2023年の私的年間ベスト音楽プロデューサーは誰?候補とともにレビュー
2年前から年間ベストアルバム、ベストソングに加えて個人的に選んでいるのが年間ベスト音楽プロデューサー(以降PD)。
始めた当初はそんな毎年やるとは思ってなかったのですが(笑)、アルバムやソングを振り返ると同時に個人的にめちゃくちゃ楽しく、毎年選ぶのに頭を抱えるくらいに現在才能がひしめき合っている状態なので、今年も厳選して選んでみました。もちろん私好み目線なので、現在の音楽シーンとか全く考えてません。ご了承下さい。
アーティストにとって「どんなPDと曲やアルバムを作るか」はとても大きいと私は思っています。
あと毎年そうですけど、今年のベストアルバムやベストソングとも密接な内容なので、宜しければ併せて読んでいただければと思います♪
ちなみに、
Olivia rodrigoのPDのDan Nigro、TXTのPDのSlow Rabbitは、私があまりに好きすぎて毎年選びかねないので殿堂入りしていただくことにしました(笑)。もちろん今年も最高の仕事をしています!それぞれ作品のレビューはもう愛爆発で書いていますので(笑)、興味がある方はそちらも読んで頂ければ嬉しいです。
殿堂入りしたPDは問答無用で毎年紹介します(笑)
というわけで前置きが長くなりましたが、早速今年の自分的にお気に入りだったPDを紹介していきます!
一人目は
Cater Lang
彼の選出の理由はなんといってもSZAの「SOS」のPDであることから。
素晴らしいアルバムをSZAと作り上げた彼は、ずっと彼女のPDを務めていますね。Cater Langといえば、私はPostyの「Sunflower」が大大大好きなんですけど、普遍的な良い曲を絶妙な今時代のアレンジで底上げする超優秀なPDだと思います。SZAのアルバムは画期的で、もちろん彼女自身もセンセーションな存在なのですが、どの曲もR&Bに囚われすぎないジャンルレスを感じさせる大らかなアレンジとメロディが印象的で、歌詞の深みをさらにアレンジでも補っているなと私は思います。すごく個性のあるPDではないと思うのですか、アーティストと長く一緒にその曲に最適なアレンジと録音をしていく才能をとても感じるPDです。SZA以外にもたくさん「一緒にやりたい」と思っているアーティストがいると思うので、今後が楽しみです!
James Ford
James Fordと言えば、セットで名前が浮かんでくるのがArctic Monkeys。「もうメンバーの一人なんでは?」と思えるくらいずっと彼らの作品を手掛けてきている彼ですが、昨年のアークティックの「Car」に続き、今年は軒並み評価の高いjessie wareのアルバムにDepeche Mode、Blurの新作まで!
凄いですね!イギリス勢だけでなくGeeseというブルックリンのバンドのアルバムもPDしています。特に私はblurのアルバムには心を鷲掴みにされました!最高!!
これだけで今年のベストPDは確実、イギリスのPDとして重鎮街道まっしぐら感!来年はペットショップ・ボーイズの新作も控えているし、「今年のベストPDはJamesに決定かな〜」と夏くらいまでは思ってましたが、秋にどデカいライバル登場で、今の今まで頭を悩ませることになりました。本当に今年最高の仕事ぶりをリリースしたPDとして讃えたいと思います♪
Andrew Watt
James Fordで決まりかけてた今年のベストPDをひっくり返す勢いでthe rolling stonesのアルバムをぶっ込んできたのはAndrew Watt。「いやもうみんな知ってるでしょ?」って選ぶのが恥ずかしいくらいに、ビーバーからデュア・リパといったポップアーティストから、エディ・ヴェダー、エルトン・ジョンからオジーといった大御所まで。今のポップからロック界に欠かせない人気PDな彼ですが。もうね〜、ほんとびっくりしたよ、ストーンズの新作には!
なんて最高の作品を出してきたんだ!!ライブに行きたくてたまらないじゃないかー!!wattじゃなかったらこんな最高の作品にならなかったと思うので、選ばないわけにいかないのです。そんな彼の今年手がけた作品は、イギー・ポップに盟友post maloneにthe rolling stonesにBTSのソロのジョングク。
発表できるか分かんないモリッシーのアルバムもあるそうで。控えめに言って狂ってますね(笑)。最高に褒めています!
Metro Boomin
今年の下半期ベストアルバムでも散々語った「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」のサントラを手がけたのは彼。
ヒップホップやR&B系のPDは超有名どころだけでもDr.ドレー、ファレルやティンバランド、それこそカニエもPDとしても注目の人だった時がありましたが、metro boominも「スターPDとして一時代を作る存在なんだ」とヒップホップに疎い私でも分からせてくれたのがこのサントラでした。
私がヒップホップやR&B界で「いいな」と思うところが、優秀なPDやトラックメイカーが人気なら、その名義でアルバムが作れてリリースできるところ。それだけPDが重視されてスターになれる道筋があるし、その才能でアーティストを集めて、まとめていい作品ができる。ロックやポップではあまり見かけないこの作品スタイルは私にはとてもいい事だと感じます。アーティストと同じくらい注目されてるって事だし、夢があるよね。
おそらくスパイダーバースの最終作のサントラも彼が制作してくるはず。だといいな〜。特徴的なセンス抜群のストリングスの使い方や、ヒップホップとラテンのミックス感の説得力、なにより心情に訴える見事な曲作りで最終作にも貢献してくれると嬉しいなと思います。まだ30歳くらいかな?わっけー!!若き天才ですね。グラミーの最優秀プロデューサーにもノミネートされてほんと良かったよね!
Zach Bryan
「もうお前どんだけ好きなんだよ」と言われても仕方ありません。そうなんです、好きなんです!!(笑)。ここで「ん?アーティストじゃなくてPDを選ぶ場でしょ?」と思われた方。そうなんです、彼のアルバム「zach bryan」はクレジットを見るとPDのところが全て彼の名前になっています。前作ではEddie SpearというPDがいたのですが。
確かに彼のサウンドはシンプルなアコースティックやバンドサウンドが特徴。ま、そんなに複雑なアレンジとかではないと思います。けど、そういったアーティストでもたいていはPDをたてて楽曲制作をする事が大半で、アーティストがPDにまでクレジットされる事ってあんまりないんですよね。ましてや自分一人だけは本当に珍しい。「一人で制作してる」というわけではもちろん無く、それだけの曲へのこだわりと自分に矛盾しない音楽作りや姿勢を目指しているのかな、と思います。自分一人だけクレジットするなんてね〜、相当肝が据わってないとできないと思いますね〜、普通やんないよね。しかもどの曲も本当に本当にいいんだからさ〜、惚れずにはいられませんね。今年驚かされたPDとして、思わず選んでしまいました!
というわけで、私が今年「ええ仕事したな〜」と思ったPDについて語ってきましたが、年間最優秀PDは・・・、
Andrew Watt
james fordと今日の今日まで本当に本当にガチもガチで迷いました。が、やっぱりストーンズのアルバムがほんと最最最最最の高だったので、今年はandrewを選びました!ストーンズへの敬意や愛と共に、絶対に音楽的に妥協しない、特にこんな大御所を相手に物怖じせずに才能をぶつけてる感じがアルバム全体から伝わりますね。もう十分すぎるほどの狂気天才ぶりですが、これからをさらに期待しちゃう!楽しみです♪
というわけで、来年はどんなPDがどんな音楽を聴かせてくれるのか、楽しみにしています!