【EDH】賢きモスマンの手引き【レベル5-6】【100枚解説】
はじめに
初めまして。私はKasumiと名乗っている中国地方在住のPWである。
今回はファーストルックの時点から気になり、フルスポイラーですっかり惚れ込んだ《賢きモスマン》についての解説記事である。
基本的には自分がプレイしながら感じた雑感や、強いシナジーのある組み合わせ、このジェネラル特有の楽しみ方などをまとめれたらと思っている。
それでは始めていこう。
デッキリスト
レベル5-6前後を想定し、チューターなどは採用せずモスマンとシナジーするカードを主体に組んだデッキである。
《魂の洞窟》を始めとし、マナ基盤などはまだ増強の余地があると思われるが、おいおい強化したものをまた掲載しよう。
フェッチランドを優先したため、魂の洞窟はいずれ予算が溜まった折に導入することとなるだろう。
《賢きモスマン》について
着地および攻撃のたびに、各プレイヤーへと「RADカウンター」を1個ずつ配る能力と、
土地ではないカードが切削されるたび、最大でその数と同じ数の対象に+1カウンターを1個ずつ配る能力を持っている。
「ん……?」と思われた方もおられるだろう。RADカウンターは、この「賢きモスマン」が収録された、ユニバースビヨンドセット『Fallout』で初登場したギミックだ。
Falloutシリーズのファンである筆者も大満足のクォリティ。買おう。
それはさておき。
《賢きモスマン》の性質を理解するには、RADカウンターへの理解が必須のためはまずはRADカウンターのギミックから説明を。
RADカウンターって何?
プレイヤーに蓄積する、毒カウンター等の亜種と思ってもらうのがわかりやすいかと思われる。
ただしこれは毒とは違い消えるもので、とはいえエネルギーのように望んで減らせるものでもない。
上記の通り、カウンターの個数を参照して切削を行い、「土地ではないカード」が墓地に送られた枚数だけカウンターが減少するという性質を持っており、
例えばRADカウンターが3個の状態で戦闘前メインフェイズ開始時を迎え、切削によって以下の3枚が墓地に落ちた場合…。
この場合、《フェラル・グール》《ラッドストーム》は土地ではないため、2点のライフを失い、RADカウンターが2つ減少する結果となる。
そして残りのRADカウンターは1つ。これは次のターンまで持ち越しとなり、次の戦闘前メインフェイズで最低でも切削1を行わねばならない。
それでもしまた土地が落ちた場合は、やはりカウンターは持ち越し…。
そう、察しの良い方はお気づきになられたかもしれない。
何ターンかかるかこそ不確定だが、載せられたRADカウンターの数に等しいライフは失うことになる。
それこそがRADカウンターの性質であるといえる。
これが《賢きモスマン》の強みを理解するうえでは重要な要素だ。
《賢きモスマン》の能力分析
改めて《賢きモスマン》の能力を見ていこう。
基礎スペック:4マナ3/3飛行
飛行。それは特に説明不要の、最もオーソドックスな回避能力。
持っていて損するものではないし、有無は勝敗を分ける。
そして能力の性質上、攻撃し続けることが必要のためとても大事。
スゥルタイカラーの3色4マナとはいえ、3/3というサイズは標準的。
いくら切削のたびに育つからと言って、基礎サイズは大きいに越したことはない。
能力その1:RADカウンターをばらまく。全員に。
前述のRADカウンターを、プレイヤー全員に配る。
つまり着地および攻撃だけで、全員に1切削および土地以外が落ちた場合1ライフロスを付与するという能力だといえる。
モスマンが攻撃し続けることを必要とするジェネラルである理由であると共に、他のRADカウンターとのシナジーも期待できる。
もし1個しか乗ってなくても土地が落ちた場合、次のターンにモスマンが攻撃すれば次は切削2に成長する。
そして今度は2枚とも土地じゃないカードが落ちれば、結局はライフを2点ロスさせることができる。
別にカウンターが0になっても、増殖などの札は次にモスマンが殴る時まで温存すれば良いためそこまで気にする必要はない。
能力その2:切削に便乗して+1/+1カウンターをばらまく。
これこそ《賢きモスマン》のトロ。中核となる能力であり、デッキの軸。
RADカウンターによるライフロスの発生と同様の、「土地ではないカードが切削されること」によって発生する+1/+1カウンターを配る効果。
つまり最低でも1枚土地ではないカードが切削されれば、モスマン自身にカウンターを乗せることができる。
前述したとおり、RADカウンターはすべてのプレイヤー、つまり最大で4人のプレイヤーに配布される。
……つまり。
《賢きモスマン》が場に出て、次に自身のターンが回ってくるまでに最低でも4回の(次の自身の戦闘前メインフェイズも含む)切削1が行われるということ。
もしこれで落ちたカードがすべて土地ではなかった場合。
そのたびに+1カウンターが1個ずつモスマンの上に載せられていき、召喚酔いが解けた状態のモスマンのサイズは3/3に+1/+1カウンターが4個。
つまりこれだけで、7/7と3回プレイヤーを殴れば統率者ダメージによる敗北に追いやれるサイズにまで成長する。
ではこれらを元に、《賢きモスマン》の強みと弱みをまとめていこう。
《賢きモスマン》の強みは?
よく考えなくても一巡する間に+1/+1を最大4個置けるだけで強い
モスマンの本質はとにかく育つということ。
一巡する間に+1/+1カウンターを最大で4個。上振れではあるが割と現実的な数字である。
というのもEDHのデッキはおよそ土地以外のカードの割合が6割前後のため、6割の確率で落ちると思えば、まあまあやってやれないこともない数字である。
だがモスマンにおいて重要なのは、最大で4回+1/+1カウンターを置けるということ。
ではここに、+1/+1カウンターで悪さをする連中がいたら?
他にも切削を行える置物やクリーチャーがあったら?
宇宙。
爆速で成長し、7/7などとケチなことは言わずエルドラージタイタンもびっくりのサイズに成長し、対戦相手を撲殺しにかかる。
つまり《賢きモスマン》は、RADカウンターによるライフロスおよび切削によるデッキ破壊能力と、それらを利用して不確定ながらもぐんぐんとサイズを伸ばす、
システムクリーチャーでありながら超攻撃的なジェネラルだといえる。
なんとなく、《賢きモスマン》の魅力がわかってきたと思う。
モスマンの特に素晴らしい点としては、これが『攻撃時にプレイヤー全員に切削1を行わせる』ではなくRADカウンターを使用すること。
これは自身によるカウンター配布能力共々、増殖の恩恵を得られるという意味でより多くのギミックとのシナジーを生み出す名調整であると言える。
切削はなんだかんだ殴り合いに引っ張り込めるギミック
EDHはそのルール上、ごく一部の胡乱なカードを除けばデッキは同名カードが入ることがない。
故に、切削によるデッキ破壊は時に1枚しかないパーツを墓地に叩き落とし、コンボを抑止するという副次的な効果が得られることがある。
もちろん墓地を肥やしてしまうため、探査を始めとした墓地を触る能力には塩を送ることにはなってしまうが……。
人生において重要なことは、都合の悪いことは見なかったことにして都合の良いことだけを過大評価して生きていくこと。
人の墓地に《サイクロンの裂け目》が落ちたことを喜ぶことはあっても、
《不可思議》が落ちたことに責任など感じる必要はない。
全てを《賢きモスマン》の圧倒的なサイズと成長力にゆだねて暴力をするのだ。
何事も統率者ダメージで解決するのが一番だ。
1点に笑うものは1点に泣く
RADカウンターのライフロスは、40点のライフから始まるEDHにおいては微々たる量であると認識されることが結構ある。
人は瞬間的に1点火力が5回飛んでくると実質5点だと思って途端に焦るが、
1点や2点がじわじわ減っていくぶんには意外なほどにスルーをする生き物だ。
そしてゲームが進んでいくにつれ、次第にRADカウンターのライフロスとデッキ破壊が、キーパーツの落下や死期の訪れをひしひしと感じさせるようになる。
まあ当然ながら、オーナーもRADカウンターを載せられるためライフロスを強いられるという点は忘れないように。
《賢きモスマン》は信者と犠牲者を区別しないのだ。
…と、およそここまでで《賢きモスマン》の単体としての素晴らしさは通じたと思う。
以下に弱点についてもまとめておこう。
《賢きモスマン》の弱みは?
飛行はあってもトランプルがない
《賢きモスマン》は前述のとおり積極的に殴りに行くジェネラルだ。
RADをばらまき、切削に合わせて成長して大ダメージを叩き込むことが可能である。
しかし自前でトランプルを持っていないため、いくら飛行があっても飛行機械トークンやスピリットトークンを多用するなどで空中も封鎖できるデッキを前には足止めを強いられる。
長期戦よりも短時間で成長して大ダメージを叩き込むことが理想ムーブになりがちなデッキであるため、ダメージを通す工夫は大事である。
モスマンには仲間と信徒が必要だ
モスマンの能力については、あくまで「最大X体に+1/+1カウンターを1個ずつ乗せる」効果だ。
これが意味するところはこうだ。
仮に《心の傷跡》で対戦相手のデッキを半分切削させても、自身の場にモスマンしかいない場合、カウンターは1個しか置けないということ。
いっぱい悲しい。
なので、構築済みに一緒に入っているミュータントの仲間達や、+1/+1カウンターによる恩恵を得られるお友達をたくさん入れよう。
いろいろなシナジーを感じさせられるカードがあるため、取捨選択で君だけのモスマン教団を作ろう!
死ぬほど目立つ
これまで読んできた諸兄は理解してもらえているだろう。
「モスマン、ターンごとにRADカウンターチェックを挟んでサイズアップするじゃん」
そう、それこそが《賢きモスマン》における弱点のひとつ。
やたらめったらに目立つのだ。
毎ターン能力の処理が挟まれる都合上、「毎ターンなんかデカくなっていく統率者がいる」と、
否応なしに他プレイヤーに存在を意識させてしまうのだ。
モスマンがRADカウンターを配るために攻撃をする際にも、ヘイト管理には注意しよう。
対戦相手を脱落させると、結果としてRADカウンターや切削による強化のチャンスが減ってしまう。
できるだけ4人対戦の状態を維持し、それはそれとして積極的にRADカウンターを配ろう。
最終的に全員殴り倒すとしても、やりようというものがある。
デッキリスト個別解説
では以下に、私が使用している《賢きモスマン》のデッキリストを順に解説していこう。
一部カードは説明を省いていたりもするが、説明が必要なものについては余さず言及しようと思う。
また、ベースとなっている構築済み『ミュータントの脅威』の販促も兼ねて、
途中このデッキのサブテーマでもあるミュータントについての個別項目を設ける。
無論これらがジェネラルと好相性であるというのもあるが……。
デッキの構成パーツすべてに言及した解説である。時間がある時に読んでもらいたい。
マナ基盤の面々
《三顧の礼》《自然の知識》《遥か見》《耕作》
特に説明の不要なレベルの、土地を伸ばすソーサリーである。
耕作は1マナ重いが、三色ジェネラルを使う以上色事故には気を配らねばならない。
土地が両面カード含めて34枚と少し切り詰めた設定だったこともあってか、
基本的には土地2+これら加速手段1-2枚が理想的な初手である。
あとなにより、デッキから土地を削る=切削による当たり札増加である。
《死儀礼のシャーマン》《硬化した屑鉄喰らい》
墓地を触れるマナクリーチャーとして採用。
切削の都合上、当然ながら対戦相手の墓地に危険物が落ちることも多々ある。
これらをケアするための安全策である。
《円環の賢者》《培養ドルイド》
カウンターを乗せることで高性能化するマナクリーチャー。
何はともあれ、マナは出て困るものではなく、モスマンによるカウンター配布の恩恵を得られるため
見た目よりも早く結構な量のマナを出してくれる。
《秘儀の印鑑》
秘儀の印鑑についてはクリーチャー除去の影響を受けない置物としての採用となる。
《楽園の拡散》《極楽鳥》などもあるが、これは筆者が3色出る置物かつ2マナ、という点で優先しての採用。
《太陽の指輪》
説明は不要である。
カウンター計算の破壊者たち、鱗
《硬化した鱗》《打ち砕かれた尖塔、オゾリス》《巻き付き蛇》
《囁かれる希望の神》《屍体屋の脅威》
最軽量の鱗、起動効果付きの鱗、ゴルガリでRADも増える鱗、
マナクリにもなる鱗、そして4/4の戦闘用の鱗である。
これらでカウンターを違法に増やすのだ。
基本的にはどれも並べれば並べるだけ効果が重なるため、積極的に出そう。
《枝分かれの進化》《巨怪な略奪者、ヴォリンクレックス》
倍になるタイプの鱗と、RADも倍になるタイプの戦闘用スーパー鱗。
基本的にはこれらが置けてる時はモスマンは手のつけようがないほど成長しているはず。
出た瞬間に「こいつやばい」と認識されがちなため、出す場合は勝負を決めに行こう。
切削担当~枚数よりも回数が大事~
《群の祭壇》《精神クランク》《催眠の宝珠》
どれもそれぞれ、極めて軽い条件での切削を発生させるアーティファクト。
モスマンが場にいる時に存在すると、恐ろしく雑に強い。
中でも催眠の宝珠は、「パーマネント1つがアンタップ状態になるたび」という条件のため、凄まじい回数の切削1を発生させる。
つまりこれがあると、爆発的な勢いでモスマンが成長するのだ。
《狡猾の宮廷》
このデッキでは珍しい、大雑把なデッキ切削カード。
採用理由としては、モスマンが攻撃を通しやすい都合上統治者を奪い返しやすいという点から。
ターンごとに2切削であれば他にも候補はあるが、統治者をキープしたままの場合の14切削を意識しての採用となった。
《遺跡ガニ》
言うまでもなく上陸のたびにデッキを削る優秀なデッキ破壊生物。
土地を伸ばすソーサリーなどと絡めば、序盤からハイペースに切削を行える。
《正気の剥ぎ取り、ゼルリクス》
緩い条件でホラー・トークンを生み出す。
主にはモスマンなどを含めた切削に対応して多数のホラーを生み出す事が役目。
地上戦をこれで封鎖することができ、また起動効果での切削3もありがたい。
ミュータントがついていれば最高だった。
《問題解決人、ラウル》
タフネス4という優れた受け性能と、タップによる全体1切削のナイス爺。
墓地に落ちた呪文の使用はセルフミルデッキによくある「今一番欲しいカードが墓地に落ちた」を回避するためにも役立つ。
愉快なミュータントたち(RAD編)
《厄介なラッドガル》
およそ2枚目の《かき鳴らし鳥》。飛行によって攻撃を通しつつRADカウンターor増殖を行えるため、いつも仕事のある優秀なクリーチャー。
《光る輩》
光りし者。接死により攻撃が通しやすく、通るとRADカウンターをなんと4個も押し付ける。
だがこれらより重要なのは、土地以外のカードが切削されるたびにライフを得られること。
時に他のカードとのシナジーによって生命線となることもある。
《フェラル・グール》
単体では3マナ2/2威迫ではあるが、モスマンが絡むとみるみる成長する。
更に死亡時にRADカウンターを押し付ける効果を持つことで、意外に存在感を発揮することがある。
死んだら死んだで切削とライフロスを押し付ける、優秀なクリーチャー。
《群生するラッドローチ》
画像をモザイクにするべきかと悩むこのイラスト。
とはいえ効果は申し分なく、殴りながらRADカウンターを押し付ける効果。
更に極めて緩い条件で手札に戻ることから、ブロックできないことくらいしか弱点がないと言える。
《ブロートフライの大群》
鱗が絡むと5個どころじゃない数のカウンターを乗せて場に現れるフライヤー。
そうでなくても増殖などでサイズアップがしやすく、防御面でもブロッカーに立てておくことでRADカウンターを受けるかどうかという圧をかけさせることができる。
《マイアラーク・クイーン》
切削に便乗してドローするファッティである。
これだけでも相当に強いが、更に自己強化能力があるため、ターン1誘発といえど、赤の全体火力では削りきれないサイズになることも珍しくない。
《金切り声のスコーチビースト》
切削に便乗して場にトークンを出すファッティである。
マイアラーククイーンにも言えることだが、着地時にRADカウンターを置くため、他の切削能力がなくても最低限のアドバンテージが期待できる。
威迫がついていることも優秀。
愉快なミュータントたち(ユーティリティ編)
《水底の生術師》
モスマンがカウンターを乗せるたびにルーティングができる、このデッキ最軽量ミュータント。
なんだかんだモスマンの誘発能力のたびに手札交換ができると思えば、置いておくだけでデッキの潤滑油となる。
《アベラント》
ティラニッド。しかしミュータントでもあり、マナを注ぎ込むと1ドローのおまけがついたり、
攻撃が通ると置物を割れたりと、モスマンとも好相性の優秀な生物。
《暴れ狂うヤオ・グアイ》
X=0で出すだけで、マナコスト0の置物を全て叩き割る豪快極まりない効果が特徴。
宝物も食物も地図も血も飛行機械もウルザロボも何もかもを粉砕する熊。
ちゃんと熊なので2/2。
《うろつく玉座》
基本的にはこのデッキではミュータントを宣言するためここに掲載。
このデッキを構成するミュータントの大半は誘発能力をもっているため、
それらが倍になれば結構なアドバンテージを生み出してくれる。
モスマンのRADカウンター配布も切削への誘発も倍になるのは当然ながら宇宙と言って差し支えない。
《ミュータントの市長、マーカス》
+1/+1カウンターに絡む効果のちょっとついた5マナ4/4警戒トランプルの《偵察任務》。
増殖でカウンターを増やすには最低限1個のカウンターが必要であるため、
意外にかゆいところに手が届くナイスデザインのクリーチャー。
《デスクロー・アルファ》
6マナ6/6威迫トランプルに、CIPと怪物化でそれぞれパーマネント1つ破壊がつく。
これだけで相当優秀なクリーチャーであることがわかるが、これの強みは最悪でも自前で10/10まで成長するという点。
モスマンを握っていると感覚が麻痺しがちだが、10/10はそれだけでも大概に対処し辛いバケモノといってもよいサイズなのだ。
アドバンテージ獲得要員たち
《森の知恵》
最初に見た時の印象が「これディミーアじゃないの?」だったカード。
ドローを3枚にして2枚を戻さなければ8点ライフを支払うという効果は、
ドロー直後の戦闘前メインフェイズで切削を行うのと好相性。
必要な1枚を選んで残り2枚は墓地に落とすつもりでいよう。
《ダニー・ピンク》
モスマンはX体に+1/+1カウンターを乗せる効果である。
それゆえこのカードがあるとX体に置いた直後にそれぞれからドローが誘発し、
大量のドローが期待できる。無論ターンを跨げば更に得られるだろう。
教導を持つことで、自分もカウンターを配る側になれるのもえらい。
《浄化プロジェクトを巡る戦い》
およそブラザーフッドで宣言することが9割のカード。
対戦相手それぞれにドローさせるとはいえ、毎ターン3枚ドローは破格の極み。
エンクレイヴ側の効果も終盤に置けば攻撃抑止として機能するだろう。
《守護者計画》
EDHでクリーチャー主体で緑が絡むならば入れ得のカード。
《水深の魔道士》
《水底の生術師》がルーティングではなくドローになったら最高じゃん?
しかも進化で勝手にカウンターが乗るのもあり、ドローエンジンとしてはなかなか悪くない。
単除去、打ち消し、自衛札
《暗殺者の戦利品》《湖での水難》《原子化》
基本的には軽かったり撃つ相手を選ばない呪文を優先的に採用した図。
特に水難は、墓地が肥えれば大概の生物や呪文を割れるため便利。
原子化の増殖も、RADを増やすだけではなく打点を盛って殴り切ることに貢献しうる。
《マラキールの再誕》《タイラント・ガード》
クリーチャーを守るための防御札でありつつも、それ以外の役目もある2枚。
再誕は言わずもがな土地となるし、タイラント・ガードはX=0でも十分実用ライン。
X=5でのドローが付くのもとにかく偉く、初手に握っておくと必ず役立つ。
《潜在能力の波動》《変異の賜物》《鼓舞する呼び声》
クリーチャーが主体のこのデッキにとって全体除去は戦線の崩壊を意味するため3枚の採用。
前者2つは増殖のおまけつき、後者1枚はドローが付いているため苦し紛れにドロー呪文としても使える。
《告別》だけは勘弁な!
全体除去
《サイクロンの裂け目》
EDHの青の全体除去といえばこれ。通れば盤面が崩壊する除去のひとつ。
このデッキにおいてはモスマンで誰かを殴り倒せると見計らったタイミングで出す事が多い。
《放射性降下物》
黒の全体除去期待のホープ。
Xの倍ということで、X=2の4マナで唱えても-4/-4である。
おまけでRADカウンターがばらまかれるが、これを良し悪しどう捉えるか次第か。
このデッキにとってはアドバンテージにしかならないため大歓迎である。
良い子はX=10とかでぶっ放して誰が最初に放射能で死ぬかを試すようなことをしてはいけない。
リソース再利用および弱点ケアの面々
《バーラ・ゲドの復活》《世界の導管》《永久の証人》《墓場波、ムルドローサ》
どれも墓地からカードを回収する、つまり切削で落ちたカードの再利用を主な目的としている面々である。
《永遠の証人》ではなく《永久の証人》を選んだのはこれ自体が墓地に落ちた時のため。
特にムルドローサ、世界の導管からタイラント・ガードを再利用できれば盤石な盤面が作れるため狙う価値がある。
《パワーフィスト》《真理と正義の剣》
前者はトランプル、後者はプロテクション青白。
どちらも回避能力の付与を主な目的とはしているが、効果自体も強力。
ダメージ分の個数の+1/+1カウンターが乗るということだけで圧がかかるし、
+1/+1カウンターを乗せたあとの増殖はモスマンに装備させていた場合、
そのまま攻撃時にばらまいたRADカウンターをロスなく増やすことができる。
《漁る軟泥》
回数制限がなく墓地を漁り、サイズアップしながらライフの回復も期待できるいぶし銀。
いわゆる墓地コンボ系への対策を担いつつも、RADカウンターのダメージをケアできるため、このデッキでは意外に起動効果の世話になる。
《早足のブーツ》
何故《稲妻のすね当て》じゃないのかといえば、これは単純な話。
モスマンが被覆を持つと、強化能力で自身を対象に選べなくなるから。
故に呪禁かつ装備コストがかかるが、こちらをチョイスしたという次第である。
胡散臭い奴ら、またの名を危険なコンボの構成員たち
《血の長の昇天》
言わずとしれたブラッドクランクコンボのブラッドのほう。
モスマンにおいてはRADカウンターという極めて優秀な削りがあるため、
ちょっとRADカウンターを盛るだけでたやすく達成されやすいのがポイント。
精神クランクと組み合わせれば無限デッキ削りライフロスによるコンボとなり、
そうでなくともライフドレインが長期戦になればなるほどスーッと効いて……これはありがたい。
《厳格な者、コンラッド卿》《戦慄の猟犬》
どちらも死亡やクリーチャーが墓地に落ちるごとにライフを削る能力持ち。
コンラッド卿は起動効果で、猟犬は着地時にそれぞれ切削を行えるのが偉い。
《シミックの隆盛》
ビートプランが通じそうにない場合のサブプランである。
モスマンの性質上爆速で育つため、達成は極めて容易。
これ自体にもカウンターを乗せる効果がついているのが気配りの達人といってもよい。
《ハダーナの登臨》
シミックの隆盛とは逆に、ビートプランを強く後押しする1枚。
表面の+1/+1カウンターの配布は言うまでもなく助かるが、裏面が強力。
好きな色のマナが出る土地でありつつ、パワーを倍にする効果で手軽に統率者ダメージ殺を狙っていける。
《ラッドストーム》
通ればいろいろな意味で宇宙となること待ったなしのインスタント。
基本的には対戦相手同士の呪文の空中戦の便乗して発射するのが一番強力かと思われる。
「ところで君達、増殖4回やるからRADカウンターを4個ずつ上乗せしてね」と言えば大概のプレイヤーは悶えるはずだ。
土地、ある意味一番語ることが少ない奴ら
この分野においては順にピックアップしていこう。
だいたいのカードは「多色出るから採用」以上の理由がない。
チーム・三色出る土地(一部対戦相手依存)
チーム・2色出る土地
おまけ付きの奴ら
《眷者の居留地》《マリポーサ軍事基地》
それぞれ条件付きであるが1ドローができる土地である。
リソース切れへの対策として、2種類採用となった。
《群がりの庭》
《賢きモスマン》は昆虫である。つまりこの土地の効果対象だ。
故にこの土地の恩恵を得られる特権種族だ。
入れない理由もないお守りである。
《ならず者の道》
圧倒的パワーのモスマンがアンブロッカブルがついて殴れたら、つよい。
ただし出すタイミングによっては周りからのヘイトがブチ上がるため要注意。
《カーンの拠点》
繰り返し使える増殖であり、様々な悪さのお供である。
地味に《血の長の昇天》のカウンターを増やせるため、忘れないでおこう。
基本土地
これらの採用割合については単純にフェッチランドとの兼ね合いや、一部基本土地を参照するカードを加味しての投入となっている。
個人的には1-2枚は増やしてもいい気がするが、このあたりは好みなのだろうか?
あとがき
こんなに画像付きの記事を作るのが大変だとは思わなかった!
ただこの一言に尽きるとはいえ、自身のデッキリストを掲載したうえでそれぞれについての解説を入れていくのはなかなかに楽しい経験であった。
一部、「これ要らなくない?」と抜けていったカードもあったり、手持ちのストレージから出番が来るカードもあったりと、
結果として全体的なバランスやシナジーを見直すことにもなった。
しかしこれはあくまで筆者の考えた一例であり、より面白かったりアツかったりする組み合わせやシナジーがまだまだ無数に存在する。
この記事を読んでモスマン教団に入団したいと思った方は、ぜひ「ミュータントの脅威」を買おう。
ユニバースビヨンドは再録されるかどうかが怪しいということもあり、買える時に買っておくことは後悔しないぞ!
と、長々とFalloutコラボの回し者のような怪文書を書いてきたが、
私にとってこのデッキは好きなものと好きなものが合体したカツカレーのようなものだ。
皆それぞれに楽しみ方があると思うが、ぜひそれらを私も知りたく思う。
Xにもアカウントがあるため、なにか質問などがあればいつでもDMをしてもらって構わない。
(アカウントは@Haze84142191である)
私も手探りとライブ感で組み上げているデッキのため、周りからの意見やアイデアがもらえれば完成度がより高まるのだ。
というわけで、皆によき放射能まみれの統率者戦があらんことを!