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公務員で仕事のできる人

地方公務員アワードと言う賞があります。
「地方公務員アワード2024」 挑戦する公務員が求められる時代に | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

その名の通り、地方公務員が「この人が本当にすごい公務員だ!」と思う人に投票する賞で、今年で8回目になります。結構名だたる企業が協賛をしており、今年も11名の方が受賞されたそうです。

中身を見てみると、本当によく考えたなと思うものばかりです。債権管理の仕組みづくりや、技術職のコミュニティの場の発足など、形は様々ですが、皆すごい公務員です。

全国的なアワード受賞者ではないですが、うちの自治体にもすごい公務員がいます。民間企業や専門家を巻き込んで、行政課題を解決に導いたり、皆が知るその道のスペシャリストみたいな人もいます。

それこそ、首長表彰みたいな制度もあり、顕著な成果を残した職員に対して、首長が直接表彰状を渡す催しも年に一回開かれています。そして受賞するとお菓子などの副賞もいただけます。

こうしたアワードや職員表彰は大事な取り組みであると思います。人によって異なると言えども、自分の成果を称えてくれる場があるということは、仕事へのモチベーションになりますし、自治体側としても、受賞職員の考えた政策を横展開するきっかけになります。

毎年、こういった内外の表彰式を見て、「おおっ凄い人だ」と思うわけですが、自分の周りを見ても、課に一人か二人くらいは仕事が抜群にできる公務員がいます。異動しても率に変わりがないので割と珍しくないレベルで発見できます。

そうした方は顕著な成績を残すときもありますが、目立たないけれど、この人がいるからこの課は保てているという方もいます。今回は個人的にすごいなと思った人の特徴をまとめていこうと思います。

1 人のマイナスを打ち消す人

仕事は共同でやるため、どうしても誰かがミスをするときがあります。ミスは誰でもしますし、それ自体は全く問題ありません。大体は自分で挽回して何とかするか、周りがカバーすることになります。

たまにいるのですが、人のミスを救い上げるのが抜群に上手い人がいます。端的に言えば周りが見えているのでしょう。

この前も、隣のグループで予算資料の提出に間に合わないとパニックになっていた後輩に対し、短時間で要点だけ聞きだして、1時間足らずで資料のたたき台を作って、「最低これでいいから、間に合わない時のお守りにしろ。」と指示を出していた同僚がいました。

結局、後輩が必死で資料を作り上げたため、急ごしらえの資料が日の目を見ることはありませんでしたが、後輩にとっては、その資料があって気持ちが楽になったことは間違いないでしょう。

または、以前の課になりますが、進捗管理が苦手な職員がいました。見かねた隣の同僚が、自分のスケジュールをわざわざ8割以上共有しました。

●月△日に依頼文を出したら、●月◇日には幹部のレクを入れて…と自分のスケジュール感覚を惜しげもなくさらして、学ばせた姿を見たことがあります。

他にも、そうしたフォローの上手い人を見たことがありますが、共通しているのは、皆ともかく優しいです。フォローした人のことも悪くは言わないですし、「昔俺もやったんだよねー」と、恩を着せるまでもなく良い意味で軽く扱っています。

普段から人当たりも柔らかく、誰かの悪口も聞いたことがない。結果として、信頼される人になる。こういった好循環なのかなと、傍から見て感心した記憶があります。(実際とてもいい人ばかりです。)

2 議論のたたき台を早く作れる人

公務員は前例踏襲と言われがちですが、意外と新規事業も結構やっています。行政の当初予算資料を見ると、「来年度は新しくこれをやるよ!」と、銘打っているものが結構並んだりします。

こうした新しい事業は、なぜやることになるかという経緯は様々です。首長からのオーダーだったり、議会からの応援だったり、職員からの提案だったりします。

そして、皆提案であるものをどう形にするかで頭を悩ませます。例えば「人手不足だから、自治体としても何かやらないと!」こういったふわっとしたレベルで話が下りてくることも良くあります。そして、皆顔を見合わせます。「えっ誰がこれを引き受けるの?」と。

そんな時に、颯爽と手を上げないまでも、「やってくれない?」と言われて、断らない人がいます。そして、1日ほど残業して60~70点くらいのものを持ってきます。

特別にはっと驚くようなものではないけれど、終わりの目途が立つものがあれば上司も突っ込んで自分の意見を反映でき、無茶ぶりの仕事を捌いてくれて課長も嬉しい。事業も前に進んで皆幸せです。

何かの記事で「たたき台を作るやつが一番偉い」と言うものを見ましたが、本当にその通りだと思います。議論の俎上に出せるものを作れば、あとは皆で捌けばいいだけです。ただ最初に、その出すべきものを早く生み出すのが難しいと思います。

実際に、ある人が無茶ぶりをされて、すぐに叩きの案を作ったのですが、言った受け取られたものの、最終的には、議論の過程で大きく変成されて、原案が見えなくなってしまったこともありました。

それでも、その人は「みんなで作り上げられて良かった。」と平然と受け止めて、何事もなかったのように仕事をしていました。本人も何でもないようなことだと思っているかもしれませんが、本当にすごいことだと思います。

3 まとめ

公務員の仕事は、ミスがあってはいけないものが多く、その作業が上手い人が賞賛されやすい傾向にあると思います。例えば、世に出たら大変な誤植を発表前に発見する、いわば、90点を100点にする人です。

または、本当に無から有を作り上げる人、冒頭の公務員アワードではないですが、これまでの枠にとらわれない発想で、仕事を変えた人も大きくクローズアップされます。いわば0点から50点を生み出した人です。

最近X(旧Twitter)でも、似たような論調を見たのですが、私は、マイナスを0に戻す人や赤点を及第点に持っていく人も同じくらい尊く、仕事ができる人だと感じます。

自分にその傾向があってシンパシーを感じるからなのか、とてつもない成果を生み出した人は「自分には真似できない」と別世界のように感じてしまう一方で、例に挙げた2つの先輩・同僚は、「ああっ仕事ができる凄い人だ」と純粋に感心してしまいます。

公務員として、しっかりと生き残っていくために、よいところは真似して「仕事のできる人」になっていきたいものです。

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