closer.
遠い記憶の中から今でも見つけられる、ずっと光を内包してるそのscene。
募っていく。
日々、ただひたすらに募っていく。
積み上げられた時間の上で、
今日もバランスをとって遊んでいる。
人生はゲームだ、そう言い切ったあの人は、
今どこにいるんだろう。
瞬間を切り取っている。
針を飲むような痛みも、汚泥を啜るような心地も、続いている間は地獄だが、
過ぎ去ってしまえば全く違う側面が見えてくる。
哀しみの中から見つめた景色は、
今になって思い出してみると存外綺麗だったりする。
美しかったりする。
感情の波に飲まれて誰にも触れない場所まで落ちていっても、そこからちゃんと見ていたいものを心は捉えていた。
強い感情の後ろに隠れてしまうけど、過ぎ去った後に残ったのは綺麗な心象風景。
炎天の夏。
あの日いろんな気持ちで見上げていたあの夏の時間を、未だに思い出すよ。
瞬間瞬間を繋いで、ひとつの記憶になっていく。
そうしたものにいつか、救われる時が来るんだろう。
透明な空気を吸いこんでいる。
眠れない夜には、あなたの音楽と言葉でできた世界がいつも一緒に遊んでくれた。
目には見えないものばかり、焦がれては想像の世界がまた色を帯びる。
思い込みで救われるものがあるのなら、それでも構わない。
100年の孤独も、分かり合えない虚無感も、
まったく馴染まないその名前も。
すべてはこの時のため、遠回りの毎日だったのかもしれない。
***
幼少からずっと、
月を見上げては同じことを思った。
今、その答えを知るときだ。