uka.
晴れた日に空を見上げることを随分と忘れていた
空の下に閉じ込められた私たちは
見上げることで光合成
感性を伸ばしいつか心は空に届きまた海へ還る
この目に映るもの この手に触れるもの
確かに受け取った愛の類
贅沢じゃないか
何にもなれなくても与えられた光がある
気に食わないのはいつまでも眠ったまま羽化しない自分の弱さ
唯一の美しさを兼ね備えていながら
歪で汚らしいとそれを嫌う覚悟の足りなさ
私がわたしのままで美しいなんて
生まれ落ちる前から決まっている覆らない真理
それを受け入れる覚悟が足りなくて
人と違うことは醜いことだと自分を叱った
どこまでも潜って泳いでいきたい
感性の波間を揺蕩って
体を脱ぎ捨て心の形だけを残して
私はあなたになる
季節になる
世界になる
いつか海へ還る日を夢みて
空へと透明な羽を伸ばしている