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「SHOGUN 将軍」祝エミー賞受賞!海外ドラマオタクで良かった(泣)!!私にとってシーズン1は鞠子様とアンナ・サワイの物語

先日、このドラマを観終わりました。

「SHOGUN 将軍」

あらすじ等はこちら


この作品は、「FX」というアメリカのケーブルテレビチャンネルが制作した海外ドラマ作品です。

FXは現在はディズニーの傘下だそうで、配信にも力を入れていれています。
海外ドラマを好きな方なら過去には「NIP/TUCK」とか「ジ・アメリカンズ」とか、最近だと「アトランタ」を制作しているというと分かりやすいかな、と思います。

「将軍」は日本では今年の2月にディズニー・プラスで配信が始まって、確か海外と同時だったのかな?4月に配信終了。その時から既に海外ではとんでもなく人気があることは伝わっていたのですが、私はすぐに観れなくて。
なんでかというと、節約のために単純にディズニープラスを解約していたからなのですが(笑)。

同じくFXが制作していて大大大好きなこちらの「The Bear」のシーズン3が夏に配信が始まったので7月に再復活。そんなところに

この「将軍」、なんとアメリカのドラマ界最高のアワードと言われているエミー賞で

最多ノミネーションを獲得!!


海外でも評判が良いのはいろいろなところで見かけていたので知っていたのですが、ここまで評価が高いとは!
20年以上も海外ドラマオタクとしてエミー賞チェックを続けてきた私にとって、これは本当に奇跡に近い出来事なので、「絶対観なきゃ!!」ということでエミー賞前に観ることにしました。

そうしたら、もうめちゃくちゃハマって私にはかなり面白かったです!!
観ている間、感動の連続でした!!と同時に

鞠子様にどハマりした!!


「海外配信と同時に観れば良かったー!!」と後悔したくらいでした。そんな感想とアンナ・サワイへの感謝について書いてみたいと思います。

※ここから先は思いっきりネタバレしてますので、結末を知りたくない方はご注意ください。

※この作品には暴力、自害等のシーンがあります。鑑賞にはご注意ください。

(鞠子様、、、泣いたよ、、、)

このストーリー、私は知らなかったのですが、1980年にアメリカで実写ドラマ化されていたのですね。その時のキャストは三船敏郎とか島田陽子など。その時も評価が高かった作品とのことでした。

この作品の登場人物は史実の実在の人物ではないけれど、実在の人物をモデルを置いた史実を元にした点が大きい小説なので、

この公式特設サイトが鑑賞時にとても役にたったのですが、「あ、この役はこの人物がモデルなんだ」と理解しながら鑑賞することもできました。

でも、あんまり知らなくても作品世界に入れれば楽しめると思います!

この「作品の世界に入れるか」がポイントかは思うのですが、私は幸い1話から2話で入ることができたので良かったです。
1話はやっぱり最初は海外で制作されている日本が舞台ということで、言葉の違和感とかちょっと「馴染めるかな?」という不安もあったり。

この後に按針という名前を与えられるイギリス人のジョンが「なぜ日本に来たのか」など最初は掴めなかったり、第1話のエピソードで、いきなり赤ちゃんが殺される(実際には映らないけど)エピソードがあったり、難破船から捕らえられたイギリスの船員が「得体の知れない異国人」ということで、投獄されて一人釜茹でにされたり

超ヘビー


な内容だったので、「これ私無理かもしんない」と思ったりしたのですが、

私は按針と先に日本で生活していたロドリゲスとのやり取り、そして演技的には1話目から「一番だった」と個人的に思った浅野忠信演じる樫木藪重と按針との1話目のやりとりで「面白い!」と思えて入り込むことが出来ました。このロドリゲス役を演じたネスター・カーボネルはエミー賞のゲストアクター賞を受賞しています。(「ロスト」懐かしいな)

そして、二話目でこの

キリシタンで英語が話せる戸田鞠子が按針の通訳になるところで、

この作品に100%入っていくことができた!

この鞠子様の謎めいたキャラクターがとても気になり始め、そうなるとさらに面白くなって、この二人のやりとり、そして真田広之演じる虎永との三人とのやり取りに魅入られ、そしてどんどん話が進むにつ入れてストーリー自体にものめり込んで最後まで一気に鑑賞することができました!

既にこの作品の制作の経緯やプロデューサーと主演を務めた真田広之がいかに凄いかはたくさんの方が語られていると思うので、私は

鞠子様のキャラクターとアンナ・サワイの尽力


について、どれほど感動したかについて書いてみます。

まだ「将軍」を観始める前に「わ、これは海外で凄い人気かも」と気づいたのは

ゲーム・オブ・スローンズと比較されて語られている

日本の文化を見事に再現しながらも海外から見た日本の印象も損なわず、どこか戦国時代の日本がファンタジー世界のようで、重厚かつ幻想的な世界に感じられること。
その中で、日本人から見ても矛盾や変な描写をせずに注意深くキャラクターや話が描かれているところ。その両立が「本当に凄い」と思いました。
真田広之は数々凄いところばかりですが、私が一番凄いなと思ったのはおそらく「ゲーム・オブ・スローンズ」あたりの作品を観て「ハリウッドで『将軍』いけるな」と思ったその感覚です。
「将軍」はフィクションで実在の人物の物語ではないので、史実に縛られることなくある意味自由に表現も出来る作品。そこが逆に思いっきりストイックに日本の文化の表現も出来る原動力になったのかな、と思います。

人が容赦なく切られるし切腹するし、赤ちゃんだろうが老人だろうが殺されるし、地震まで起きちゃうけど、そういった残酷世界の中でどうキャラクターが動いて展開するかが観ていてどんどん面白くなっていく。そこに、

女性のキャラクターを前面に押し出す


この作品は虎永や按針の物語のようでいて、実は前半から終盤にかけて一番重要なキャラクターは鞠子様はじめ女性のキャラクターです。
女性の描き方に重点を置いた作品とはあまり知らずに観始めましたが、

鞠子様をはじめ、藤様、落ち葉の方、そして遊女の館の女性達に至るまで、この作品では女性の存在が不可欠な話になっています。

もちろん、大名様同士の策略の話が主軸ではありますが、物語の導き役となる異国人の按針、そしてそれ以前から悲しい運命を背負わされ、苦しみながらも生き続ける女性たちの姿を主に描いていて、こんなに女性の登場人物に背負わせているものが多い話だとは。しかも一人一人がしっかりと演じていて、とても見応えがあってとても驚きました!

特に鞠子様の描き方は、通訳という命じられた役割をこなしながら按針と心を通わせていき、それでも自分に科された不名誉や夫からの暴力、優秀で聡明がゆえに虎永に縛られ、最後には非情な死を遂げるという本当に悲しい役どころ。
同時に一人で何十人もの侍に立ち向かうシーンや、敵対する大名を相手に啖呵を切るようなシーンなど、芯の強さを持っている女性として描かれていて、一辺倒ではない複雑なキャラクターであるところがとても良かったです。

演じるアンナ・サワイは本当に大変だったと思います。内面描写をこれほど求められる作品とは知らなかったかもしれません。殺陣のシーンもありますし、9話「Crimson sky」は彼女がメインの話で、監督賞を受賞したのもこのエピソードです。


そして作品のアメリカでのプロモーションも

鞠子様が先頭に立っていた!


作品を鑑賞する以前から感心していたのが海外でのプロモーションがアンナ・サワイを中心に置いたものであること。私が意識したのは

このアメリカの映像業界サイト「deadline」カバーを見た時でした。真田広之がフロントではなく、アンナ・サワイがフロントにいます。
「ん?女性だから?」と思ったのですが、その後も


こんな感じでテレビにも彼女が出演。そこで彼女が

・英語が堪能で
・日本の文化を真摯に伝えられる
・チャーミングで魅力的な人柄
・作品で最重要な役の一人を演じている

この全ての条件をフルに活かしてアメリカのメディアで全力でプロモーションしている事が分かりました。

その後のメディアの出演数は凄いもので

真田広之と一緒に出演ももちろんこなしています。


私が「あ、もうアワードを確実に狙っているな」と感じたのは


この二つに出てきた時です。この場に呼ばれるのは相当のアピールポイントになります。

記録破りの人気作品でディズニーの傘下の作品とはいえ、こんなに声がかかるという事は、彼女や真田広之のプロモーションが最初から好評で、どんどん出演がかなったんだと思います。

数年前に「イカゲーム」が海外のドラマアワードを席巻した時にこんなブログを書きました。この時も「イカゲーム」の出演者やスタッフのメディア対応力の高さに本当に感心したのですが、


「将軍」ではそれをお手本にしつつ、さらに積極的にアメリカのエンタメ界でプロモ展開をしていて、そのほとんどをアンナ・サワイが務めていました。

こんなメンツ(っていい方すみません)の中で、堂々と自分の体験や役柄、自らの考えについてしっかりと話しているアンナ・サワイの姿。
演技面ももちろん大事ですが、ここでの姿を見て「エミー賞もあり得る」と確信しました。

エミー賞ノミネーション発表後には真田広之の単独インタビューも増えてきて、「『主演男優賞もいける』と業界が感じてきたのかな」と思います。
配信開始当初にも単独インタビューをしていたメディアもありましたが、演じていたキャラクター的にも堅い印象があったので、作品が浸透してからノミネーション後に手堅く切り替えて展開したのも良かったのかもしれません。

作品の中で、鞠子様は名誉を守りつつも無残な死を遂げます。ということは、アンナ・サワイも少なくとも生き続けてのキャラクターとしてはもう「将軍」で観ることはできないと思います。
でも彼女のこれまでの素晴らしい演技と努力、作品にかける想い、そしてその後のアメリカでのプロモーションの大変さを思うと、やっぱり

「将軍」は鞠子様とアンナ・サワイがいなかったらエミー賞をとることはできなかったと思います!!

彼女は作品中の鞠子様のように、現実の世界でもこの作品をアメリカや世界の人々に理解してもらい、興味を持ってもらうための媒介役を一手に引き受けていたんだと思います。それを滑らかに自分の魅力で100%こなしていました!

真田広之が凄すぎるので日本にいるとつい彼に話題がいきがちなのですが、海外ドラマオタクは作品内でも作品外でも

アンナ・サワイの素晴らしい仕事ぶりもちゃんと観て感動しています!!!


また他の作品で彼女を観るのがとても楽しみです!!

そして同じように海外で頑張っている日本人はじめアジア系の女性達に、また一つの扉を開けてくれたことにとても感謝しています!!ありがとうございます!

気になった方はぜひ観てみてください♪

※写真はFX、deadline、HollywoodReporter、Varietyの各公式サイトからお借りしました。


おまけ

プロモーションについては賛否両論あるとは思います。昨年まで激強だった「succesion」は逆にあんまりしないで正解な作品だったかな、と。
でも「将軍」は言葉の壁もありますし、プロモが必要な作品だったと私は思います。

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