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Murakami.Flowers ウォレット分析 -2022 Oct-

はじめに


前回のCNPウォレット分析レポートが有償にしたにも関わらず、NFTのコアな方々を中心に想定外にご購入頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。

価格は弾力性がありますのでもう少しだけ試してみたいと思います。今回は元日経記者の後藤達也さんを真似て読み切りで300円で販売させて頂きます。ETH価格にすると0.002ETH未満ですのでご了承ください。

レポート


MiinさんのNFTランキングを見ても歴然のように、日本発のプロジェクトとしては全期間の取引高でダントツのNo.1プロジェクト、それがMurakami.Flowersです(Seed含む)。このプロジェクトの登場までの村上隆さんとNFTの関わりはここではあえて触れませんが、世界的なアーティストのNFT作品はどのような人達がホルダーなのか気になっていました。

実際にウォレット解析を走らせてみると、各指数を眺める限り一つの理想的な姿である気もしました。以下にいつもの指標を順番に見ていきますので、興味ある方は是非どうぞ!

保有数分布

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皆さん、村上隆さんの作品なので大量保有の鯨が多いと思ってませんでしたか?私は少なくともそう思ってました。しかし蓋を開けたらここまで1枚所有が多いとは。。。そして逆に10枚以上保有の人が少ないとは。。。

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保有数分布を%で見たものがこちらです。率で見るとより顕著ですね。1枚保有で79%。これは今まで見たプロジェクトの中では突出して高い比率です。また10枚以上の保有も全体の1%ほどしかいません。

上位ウォレット

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以前使っていたものが情報が古かったので独自で取得するようにしました。意外に思うかも知れませんが、100枚以上保有のクジラはたった二人。両方とも運営ではなさそうです。このプロジェクトはあまり買い占めが行われてないようですね。

尚、Top10の中には流石にNFTの大口バイヤーが何人かいました。興味ある人はアドレスを覗いてみて下さい(アドレス、コピペ出来ないかもです。。。)。

分散化率

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保有数の分布の偏りで気づいた人もいるかもしれません。なんとUnique Wallet率は59%と、ここまで分散化されているプロジェクトを見た記憶がありません(もちろん存在すると思います)。巷では50%越えるとかなり分散化が進んだと認識されてますので、Mintからこの半年ほどの期間でのここまでの分散化は驚異的です。

次に右がクジラ率です。この8%は過去2つのプロジェクトより低いです。これだけ有名なプロジェクトなのにクジラ率は低めです。

尚、クジラ率に関する詳細はこちらをご確認下さい。

ウォレット作成時期

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このデータを取得した時点(2022年10月20日)での経過月数です。一番多いのが1年以上のウォレットで、このアーリーアダプター層は実に全体の1/3を占めています。凄いですね!次が6ヶ月-9ヶ月のウォレットで27%。そして9ヶ月-12ヶ月が次いで20%でした。ミントが開始したのが2022年5月4日でそこから169日経過しているので、Murakami.Flowersで参入した人達は次の3ヶ月-6ヶ月の層に入ります。

また大勢には影響ないですが、Murakami.Flowers seedからのRevealが少しずつ進んでいると思われるので、二次流通での購入に加えRevealによる取得での新規参入も少しあると思われます。尚、Murakami.Flowers seedは2022年10月20日時点でまだ824枚残っております。

新規参入

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今回から新しい指標を加えました。それが新規参入です。定義はこちらをご確認下さい。

これによると610人ものNFT新規参入組があります。率でなんと11%に登ります。ニューヨークのGagosianでの展示会「An Arrow through History」では、開始日の今年5月11日前に飾られていた100点以上のMurakami.Flowers現物が全て1点数百万円で完売していたと耳に挟みました。そして、これはNFTもセットだったのでは?という憶測がありますので、そういったアート界からの購入組も多数入っているのだろうと想像します。

ガチホ状況

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ここも驚きの数字でした。全5739ホルダーのうち3169ものホルダーがミントからずっとMurakami.Flowersを持ち続けているという。。。その比率はなんと全体の55%です。村上隆のアートを所有し続ける事の満足度に加え、マインドマップに基づくエアドロなど、投資パフォーマンスもガッチリ噛み合っているのでしょうか。。。

ここでのガチホの定義はこちらを参考にしてください。

NFT平均購入価格

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こちらはMurakami.FlowersホルダーのウォレットのNFTの平均購入価格です。上位25%のホルダーは平均で2.71ETHで流石にとても高い!と納得感もありましたが、平均を見てみると0.02ETHとかなり下がります。よってガチのNFT投資層が囲っているというよりは、村上隆さんのファンだけどNFTにはそれほど興味ない層まで幅広くホルダー層が広がっているのかもしれません。

Top10プロジェクト

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初回にGalverseでこのリストを成した時に上位にスキャムプロジェクトが並びました。そのまま並べてしまった反省があり、今回からOpenSeaで認証マークがついているプロジェクトのみ手作業で抽出して並べています。

このラインキングは個人的にそのプロジェクトを色濃く表す指標だと思ってますが、Murakami.Flowersも分かりやすい傾向が出てますね。

Murakami.FlowersホルダーへエアドロされたMurakami Lucky Cat Coin Bankが一位で、CloneXのMurakami TraitsホルダーはMurakami.Flowers seedがエアドロされた事もあり三位、その他CloneX関連ではCrypto KicksやAR Hoodieなどが入ってます。

また、adidasが入っているのも非常に面白いですね。そして個人的にはArt BlocksがTop10にいるプロジェクトは何故か信頼できます。

メジャープロジェクト保有者比率

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ホルダーの平均購入単価が高いとメジャープロジェクトホルダーがどれぐらいいるのかも気になるところですが、6つのプロジェクトを一つでも所有しているホルダーの割合は38%とやはり高比率でした。

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次に6つのプロジェクトを個別に見ていきます。この割合は一般的に低くて当たり前なのですが、ことMurakami.Flowersに限っては高めです。やはり関係の深いCloneXが1706人で全体の30%!ですが、Top10にいたMAYCも10%!、MoonbirdsやAzukiホルダーも結構いることが分かります。

一方で他のプロジェクトと比べれば圧倒的な数ですが、この6つで比べるとCryptoPunksホルダーの関心は比較的低そうです。属性的な問題なのかもしれません。

メジャープロジェクトホルダー率に関する補足はこちらをご確認下さい。

国内外比率

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国内ホルダー比率は15%との結果が出ました。世界的な知名度の村上隆さんのプロジェクトでありながら、日本のNFTコミュニティでも大いに注目を集めたプロジェクトです。肌感的にはこの数値は妥当そうです。

算出方法が不明な方はこちらをどうぞ。

プロジェクト比較

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初回無料レポートのGalverseと各種指標でいつも比較してます。これは性格の違いを表す為の一端だと捉えて下さい。

断っておきたいのが、この2つのプロジェクトは競合という訳ではなく、界隈でライバル視されている訳ではありません。またこの比較によってそれを煽る気も毛頭ありません。もちろん発行枚数も販売時期も販売価格も違うので、比較がApple to Appleではありません。

今後、2つくらいの指標を基にレポートで取り上げてきたプロジェクトをプロットしてもいいかなと思ったりもしてます。

まとめ

冒頭にも書いた通りNFTプロジェクトにKPIがあるならば、ある意味理想的な姿ではないでしょうか。有名プロジェクトホルダーが多く安心感がありながら鯨率は低く、新規参入組がそれなりにいつつガチホ比率も非常に高い。更には分散化がかなり進んでいるという高度にバランスの取れたプロジェクトだと言えます。凄すぎ!

Murakami.Flowerも今後定期観察していくことで、その成長(経時変化)を追いかけていきたいと思います。また今後、他の国内外プロジェクトを見る際の一つのベンチマークにしていきたいと思います。

おまけ、雑感

少し前のニュースですが、Dapper LabsがEUの新たなロシア制裁に同調する形で、ロシアに関連するとみられるアカウントのNFTの売買及び譲渡を停止しました。Dapper Labsはバンクーバーの企業ですが、自社サービスの決済等で利用しているシステムの会社がEU内にある事が理由のようです。

OS始めNFTの大手マーケットプレイスはEU内の企業とは関係がないのか今のところ同様の動きはないようですが、今後アメリカも同様の制裁を課したらNFT市場においてもこの動きは広がっていきそうです。NFT市場におけるロシアのシェア・存在感は不透明ですが、こんな形でNFT市場にも影響が出始めています。

最後に少し宣伝です。実はこのようなウォレット解析は集めたWLでも出来ます。興味あるプロジェクトの方は当方のTwitterアカウント@diego_0xまでご連絡下さい。

勝手にリンク


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