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「少女バーディ 〜大人への階段〜」レナ・ダナムが放つ若者の自立についてキリっと描いたコメディ映画で思う事
先日、この映画を観てみました。
「少女バーディ 〜大人への階段〜」
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あらすじなどはこちら
こちらの作品はAmazonプライムで独占配信された映画です。13世紀のイングランドが舞台のコメディですが、脚本と監督が注目で
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レナ・ダナム。アメリカの女優・映画監督で、2010年代に人気を博した海外ドラマ「GIRLS」で、製作、監督、脚本と主演女優を務めた海外エンタメ界で注目の女性です。
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私も「GIRLS」は最後のシーズンだけ見逃しちゃっちゃんですけど、
特に第1と第2シーズンはかなり気合を入れて観ていて、レナの才能はしっかり伝わってきていたので、今回監督した映画作品が観れるとあって、とても楽しみにしていました。
そして「少女バーディ」を観た後に感心してしまいました。「GIRLS」や、私は未見ですがそれ以前からレナの描きたいことや芯にしているテーマを「ここでも見事に語っている」と感じた秀作でした!
早速細かく感想を書いていきたいと思います。
※ここから先は思いっきりネタバレしてますので、結末を知りたくない方はご注意ください。
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レナ・ダナムは「GIRLS」以降、「あんまり目立った話を聞かないな~」と思っていて、
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私生活で結婚したり、本書いたりしていたのかな?熱心に追ってなかったのであんまり動きが分からなかったんですけど、この「少女バーディ」を観て、「いい作家だな~」と改めて思いました。今回彼女は出演してないのですが、この作品の主演の女の子、
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ベラ・ラムジー演じるバーディが「GIRLS」のハンナ、つまりレナの分身のようでした。凄くはつらつとしていて、イキイキとした表情で。口が回って結構辛辣だったりして、兄にも負けないし、友達の男の子といつもつるんでいるような女の子。予告を観ただけで「これ面白そう!」って直感できました。「GIRLS」の予告を観た時の感覚が蘇って。
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だいぶ知名度も人気もあるのに、今回もそこまでビッグネームな人を使わずに、でも「キャスティングが凄く良い」と観終わった後にまず感じた作品です。
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この作品はアメリカの有名な児童文学作品なのかな?私は知らなかったのですが。
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まずこのバーディ役のベラが凄く良かったです!レナの演出がやっぱりいいのかな?魅力的なんですよね〜。活発で父もタジタジな活発娘で、ちょっと自己中で(笑)
バーディの父は、
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アンドリュー・スコットが演じてます。なんと
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同じくamazonプライムで配信されていたイギリスの人気海外ドラマ「フリーバッグ」に出ていた神父様ですね!「少女バーディ」では、なんとなくプラプラしてて、家の財政難に頭を悩ます父を上手く演じています。
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あとバーディの叔父ジョージ役のジョー・アルウィン。実は「女王陛下のお気に入り」以外、あんまりちゃんと出演作観たことなかったんですけど、今作で「超カッコいいじゃーん!」てなりました(笑)。
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テイラー・スイフトの彼氏ですね。もーテイラーめ(笑)
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そしてバーディの親友のド金持ちの娘を演じたのはアイシス・ヘインズワース。この子は!
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「目指せメタルロード」に出てたチェロ娘ですね!こんなところで再会できるとは。この作品でも可愛かったです。
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この作品、思春期の少女の成長をべたつかずに描きながら、当時の「結婚により生活を支えるしかなかった人生への悩み」についてしっかりと描いていきます。バーディが女の子だし、最初は「少女の自立」について描いていると思っていたのですが、「性別は関係ないのかも」と観ていて思うようになりました。
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バーディが憧れるジョージも、自分の身分の確立のために愛していない年上の女性と結婚を選択することになります。そのことで最初はとてもカッコよかったのがどーんとカッコよさが落ちぶれるんですけど(笑)。人生に迷ったりなんかして。
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ただし、女性の方がより切実で、そもそも親の言われた相手と結婚するしかなく、自分で選択権が無くて親の言う通りにするしかない。しかもまだ10代のうちから結婚させられたりするので、「これは相手が悪かったら本当に不幸だな」と思います。バーディも結婚なんかしたくないので、品定めにくる相手から嫌われようと必死。そこが面白いんですけど(笑)
自由がないのは親友のド金持ちの娘も一緒で、同じく父の許可がないと結婚できない。持参金だなんだとケチつけられてヒヤヒヤしたりします。
過去の女性達の生きづらさを描きながら、なぜか今の若い子達の問題にようにも感じられるあたりが「レナの描き方というか才能なのかな」と感じました。昔の話なのに凄く現代感が感じられるのが面白かったです。
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このあたりの話は同じく今1、2を争う注目の女性監督グレタ・ガーヴィグも映画「若草物語」で描いていたな~と。フローレンス・ピューがしっかりと演じてました。台詞でズバッというシーンもありましたよね。あの作品も誰もが知る古典を使いながら、より女性の人生の岐路や生き方の選択について大胆に描いていた作品だと思います。描きたいことや感覚がとても近いのかもしれません。
比較するわけではないのですが、レナの方が「もっと肌感覚でこの主題について描きたいのかな」と感じました。主人公への感情移入の仕方がもっとナチュラルなんですよね。演技で引っ張られるというより、台詞や話の流れで惹きつけられるというか。
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けど、この作品はコメディで笑えるのが凄くて。深く考えれば重くもなりがちなテーマなのに、どこかカラッとした魅力があって。
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「GIRLS」もやりきれない若者の悩みや絶望と希望をこうカラッと描いていたな~と思い出しました。そして観終わった後「キレがいい」と思いました。感傷よりもこのなんか乾いた感じが凄く心地よくて。けど皮肉すぎたりヒネリすぎてないので、テーマも凄く伝わるんです。児童文学とはいえ「ユーモアを交えながら描く」って凄く難しいことだと思うんですけど、さらっとお手の物のように描いているような感じで、難しい作品よりかえってレナの才能を感じます。
この作品は、インディペンデント映画系のアワード、ゴッサム・アワードで脚本賞にノミネートされています。これは納得です。脚本が凄くよかったと思います。もちろんレナが手掛けています。
こういった時代劇のような作品で描けるなんて面白いですね!レナの次作がますます楽しみになりました。
気になった方はよろしければ観てみてください♪
おまけ
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レナ、昔はジャック・アントノフとカップルだったんだよね〜。懐かしいな。