CNP ウォレット分析 -2022 Oct-
はじめに
前回、試しにGalverseのウォレット分析を提供してみたところ、お陰様で大変好評でした。内容的にググれば出てくるような情報でもない為、多くの方から直接的に有料化してもよいのでは?というお声がけを有難いことに頂きました。そこで、今後はエンジニアの方とタッグで有償のレポートとして模索していきたいと思います。
価格設定がよく分からないので、初回は読み切りで日清のカップラーメンほどの値段200円で試してみます。またその次は変更するかも知れません。基本的には安い価格帯で多くの方にとって読みやすくしたいと思います。
レポート
さて、今回の対象のプロジェクトはCNPです。ミント日はデータを見ると今年5月15日で、NFT市場のピークの最後辺りだったように思います。そこから市場は下り坂の一途であったにも関わらず、その波に飲まれずフロアが上がり続けてきたCNPは異様な存在です。またIRLイベントが花盛りな今でもCNPのIRLイベントは聞きません。イケハヤさんの発信は目立つものの、中にいないとベールに包まれている感のあるプロジェクトなので、躍進のヒントをウォレット解析で垣間見たいと思います。
では前回同様の指標を順番に見ていきます。
保有数分布
多くのプロジェクトがそうであるように、1枚だけ保有している人が大半で、次いで2つ保有が二番目に多いですが、異様なのは10枚以上保有の熱狂的なホルダーが実に514人と三番目に多いところです。
保有数分布を%で見たものがこちらです。1枚・2枚保有の合計で約73%。一つ前でも指摘した10枚以上のホルダーの率はなんと!11%にものぼります。
上位ウォレット
まず右の上位ランキングですが、100枚以上保有のクジラがズラリと並びます。トップの728枚のホルダーは運営です。なので個人ベースではその次の283枚ですが、数の多いプロジェクトなので率で見ると1人で全体の約1%保有と異常値なわけではなさそうです。
またバブルマップを見ると、同じ色が付いているものは同じホルダーと見てよいので、右の上記ランキングには載ってこない隠れたクジラホルダーもちらほらいるのが確認できます。
分散化率
この分散化という点を深掘っていきます。まず左のユニークウォレット率が22%。これはかなり低いですね。巷では50%越えるとかなり分散化が進んだと認識されてますが、CNPは逆に分散化が全然進んでいないプロジェクトと言えそうです。
次に右がクジラ率です。この11%は前回のGalverseとほぼ同等です。なので全体の率という意味では普通なのかもしれません。
尚、クジラ率に関する詳細はこちらをご確認下さい。
ウォレット作成時期
このデータを取得した時点(2022年10月16日)での経過月数です。一番多いのが3ヶ月-6ヶ月のウォレットです。CNPがミントされてから155日経過なので、CNPを契機にNFTに入って来た層が数多くいるのが想像できます。またその前後の3ヶ月以内が16%、6ヶ月-9ヶ月のウォレットも15%なので、全体的にNFTの新規層と言えるでしょう。
ガチホ状況
ここでのガチホの定義はまずこちらを参考にしてください。
全4879ホルダーのうち625ものホルダーがミントからずっとCNPを保持し続けています。その比率は全体の13%です。これはGalverseより全然低いのですが、先の上位ホルダーの数字を勘案すると鯨達がガチホしている一方で、多くのミント組は既に利確をしていると言えそうです。
NFT平均購入価格
今度はCNPホルダーのウォレットのNFTの平均購入価格です。上位25%のホルダーは平均で0.48ETHとそれなりにNFT購入に費やしている印象です。これが上位50%でも0.1ETHは越えています。一方で平均になると0.01ETHまで下がりますので、このデータからもNFTへの新規参入組を多く獲得している可能性が高いと言えそうです。
Top10プロジェクト
ではそんなホルダー達が保有しているNFTはどんなプロジェクトなのか、ランキング形式で少し深掘ったのがこちら。1位のCNP Jobsはそのままですね。それ以降、ENSを除けばものの見事に国内プロジェクトが並びます。CHIMNEY TOWN DAOが2位に食い込んでいるのは、CNPの二匹目のドジョウ狙いでしょうか。
メジャープロジェクト保有者比率
ホルダーの平均購入単価が高いとメジャープロジェクトホルダーがどれぐらいいるのかも気になるところですが、6つのプロジェクトを一つでも所有しているホルダーの割合は1%のみでした。
次に6つのプロジェクトを個別に見ていきます。この割合は低くて当たり前なのですが、日本人の中ではホルダー数が一番多いCloneXに関してはCNPホルダーは50でダントツでした!
メジャープロジェクトホルダー率に関する補足はこちらをご確認下さい。
国内外比率
算出方法はこちらをまずご確認下さい。
国内ホルダー比率が90%との結果が出ました。このプロジェクトは既にフロア1ETHを越えていますか、日本円にして約20万円です。新規でそれほどポンと払える人が国内で増えていくとは思えないので、フロア観点では海外のNFT層を取り込んでいくのは重要になってきそうです。
プロジェクト比較
前回レポートのGalverseと各種指標で比較してみました。こう並べるだけで全く正確の違うプロジェクトだと言うことが分かります。
断っておきたいのが、この2つのプロジェクトは競合という訳ではなく、界隈でライバル視されている訳ではありません。またこの比較によってそれを煽る気も毛頭ありません。もちろん発行枚数も販売時期も販売価格も違うので、比較がApple to Appleではありません。
今後、プロジェクトが増える度にそれぞれの性格の違いをあぶり出す意味合いで更に他のプロジェクトも追加して数字を横並びに眺めていきたいと思っています。
まとめ
CNPは想像した通り圧倒的に国内ホルダーが多いプロジェクトでした。またホルダーの持ちNFTプロジェクトランキングや有名プロジェクトの保有率、ウォレット作成時期や平均購入価格などのデータがどれもNFTの新規組が多いことを示唆しています。言い換えると、それだけNFTの裾野拡大に貢献したプロジェクトと評価することが出来るでしょう。そしてガチホ組には現在のフロア価格で夢を与えてくれたと思います。
CNPも今後定期観察していくことで、その成長(経時変化)を追いかけていきたいと思います。また今後、他の国産プロジェクトを見る際の一つのベンチマークにしていきたいと思います。
おまけ、雑感
日本に一時帰国して、改めて円安による国内のサービスの安さを体感して帰ってきました。また日本もインフレの波が徐々に押し寄せていることも感じられました。このインフレと円安に関して、世間的に勘違いが存在しているのではないかと思ったりします。
まずインフレですが、インフレが収まれば元の物価に戻るような印象がありますが、当たり前ですがデフレにならないと物価は下がりません。しかしデフレは世界的に忌み嫌われているので、アメリカを中心とした海外で物価が今後今より下がることは考えにくそうです。
次に円安です。自分は為替のプロではないですが、FEBの金利引き上げが一段落したら円高に振れると考えている方も多そうですが、QT(平たく言うとばら撒いたお金の回収)をどのように見ているのでしょうか。個人的にはQTに突き進むアメリカとQTが出来ない日本で更に円安が進む可能性があると思っています。半年後にはその辺りも結果として現れてそうですね。
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