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「デイジー・ジョーンズ&ザ・シックス」70年代のバンドやミュージシャンの成長と苦悩の物語 ついあの映画と比べてしまいながらも楽しめた秀作♪
先日、このドラマを観終わりました。
「デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃」
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あらすじ等はこちら
Amazonプライムで配信されている70年代の架空のバンドを題材にしたドラマです。
このドラマ、配信前からAmazonプライムの公式アカウント(アメリカね)で猛烈プッシュされていました。めっちゃ力入れて制作してたみたいで、内容も70年代のバンドもの!
ということで観た人たちの評判も良かったので、「これは私向き!」と思ってて。
観てみてオススメポイントがたくさんあるいいドラマだったので、早速レビューを書いてみたいと思います♪
※ここから先は思いっきりネタバレしてますので、結末を知りたくない方はご注意ください。
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最初に言っておくと、このドラマに出てくる「デイジー・ジョーンズ」も「ザ・シックス」も架空の人物、バンドです。
この映画は原作の本があります。それについては後で触れたいと思います。
でも、デイジー・ジョーンズ&ザ・シックスにはモデルにしている実在のバンドがあって、
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このフリードウッド・マックというバンド。今でも世界中で人気で、伝説化しているようなバンドですね。
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このアルバムをご存知の方も多いのではないでしょうか。
私はこの曲が大好きです。カバーもたくさんされてますね。
スマパンや
このthe chicksなんかが人気かと。(前はDIXIE CHICKSって名前だったカントリートリオ)
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ドラマはこのザ・シックスの結成からと、
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このデイジー・ジョーンズという女性ミュージシャンの軌跡を同時進行で描きながら、
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後に一緒になって音楽を作り、成功しツアーをするも、、、というところがこのドラマの大きな流れです。
当時の音楽状況や時代の空気感もリアルに再現しながら、
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この出演者の演技の頑張りがとても伝わるドラマでした!特に
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この話の軸になるデイジー・ジョーンズを演じたライリー・キーオとザ・シックスのリーダーでギターとボーカルを務めるビリーを演じたサム・クラフリン。
やっぱりこの二人は熱演で特にライリー・キーオが個人的にとても良かったですね~。
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シンガーソングライターを目指して、少しずつ殻を破りながら成長していくと同時に、生い立ちから自分を傷つけるように破天荒な生き方に溺れていく。
凄く才能があって、ザ・シックスとの出会いでやっと自分の才能を最大限に活かせる、もしくは音楽的なケミストリーで自分の持ってる力以上の作品を生みだせるのに、その無軌道さがもどかしい。
でも、どこかに芯があって
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ライリーが決して深く沈み過ぎず、どん底でもどこかに生命力があるというか、暗い部分に行き切らずに魅力的に演じていたと思います。あの頃から今に繋がる女性ミュージシャンの存在の大切さや生き方もしっかり体現して。
ライリー自身がおじいちゃんがあのエルヴィス・プレスリー。ミュージシャンの苦悩は肌感覚で理解していた部分もあったんじゃないでしょうか。
私にはこのデイジー・ジョーンズが圧倒的にキャラクターが魅力的で。というか、このドラマは
女性たちがとても魅力的なんです!!
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先に書いたデイジーはもちろん
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同じバンドのキーボード、カレンのまたデイジーとは違う芯の強さや頭の良さ。デイジーとはまたちょっと違うタイプの女性の魅力をスキ・ウォーターハウスが素敵に演じています。
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デイジーの親友になるディスコシンガーのシモーンは、セクシュアリティを隠しながら生きる役。だけど、自分を受け入れてくれる地へ移転して成功を掴みながら、破天荒なデイジーを心から大切に思っているという。
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ビリーの恋人で妻となるカミラは、当初はよくあるバンドマンの妻で泣かされることも多く、一見地味なキャラクターに見えるのですが(超絶美人だけどね!)、ラストになると彼女の存在の大きさも強く印象づけれらる終わり方でした。
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ビリーを演じたサム・クラフリンも熱演で、本当に70s年代からそのまま飛んできたかのような雰囲気で、バンドによくある軋轢の表現も分かりやすかったです。
この映画、架空のバンド物なのですが、そこを上手く活かして
こんな風にバンドのアルバム1枚を本当に作ってリリースしています。単なる劇中歌じゃなく「本気で実在するかのようなバンドの曲」としてクオリティがとても高いのも驚きでした!
制作のPDがBlake Mills、Jackson BrowneにMarcus MumfordやPhoebe Bridgersの名前も。ソングライターがThe Belle Brigadeの二人など異常にレベルが高すぎる!(笑)
インディロックやフォークやカントリーもちょっと入ってるかな?それ系の一流ミュージシャンが本気で曲作ってるので、
こんな感じですね。
こういうバンド物ってやっぱり音楽が良くないと冷めちゃうってところがあると思うのですが、このドラマは逆に
「音楽良すぎるよね!」ってところで(笑)
つい「これめっちゃ力入れて作ったな~」と思っちゃうくらい、いい曲が多くて。架空とは言え、「伝説のバンドの伝説なアルバム」って設定なので、力の入れどころとしてとても正しいのです。
先ほどもちょっと書いた「フリードウッド・マック全盛期と同年くらいにリリースされました?」ってくらい、雰囲気も曲調も寄せて作っていて、結構感動ポイントでした。
伝記映画ではないので一から作らなきゃいけなかったはずなので、これは大変だったと思います。
そして、先ほど「役者が良かった」と書きましたが、ちゃんとバンドメンバーや歌い手の役者がしっかりと実演していて、そこも制作側のこだわりだったんだと思います。
実際、今現在の耳で聴いてもいい曲なので、ヒットもしているんですよね~。でも「歌わされる方の身にもなれ」って感じだと思いますが。表現力めっちゃいるじゃないか!(笑)
ライリーなんて、こんな感じから始めたみたいなので「役者って本当に凄いな~」と改めて思います。いくら曲がいいからって表現の力量がなかったらいいものにはならないと思うので。
このドラマはそういったバンドの演奏シーンも説得力があったし、「これ系の音楽好きにはたまらんな~」って感じで観てました。
ただほんと1点だけ、これは私ならではの視点での感想なので「しかたねーな」と思って読んで頂きたいのですが、タイトルにも書いたとおりこのドラマを観ててどーしても比べちゃう映画があって、それが
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「あの頃、ペニー・レインと」
この映画も同じく70年代の架空のバンドを題材とした青春映画なのですが、この映画が個人的に「あんた異常」ってくらいにもう大好き過ぎて
こんな感じでブログも書いちゃってるくらい愛してやまない作品なので、
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やっぱこの映画がね~、超ド級のスーパーミラクル最高映画なんですよ(笑)。今回「デイジー~」を観て、改めて実感しました。
それはやっぱり監督のキャメロン・クロウの音楽愛が尋常じゃないですし(笑)、実体験を伴った自伝的作品なのでディティールからなにから作品全体に愛に溢れまくってて、私はそちらにもう影響されすぎまくっているので(笑)
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「デイジー~」の方は「演出がちょっと固すぎたかな~」と言うところは否めず。すみません、あくまで私にはです。
人間ドラマとしてシリアスな面もちゃんと描こうとしているところもあったり、凄く真面目にいい作品にしようとしているので、そこはとても好感あるのですが、それゆえかな。
あの時代の破天荒な部分や、音楽的なケミストリー的な部分を描けていたかと言うと、もちろん描けてなかったわけではないのですが、そこまで伝わってきたかというと結構無難な人間模様ドラマに落ち着いてしまった感もあります。
というわけで、この作品の肝的なところ、ミュージシャンのケミストリー的な瞬間や爆発力など、これは
原作を読みたくなった!
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このドラマ、この原作がアメリカで大ヒットして人気だったんです。原作者は若手女性作家のテイラー・ジェンキンス・リード。70年代にはまだ生まれても無かったのに、ドラマを観ているだけでも「こんなに魅力的なバンドを描けるとは凄い」と思います。
このドラマはザ・シックスとデイジーや関係者が過去を振り返るインタビュー形式で話が進む形で、それも斬新ですよね。これは原作の方がよりイメージが湧いて楽しめそうな感じもしたので、ぜひ原作を読んでみたいと思います。
そしてこの作品で特筆したい点が
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このドラマは女優のリース・ウィザースプーンが幹部の制作会社「hello sunshine」が制作を務めています。
ハリウッド俳優が作品の制作会社を経営するというと、
私もnoteを書きましたブラッド・ピットが頭に浮かびますが、最近はハリウッド女優が制作会社を持って作品を作ることも積極的で、マーゴット・ロビーやシャーリーズ・セロンあたりが代表的ですね。リースはその先駆け的な存在でしたが
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「hello Sunshine」は特に原作ありきのドラマ制作に力を入れているのが面白く、最近凄いんですよ!これらの作品を手掛けています。
どの作品も原作が本の段階から評判が良く、まだ予告しか観れていないものの、作品の選び方から使っている役者にもこだわりが感じられます。
しかもこれらの作品、全部配信元が違います。
HBOではリースとジェニファー・アニストンが主演しているドラマもありますし、これを見てるだけでも相当やり手で優秀だと分かりますね。
「デイジー~」を観ていても、とてもしっかりと作品を作っているのが分かります。これは今後も注目していきたいな~、と思います。
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というわけで、気になった方はぜひ観てみてください♪
おまけ
作品をご覧になった方はやっぱり「どのキャラ、どの曲が一番好き?」って話になりますよね~。
私はキャラクターはやっぱりデイジー、曲はダントツで「the River」です♪
おまけ その2
もうちょっと日本で話題になってもいいと思うのだが。。。Amazonプライム、日本のCMではバラエティー推しのイメージが強い。