前,私から「代替案として〇〇の商品を購入するのはどうか?」という話をしたところ,それが私の投資方針のこれこれとこういった理由で合わないのでおすすめしないが...とはっきり言ってくれました.また,発注以外のタイミングでは,定期的にフォローアップの打ち合わせ(たいていは電話会議になりますが)をして,ごくたまに面会するというような感じです.

たとえば,アメリカの雇用統計の発表後の戦略について相談したいということを伝えておくと,週明け早々にいろいろなカードを用意して話してくれたりします.

私の場合は,中長期に資産形成・資産保全するようなことをイメージしているので,最低限,資産保全した上でどこまでストレッチするか(リスクをとるか)というところを色々とイメージ合わせしながらやっているというところです.

具体的な商品名が書けなくて恐縮ですが,とある会社の社債を紹介されました.社債にはいろいろな種類があります.普通社債からそれよりも弁済順位の低い劣後債などです.で,私はインカムゲインも気になるところではあるので,たとえば,「年間5万ドルくらいのインカムゲインを社債で狙うのはどうか?」ということを予め伝えておくと,私のアロケーションから見ていくつかの社債を提案してくれる場合があります.ちなみに,上記のような場合,年利回り6%くらいの劣後債を提案してくれたりします(債券価格もいろいろと動きがありますし,債券は債券なりのリスクがいろいろとありますから,時期や状況にかなり依存します).

ということで,私の保有している債券には年利回り7~8%くらいのものがいくつかりますが,だいたい10年ちょっと保有していると利払い分が元本と同じくらいになってくるので,そのときに他の債券にスイッチするかどうかなどを,これまた担当者が判断してくれるというような感じです.

プライベートバンクを利用するには

これは実はかなりハードルが高いかもしれませんが,身近にプライベートバンク利用者がいれば,その人経由で紹介してもらうのが最も早いでしょう.もちろん,正面玄関から入っていく(電話等で問い合わせして)というのもあります.

私ですか.私は実は正面玄関から行きました.面談を何度かしました.ということもあり,実際に契約するまでにはかなり時間がかかりました.約2~3ヶ月というところです(たまたま私の仕事の関係で面談の時間が合わなかったとかありますが).

面談の中では,ちょっと上のほうに書きましたが,総資産,そのプライベートバンクで運用を希望する資産,その資産はどうやって築いたのか(相続なのか,給与なのか,投資で利殖したのか等),どういった方針で運用したいのかなどをかなり細かくヒアリングされます.それらのヒアリング項目がプライベートバンクのチェックを通過すれば晴れて契約(口座開設)でしょう.

ちなみに,運用を希望する資産は,プライベートバンクによりますが,日本にあるプライベートバンクの場合,最も少ないところで1億円くらいからということになっているようです.たいていは2~3億円というのが運用としての最低額というイメージでしょうか.これらは日本に支店があるプライベートバンクなので,日本の法令に合った商品で運用するといことになります.

もし,もっと別の商品や投資方法などをお考えということなら,日本ではなく,海外のプライベートバンクの利用を検討する必要があります.ただ,海外も最近はマネロン関係のチェックが厳しくなっているので,非居住者の場合の新規の契約は相応のチェックや時間がかかります.また,5千万円を超える金額を国外に送金したり,保有している場合は税務署に国外財産調書等を提出する必要もありますし,CRSもありますからまあ海外のプライベートバンクを使えば何か特になるかも?ということは税金的にはあまりなさそうです(あるのかもしれませんが).

まとめ

私のプライベートバンクの利用等から得た印象等を雑然と記述しました.もし,こういったところを知りたいというものがあればコメントください.可能な範囲でお答えできるかもしれません.

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