感傷自殺。
暦の上ではもう、とっくに。
体感もだんだんと秋色が深まってきた数日。
夏には大切な記憶がたくさんある。
熱病にかかってのぼせた思考回路や、
夢幻をまとう青い世界との交り。
よるに遊ぶ子供。
月世界の友人。
涼しくなるとふと淋しさが底に残るのは、熱病からゆっくりと醒めていくからなのだろう。
考えられるようになる頃、夏が過ぎていった事に気がついてしまう。
四季でどれが1番好きかと言われたら、秋だと思う。
夏の欠片をさらってゆく、秋が好き。
感覚と思考の回路が繋がって、
1番色々なことを思ったり感じたり、
深く考えたりする。
心が夏と心中していくような、
ある種の美的感覚。
陶酔。
恋慕。
そして最後はやっぱり少し淋しい。
私は長い間不在で、代わりに誰かの価値観や自画像やライフサイクルが住み着いている。
好きなものがよく分からない。
やりたい事をやる気力もない。
創り出すって途方もないエネルギーを使うのに、
他人とすり替わった自分では毎日を生きるだけで精一杯だ。
もっと美しいものがみたいのに。
行きたい場所もあって、
作りたいものもたくさんある。
ただ毎日に言い訳して眠りにつくような日々では、なにも出来ないな。
こんな状態で息をしていて、神様に許してもらえるんだろうか。
削られていく。
消費されていく。
ただ同じ日を繰り返しているだけでも、
大切な生命は。
大切なはずの生命は。