Trump Digital Trading Cards ウォレット解析 -2023 Jan
レポート
去年のクリスマス前の2022年12月15日に突如としてドナルド・トランプさんが”明日重大な発表がある”と宣言。その翌日から$99でNFTを販売し始めたのは皆さんの記憶に新しいところでしょう。45,000枚は数時間で全て完売。懐疑的な目の中Meme化してTrump Digital Trading CardsはOSでも第1位になりました。
当初すぐにウォレット解析することも考えたのですが、ホルダー層がその後大きく変わってしまう可能性もあるので、解析したい気持ちはあえて抑えて1ヶ月寝かせてやっと解析レポートに至ります。
またこのコレクションはPolygonなのですが、この解析レポートでPolygonのNFTを取り上げるのは実は初めての試みです。それでは早速診てみましょう。
※同じプロジェクトのNFTを複数のウォレットで管理する人は基本的に少数という前提で、本レポートは複数ウォレットを鑑みず1ウォレット=1ホルダーのように表現しています。その点はご容赦下さい。
保有数分布
ウォレット数が15,000近くに上りました。それも凄いですね。よって1人あたり平均で3枚所有している計算になります。このNFTはユーティリティとして御本人と「食事」「ZOOM」「ゴルフ」が抽選で当たるようです。それを期待しての複数購入が多いのでしょうかw
保有数分布を割合で見てみたものがこちらです。1枚99ドルはクリプト民にとっては安いのか?1枚所有の割合が過去平均を下回っております。
上位ウォレット
毎度の上位ウォレットの覗き見です。
まず第1位の1000枚所有はOS上では匿名アカウントでしたが、数字の切りの良さから間違いなく運営とみていいでしょう。数は1000ですが、割合で見るとたったの2%ほどです。
続いて第2位以降で面白いアカウントをハイライトしていきたいと思ったのですが、一通り見たところどのアカウントもほぼTrump Digital Trading Cardsで占めている状態で、他の有名なプロジェクトはなし、名の通ったクジラも存在せずという感じでした。
また当然の事ながら?御本人のアドレスも特定は出来ませんでしたw残念!
分散化率
Unique Wallet率は33%です。過去レポート平均は45%なので、他のプロジェクトよりも分散化がまだ進んでいません。
一方、運営と思わしきアカウントを除いたクジラ率は5%とかなり低い結果となりました。数が多いのでどうしても1000枚単位で所有する個人は出てきませんね。
尚、クジラ率に関する詳細はこちらをご確認下さい。
ウォレット作成時期
このデータを取得した時点(2023年1月19日)での経過月数です。発売日を含む直近3ヶ月の層が圧倒的に多くなんと3/4を占める結果となりました。やはりこれをきっかけにNFTに参入した人が多いんでしょうかね~。
またその次が12ヶ月以上の層というのも少し面白い結果ですね。
新規参入
新規参入率ですが、このプロジェクトが最初のNFTの購入というホルダーは予想に反して割合でたったの1%に留まりました。そうなんですね。。。
定義はこちらをご確認下さい。
ガチホ状況
こちらは9935ホルダー、割合にして22%の人がミントから保有し続けている事になります。フロアは現在でも0.3ETHを越えています。ここから更に下がる可能性もありそうです。
ここでのガチホの定義はこちらを参考にしてください。
Top10プロジェクト
OpenSeaで認証マークがついているプロジェクトなどを全て手作業で抽出して並べています。
このランキングはそのプロジェクトを色濃く表す指標ですが、筆者が今まで見てきたようなNFT群とは全く違うような層ですね。
先にこのNFTが初めて買ったNFTという層が極めて小さい事がデータから分かりました。ではその人達が何を先に買っていたのかという点が気になります。
ランキングでTopに立ったのはOSの共有コントラクトです。なんと約1500人もいます。誰の何をみんな買ってるんでしょう。。。そして、それと同じくらいの数に上るNFTがあります。毎回ランキングからは省いていますが、ENSです。
しかしその2つに被りがないとしても所詮3000人ほど。残りの11,000人ほどは一体何を買っているんでしょうね~。謎です。
さて、ランキングでは第2位以降のホルダー数がガクッと下がります。これをみても分かる通り、このコレクションを買った人達は普段からNFTを購入しているそうではなく、何らかの形でNFTという形のものを購入しているという人達なんでしょうね~。
メジャープロジェクト保有者比率
これまで見てきた指標から想像できる通り、有名どころを持っている人はほぼ参入してないようですね。
では次に6つのプロジェクトを個別に見ていきますが、こちらも全く同様でした。即ちMemeさはあったものの、BlueChipホルダーな皆さんはほぼスルーしたという結果になります。
メジャープロジェクトホルダー率に関する補足はこちらをご確認下さい。
国内外比率
国内ホルダー比率です。国内ホルダーなんてほぼいないでしょうと思ってましたが、その通りでしたw
算出方法が不明な方はこちらをどうぞ。
プロジェクト比較
割愛します。
比較として過去の他のプロジェクトの数値が気になる方はこちらから是非どうぞ。
まとめ
各指標を全体的に見渡す限りTrump Digital Trading Cardsは既存のNFTを購入してきた層にはあまり相手をされなかった事が想像できます。
しかし、にも関わらず45,000という数を売り切った事実は凄まじく、広範囲にトランプさんの支持者やNFTのライトな層を取り込んだんでしょう。
このいう事実を突きつけられると、NFTの人口比での浸透率が如何に低いか(=ポテンシャルが大きい)という事を改めて気付かせられます。
さて、このライトな層で支えられているプロジェクトはガチホ率もまだ22%もあります。この人達は短期的なフリッピング目的で入ってきた人達でもないと思うので、現在までのフロアも安定しているのかもしれません。
今回のプロジェクトはセレブや著名人がNFTを作ってしまえば簡単にこれぐらい資金調達出来るという前例を世界に示したように思います。きっと第二のTrump Digital Trading Cardsがそのうち現れるでしょう!
勝手にリンク
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また実はこのようなウォレット解析はミント前に集めたWLでも出来ますし、ミント後のKPI確認としても個別に提供できます。興味ある方がいましたら当方のTwitterアカウント@diego_0xまで是非ご連絡下さい。