#128
《 同じ月を見上げている 》
イヤフォンからそんな言葉が聞こえて、
同時にふと見上げたビルの切れ間
まだ満月には少し足りないけれど、強い光を放つ美しい月が浮かんでいた。
あまりに出来すぎたタイミング。
些細な偶然が重なり合う時、私はいつもそれが必然なんだと思い出す。
自然はいつも素直で、正直で、
今自分がリンクした景色が大切なものであることを
教えてくれる。
景色に呼ばれる感覚。
ずっと昔からその感覚があった。
見たこともない場所のイメージが、
繰り返し繰り返し頭の片隅に写真のように浮かぶ。
なんでもない日に道を歩いて、
ふと視線を向けたその先にその場所に似ている景色を見つけることもある。
大切にしているイメージや、
大切にしている景色や場所に呼ばれることもよくある。
胸の中でリン、と音が鳴るような
心が締め付けられるような懐かしさと焦燥感を感じて、その場所の景色やイメージを強く思い出す。
そんな時は出来る限り足を運んで、
その場所でぼんやりしたり
音楽を聴いたりしていると、言葉と巡りあえることが多い。
外にいる方が文章を描きたくなる。
風が吹いていて、音がなっている。
心が動いている。
行きたい場所がある。
見たい景色がある。
今はまだまだ辿り着けそうにないけど、
多分然るべき時に巡り合うのだろうなって感じている。
この直感は、多分偶然じゃない。
おやすみなさい、またあした。