ギタレレがフロロカーボン弦で生まれ変わりました
ギタレレをギターと同じチューニングにしよう。ただし、1オクターブ上げて!
2020年12月からウクレレを始めて毎日弾き語りの収録をラジオアプリで配信しているウクレレ初心者のよっきぃさんです。
「チューニングはギターと違うし、ウクレレともちょっと違うし、ギタレレって... なんか中途半端な楽器だなぁ」って思っている人は、ちょっと試して欲しい。フロロカーボン弦に換えることで、まったく別物の楽しい楽器に生まれ変わります。
【ギタレレ】フロロカーボン弦でレギュラーチューニングより1オクターブ高いセッティングの「ハイオク・ギタレレ」が斬新/フロロカーボン弦の太さと張力を計算できるサイトも便利【ハンサムレコード弦】
今日のテーマは「ギタレレ」
本来はクラシックギターと同じナイロン弦を張って使うものですが、これをフロロカーボン弦に替えてしまおうというお話です。
そして、本来のチューニングは6弦から1弦に向かう順で「A, D, G, C, E, A」なんですが、せっかくなのでギターと同じ「E, A, D, G, B, E」にしようと思います。
ただし、ギタレレは弦長(スケール)が433mmと短いので、いわゆるレギュラーチューニングをしようと思ったら、弦を太くしなければいけません。
細めの弦になりがちなフロロカーボン弦であっても、さすがに直径1ミリをこえる太さになってしまいます。そうなると、ナットやブリッジを加工する必要が出てきたりします。これは面倒くさい。
なので、細い弦を張ることで1オクターブ高い「E, A, D, G, B, E」にセッティングします。これをハイオクチューニングと呼びます。
送料込3,500円のギタレレだけど
ヤフオクで送料込で3,500円ほどで手に入れたヤマハのギタレレGL-1ですが、ちょっと使い道に困っていました。ただでさえネックが太くて弾きにくいなぁって思っているのに、一番太い6弦が緩くしか張れないからか強めに弾くとビビるんですね。
調整して弦高をあげればビビらなくはなるんですが、そうすると弾きにくくなります。なので、どうしたものか… と悩んでいたわけです。あと、こういう金属を巻いてある巻弦・ワウンド弦ってのは錆びたりして、長持ちしにくいんですよね。これも、どうにかしたいな、と。
とまぁ…ギタレレを持っている、もしくは興味はあるんだけど使い道に困っている…そんな人にギタレレの可能性をお話しできたらな、と思うので最後までよろしくお願いします。
届いたハイオク・フロロカーボン弦
何本かあるウクレレですが、届いた当初はアクイーラのナイルガット弦が張ってあったとしても、すぐにフロロカーボン弦に張り替えていました。音や弾き心地が好きなんですよね。
そういうこともあって、ナイロン弦とその巻弦の組み合わせではなくって… 全部フロロカーボン弦にすることはできないかなぁって思っていたわけです。
世の中には同じようなことを考える人はいて、いろいろ試行錯誤をした人が見つかりました。フロロカーボンって、釣り糸にも使われるもので… いろんな太さの釣り糸で実験を繰り返されたみたいですね。
ギタレレの弦として必要な長さって、80cmもあれば十分なので… 25メートルとかの釣り糸を買っても使いきれないですからね。自分で試行錯誤するには、コストがかかりすぎてしまいます。ってことで…
その弦の太さと音の感じを知りたくて、ギタレレ向けのフロロカーボン弦のセットを買ってみました。で、届きましたので早速弦交換をしていこうと思います。
ギタレレ用フロロカーボン弦の太さ
気になっていた弦の太さなんですが、書かれてはいなかったので測ってみることにしました。
だいたいですが6弦が…1.2mm、5弦が0.9mm、0.7mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm... 釣り糸の太さの号数でいったら、50号、30号、18号、10号、6号、3号もしくは3.5号になるんじゃないかと思います。
これくらいの太さであれば、ヤマハのギタレレやAriaのG-Uke、コルドバのグイレレのように弦長が約430ミリのものでも、島村楽器が出している音音GP1Mのように弦長が480ミリのものでも… よい感じのテンション=張りの強さにできるんですね。
弦の太さを計算できるサイト
弦にかかる張力はギタレレやテナーウクレレのサイズだと、1本あたり4〜5kg程度に設定されていることが多いようです。張力が低いと、弾いている時に弦が指に絡まってくる感覚があります。
逆に、この張力を目安にして太さを変えて音程を合わせていく感じになるわけです。これを計算できるサイトがあるので、ちょっと計算させてみました。
たとえばウクレレの1弦は 440Hzの「ラ」。
緩めのテンションを3kg、強めを6kgと仮定して… その張り強さになる太さを計算します。つまり、この間の太さの弦を使えば適度なテンションを得られるってことです。
弦長=スケールが長くなればなるほど、細い弦にしないと同じテンションにはなりません。なので、ウクレレで同じような弾き心地を得るためにはソプラノには太めの弦を張って、テナーには細めの弦を張らないといけないんですね。
実際、テナーウクレレには細いライトゲージを張って、ソプラノウクレレには太いテナーゲージの弦を張っています。コンサートウクレレには、ハードゲージを張るくらいが好きです。
ギタレレでレギュラーチューニング
今度はスケールをギタレレの長さ430mmで固定して、音程を変えてみましょう。ギターのレギュラーチューニングでの1弦は、330ヘルツの「E」です。これはウクレレの2弦と同じになります。3kgで0.51ミリ、6kgで0.72ミリ。なので、14号の0.57ミリあたりがほど良い感じになります。
2弦は247ヘルツの「B」なので、3kgで0.68ミリ、6kgで0.96ミリです。ここから0.70ミリの18号あたりが良さそうだと分かります。3弦は196ヘルツの「G」で、0.86〜1.21ミリになるので、0.91ミリの30号。4弦は147ヘルツの「D」で、1.15〜1.62ミリになるので、1.17ミリの50号。5弦は110ヘルツの「A」で、1.37〜1.94ミリになるので、1.48ミリの80号。6弦は82ヘルツの「E」で、2.04〜2.89ミリになるので、ちょっと緩めになるけど1.81ミリの120号。
こんな計算になってきます。流石に2ミリ近い太さの弦を通そうと思ったら、細工をしてやらないといけなそうですよね。
ということで、それぞれの音を1オクターブ上げて、細めの弦にしたらどうなるかって話。
1オクターブ上のハイオクチューニング
今度は太い弦6弦から見ていきましょう。
ハイオク6弦は「165HzのE」で、3kg〜6kgのテンションを得られるフロロカーボン弦の太さは… 弦長430ミリの場合、1.02〜1.44ミリになるので 1.17ミリの50号。
ハイオク5弦は「220HzのA」で、0.77〜1.08ミリになるので、0.91ミリの30号から0.81ミリの24号あたり。ハイオク4弦は「294HzのD」で、0.57〜0.81ミリなので、0.62ミリの14号。ハイオク3弦は「392HzのG」で、0.43〜0.61ミリなので、0.52ミリの10号。ハイオク2弦は「494HzのB」で、0.34〜0.48ミリなるで、0.4ミリの6号。最後ハイオク1弦は「659HzのE」で、0.26〜0.36ミリになるので、0.31ミリの3.5号。
といった計算になってきます。
ちなみにオルカスのブラックフロロカーボン弦の一番細いものが、0.49ミリなので… ハイオク2弦や1弦は、比重の軽いカーボナイロンを使うって方法があります。カーボナイロンの比重を1.17で計算した場合、ハイオク1弦で0.36〜0.51ミリ、ハイオク2弦で0.48〜0.67ミリになるので… 少し太めの弦を使えるようになるわけです。
補足)ギタレレに合うフロロカーボン弦の太さ
逆に弦長が430mmのギタレレやテナーウクレレに合うフロロカーボン弦の太さをまとめてみます。弦1本あたりの張力が4〜5kgを目安にしてみました。
フロロカーボン弦のギタレレで、レギュラーチューニングをしようと思うと、5弦や6弦が太くなってしまいます。なので、現実的には難しいと言えます。
ギタレレ本来の5カポチューニングですら、全弦フロロカーボンにしようとすると、6弦のAが太くなってしまいます。なので、巻弦を使うことになりそう。
一覧表では、テナーウクレレで可能なチューニングとして、バリトンチューニングとLow-Gチューニングの場合の太さも調べておきました。
約1.2mmの50号でも太くて硬く感じますから、約1.5mmの80号って相当太くて硬いと感じると思います。なので、細めの弦で緩めに張るのが現実的かも..
ウクレレより高い音が出るのが新しい
ウクレレには「Low-G」というセッティングがあったり、ギターと同じ音程にぬるバリトンチューニングがあったりします。どちらも低音側に音域を広げていこうとしているわけです。
それが今回は逆に、ウクレレの出せる音よりも高音側に音域を広げているので、初めてハイオクギタレレを弾いた時の明るい響きは斬新でした。ギタレレでちょっと遊んでみるの、楽しいと思います。