12月の澄み切った夜をみあげている。
白昼と同じくらい、濃紺の空の雲は白い。
マスクで半分隠れた顔。
彫刻のような冷たい耳。
秒単位で刻まれる毎日に、見上げることを忘れて
下を向いたまま歩いていては人生の意味なんて何ひとつ無いように感じる。
押し流されるような年の瀬の忙しなさが
私の今日を囲っていても、
私自身は何ひとつ変わってはいないことを確認する。
反復作業。
反芻。
自分で無くなりそうな毎日の上に、
今日も澄んだ空と明瞭な光を落とす月が在る。
それを思い出せる夜は、とても幸福なのかもしれない。
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