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Galverse ウォレット分析 -2022 Sep-
noteを始めることにしました
NFTに投資するようになり、また国内のプロジェクトのお手伝いをする機会が増え、Web3の一番の醍醐味・強みはOn chainのデータだと肌で強く感じるようになりました。
そのOn chainのデータはDune Analyticsなどフリーで解析データを検索できるツールが登場し、好きなデータを見ることが可能になってきています。しかし、この手のツールを使えば使うほどまだそこに課題がある事を実感するようになりました。
具体的には、
①そもそもデータの見方が多くの人には難しい
②そこに自分が必要なデータが必ずしも揃っている訳ではない
③必要なデータを求めて素人が気軽にデータ解析できるものではない
などです。このようにまだまだ使いこなすには色々とハードルが存在します。
一方、国内のプロジェクトをお手伝いする過程で独自に解析されたウォレット情報がプロジェクトの指針として多いに役立っているという事実も目の当たりにしており、そういったお手伝いの延長線上&自分の趣味で情報の少ない日本国内のNFTのプロジェクトのデータの可視化を行っていこうと思うに至りました。もちろん、海外プロジェクトの気になるデータに関しても解析していく予定です。
Galverse ウォレット分析
能書きはいいとして、ここからが本題です。まずは一つサンプルとして、Galverseのレポートを作成してみました。Galverseを最初に選んだ理由は、村上隆さんのような事前の知名度なしに世界的に最も販売を成功させた国産プロジェクトだと思っているからです。言い換えるならば、あらゆる国内プロジェクトのベンチマークにもなるプロジェクトではないでしょうか。
では早速順番に見ていきたいと思います。データは2022年9月29日時点でのスナップショットです。
保有数分布
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多くのプロジェクトがそうであるように、1枚だけ保有している人が大半で、次いで2つ保有。10枚以上保有の熱狂的なホルダーが99人もいるのは面白いです。
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保有数分布を%で見たものがこちらです。1枚保有で全体の約2/3、2枚までで約84%に登ります。この辺りは平均的かもしれません(今後徐々に明らかにしていきます)。一方で、熱狂的なホルダーが3%もいる点も頭に留めておきましょう。
上位ウォレット
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バブルマップは同じ色が付いているものは同じホルダーと見てもよさそうです。全体的に比較的バブルが小さいので、視覚的に分散化が進んでいるように見えます。#1のDead Addressを除くと、トップのホルダー1人で全体の約3%保有です。
分散化率
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この分散化という点を深掘っていきます。まず左のユニークウォレット率が44%。ちまたでは50%越えるとかなり分散化が進んだと認識されてますよね。
次に右がクジラ率です。この12%が正直高いのか低いのかは分かりません。今後のベンチマークにしていきたいと思います。
尚、クジラ率に関する詳細はこちらをご確認下さい。
ウォレット作成時期
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このデータを取得した時点(2022年9月29日)での経過月数です。一番多いのが12ヶ月以上なので、昨年NFTが盛り上がり始めた初期からのホルダーが一番多く、逆に3ヶ月以内のホルダーが一番少ない結果となりました。
そして面白いことに平均値(Mean)で見ると、なんと424日!つまりウォレットを作成して1年以上の人達はNFTが流行り始める前、ないし初期から人達が大半であろう事が垣間見られます。
ガチホ状況
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ここでのガチホの定義はまずこちらを参考にしてください。
全3892ホルダーのうち、実に768ものホルダーがミントからずっとGalverseを保持し続けています。その比率は実に全体の20%。ミント日が今年の4月14日。発売当初は二次流通も回転したプロジェクトなので、そこから169日経ってこの数字は立派ではないでしょうか。
尚、この人達の投資パーフォマンスは?なんて野暮な事は言ってはいけませんよ!
NFT平均購入価格
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今度はGalverseホルダーのウォレットのNFTの平均購入価格です。上位25%のホルダーは平均で0.65ETHもNFT購入に費やしており、平均で落ちても0.24ETHあります。肌感としてはGalverseホルダーはかなりNFTに投資している層と言えるのではないかと思います。
Top10プロジェクト
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ではそんなホルダー達が保有しているNFTはどんなプロジェクトなのか、ランキング形式で少し深掘ったのがこちら。ある意味予想通りなのが1位のENS。2位は恐らくスキャムNFT。。。3位はArt Blocks Curatedです。これは凄いのではないでしょうか!?
メジャープロジェクト保有者比率
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ホルダーの平均購入単価が高いとメジャープロジェクトホルダーがどれぐらいいるのかも気になるところですが、6つのプロジェクトを一つでも所有しているホルダーの割合がなんと19%に登りました。これは世界中のNFTインフルエンサーに認められたプロジェクトであると言っても過言ではないでしょう。
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次に6つのプロジェクトを個別に見ていきます。この割合は低くなってしまうのは当たり前なのですが、絶対数も重要視したいところです。
6つの中ではCloneXホルダーが一番多い事が明らかになりました。次いでMoonbirdsでその次がAzuki。意外にもBAYCよりもMAYCホルダーが少ない結果となりました。もちろん、ウォレットを分けている可能性も高いので、あくまで目安となります。
メジャープロジェクトホルダー率に関する補足はこちらをご確認下さい。
国内外比率
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これは物議を醸し出しそうな指標ですが、算出方法はこちらをまずご確認下さい。海外比率が凄く高いと言われるGalverse、この算出では42%が国内、58%が海外という結果となりました。これを越えるプロジェクトは今後現れるのか?とても楽しみですね〜。
まとめ
冒頭に書いた通りGalverseは一次販売(&資金調達)で世界的な成功を収めたプロジェクトです。あれから5ヶ月半、ウォレット解析を通じてその強さの一端が数字としても確認できたのではないかと思います。
それは、ホルダーが全体的にNFTに高額投資している層である事、その一例としてメジャープロジェクトのホルダーが多い事、海外のNFT投資家にしっかり認知され投資されている事などです。
Galverseは今後定期観察していくことで、その成長(経時変化)を追いかけていきたいと思います。また今後、他の国産プロジェクトを見る際の一つのベンチマークにしていく予定です。
おまけ、雑感
NFTの取引ボリュームはマクロ経済の煽りをもろに食らって否応なしに冬の時代を迎えてます。しかし昨日のNFT Art Tokyoに来た方は全員感じだと思いますが、IRLイベントの活況は真夏と表現しても過言ではなく、FTとの大きな違いのようにも感じます。
またこれは日本だけでなく、少なくとも自分が住んでいるドバイでも同様に感じるところであり、世界的なトレンドな気がしなくもありません。コロナの規制が緩和されているのも影響があるでしょう。
去年はNFTはメタバースと関連付けられてよく語られてました。しかし、どのプロジェクトもアバターを用意できる訳でもなく、また本格的に稼働しているメタバースもあまりありません。全体的にはNFTはIRLの方が相性がいいのでは?なんて思ったりもするこの頃です。