「Saltburn」珍映画天下一品!奇妙な気持ち悪さが心地よくなるイギリス上流階級映画はあの役者のおかげでとんでもない作品に!
先日こちらの映画を観ました。
「Saltburn」
あらすじ等はこちら
昨年末からAmazonプライムビデオで配信が開始されたイギリス映画です。監督は
一昨年に公開された「プロミシング・ヤング・ウーマン」でアカデミー賞で脚本賞を受賞したエメラルド・フェネル。新進の女性映画監督として注目されていますよね。
役者としても海外ドラマ「ザ・クラウン」から映画「Barbie」まで幅広く出演されている才能ある女優さんです。
この映画、配信されるやいなやソーシャルメディア上でじわじわ映像を見かけるようになって、それが1週間ぐらいであっという間に
大バズりに変わった!
「最初じわじわ」ってところの理由は後で予測を書こうと思うのですが、「Barbie」みたいに公開前からドーンというより、ちょっとの期間のじわじわから数日の間で凄く見かけるようになりまして。
「なんでかな~」って。
あと、
インスタでこの映画のこの投稿を見かけて、「えーっ!」ってなりました。the Killersの「Mr.Briteside」が使われてるみたいで、「そりゃ観なきゃ」ってなりました。私のthe Killers愛は過去のブログをご覧ください。
というわけで、先にレビューを書いた「ボトムス」を観た数日後に観てみました♪
※ここから先は思いっきりネタバレしてますので、詳細や結末を知りたくない方はご注意ください。
というわけで、観ようと思った理由を上に書いたのですが、昨年に最初予告を観た時には
あんまり観る気なかった(笑)
英国の上流階級に私がそこまで興味がなかったのと、主演のバリー・キヨガン(「バリキヨ」と略したいので強引にそう呼んでいます。スケキヨみたいじゃん笑)とジェイコブ・エロディの若手主演コンビにも個人的にはそんなに興味が持てず。でも
先ほど挙げたインスタのサントラの紹介が面白くて、サントラだけ映画を観る前に聴いちゃったら、
超懐かしいやん!
となりまして(笑)。00Sインディロックの曲が使い倒されていたので、「おお!なるほど」と。
確かにこの年代の海外の大学生が聴いてそう」というリアリティがあって。使い方もパブで流れたり、城みたいな豪邸での優雅な日光浴シーンで使われたり。
たぶん「フェネル本人も聴いてたんだろうな~」と。そういうところが面白かったです。
この、親戚(?)なのか一家の父の友達なのか分からない身内との食事会の後のカラオケタイムで歌われる
この曲ね!この曲も時代を感じるわ~。「right round」は「ハングオーバー」のエンドクレジットで使われてて爆笑しましたね。超懐かしいな(笑)。
上流階級の一家の描き方はキャラクターは極端ではあるものの、それぞれの最後を思うと「そんなことにならんでも」というかわいそうな人達で。
ジェイコブ・エロディは予想通りのルックスを活かした役で。私は海外ドラマ「ユーフォリア」を観ていないのですが、あれもね~、ソーシャルメディア上の情報量がめっちゃ凄いから、私は作品を観てなくても大体の出演者とキャラクターが分かるようになってしまったという(笑)。
ただこの映画はなんといっても
バリキヨのバカ力が凄すぎる!!
もちろんバリーの存在は知ってたんですけど、すみません、私はあんまり得意なタイプの役者さんじゃなくて。個性だったり演技だったりはもちろん凄いと思うのですが、なんていうかそこが逆にちょっと苦手で。その面はこの「ソルトバーン」を観ても変わらなかったんですけど(笑)、でも
「この映画はバリキヨのために作られたのでは?」
と思わせるぐらいの主役パワーがありましたね!これはお見事としか言いようがありません。熱演なのか素なのかも分からないレベル(笑)!でもいつもこの人の役が特殊だからそうなのですが。私はてっきりこの「saltburn」のオリバーは彼への当て書きだと思っていたのですが、
何かの主演二人の対談でエロディが「当初フェネルはオリバー役にティモシー・シャラメを考えていたそうで、自分がフェネルにバリーを提案した」と語っていました。(ほんとか分からないけど訂正入っていないもよう)。「えーっ」って感じで、この話を知って驚きました。それくらいバリキヨがハマってて「圧巻だったな~」と思います。
で、この映画がなぜそれほどまでにソーシャルメディアを賑わしているかというと
この映画で1,2を争う強烈シーンからインスパイアされた「エロディのバスルームウォーターのアロマキャンドル」というとんでもなくバカな商品が出来たのも面白かったんですけど(笑)、
このラストシーンですよね!このシーンもすごーくバズってしまっていろんな人が真似しているんで、それが検索などしなくても目に入るようになって。Tiktokからインスタみたいな感じだと思います。で、
このシーンで使われたこの曲が今音楽チャートですごーく上位にきてて、みんなこの曲が大好きになってしまっているという。確かに今聴いてもいい曲だし、なんといっても使われ方が凄いので(笑)分かる気がします。
このダンスシーンは当初は踊らずにただ歩き回るだけの演出だったようなのですが、フェネルが「なんかしっくりこないから踊ってみよう」みたいな感じでバリキヨに提案したらしいのです。「踊ってみよう」と思いつくフェネル凄いですね!
バリキヨは裸はともかく踊るのはちょっと嫌だったらしいのですが(笑)、とてもそんな風には見えない凄さを発揮しています。このシーンでちょっとだけバリキヨが好きになりました(笑)。映画史に残る名(迷)シーンになるかも?
じわじわtiktokとかで人気になったのも、最初は「マネしていいのか」みたいな感じだったと思うんですけど、広がるのは早かったですね(笑)
シーンで思うのですが、エメラルド・フェネルって前作でもアカデミー賞で脚本賞をとったりしてつい話の筋やテーマに注目しがちなのですが、この方は「ビジュアルの重ねや展開の方がむしろ上手いのでは?」とこの作品では思いました。「ソフィア・コッポラ以降の監督」って感覚で、構図とか光とかも絶妙に作っていて。ただソフィアよりも圧は強いけどなんか凄く冷めて見えるというところもあって面白いですね。
話については、もしかすると「バリキヨに合わせて細かいところは変えてるかもしれないな」とかちょっと思ったり。最初はエロディの死ぐらいだったんじゃないですかね~。そこからバリキヨパワーでエグ味をエスカレートさせたような(笑)。これは完全に私の妄想ですけど。
ラストの種明かしもなんか唐突だし、私はあの一家の父の死だけがよく分からなくて、病死じゃないのですかね?病気ってオリバーはいつ分かったのかな?そこら辺の理解が及ばなかったです。
あとフェネルはとてもユニークな監督だとは思うのですが、ちょっと作品内のセックスの扱いだけは「ん?」って感じで。前作はレイプの問題を扱った作品だったのに、今作では主役のオリバーがレイプまがいの事をしてたりして、「服従の手段」として使ってるのが個人的にちょっと残念でした。映画自体がショッキングな感覚を作るのが上手い作品なので余計にそう思ってしまったのかもしれないです。これは私の気にしすぎかもしれないですけど。
ただこの映画は人を傷つける様な描写はないと思います。不快にさせる可能性は大ですが(笑)。
というわけで、この映画はブログのタイトルにもあるとおり私の「珍映画」として心に刻みたいと思います。
気になった方はぜひ観てみてください♪
おまけ その1
サントラは面白いんだけど、映画全部観た後だとこの曲が全部もってっちゃうー!(笑)
おまけ その2
私これ全然気がつかなかった!こういう人の方が役者としては好きだったりする(笑)