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coffee.
くるくると変わるその表情を、私は頬杖をついてぼんやりと眺めている。
君の表情は忙しい。
私はそれを、変わらない無表情のまま目で追いかけている。
君は人間が大好きでしょう。
そうじゃなかったら、その空気は纏えない。
私には分かる。
人が苦手な私には。
関心があるから苦しむのであって、
はなから興味すら失せているなら悩んだりしない。
本当はもっと他人を愛したいし、
嫌われるよりは愛されたい。
君のように笑ってみたいし、後先考えず誰かの為に
一生懸命にもなってみたい。
君が私を笑わせてくれるほど、
君と私の圧倒的な違いに心がザラつく時がある。
どんなに頑張ったって、君と私は違う。
君にはなれない。
一人では、自分を認識できないようになっている。
ひとりきりの世界だったら、
比べることもなく、自分がどんな風かなんて
考えもしないだろう。
相手がいて初めて生まれる。
劣等も愛情も、憧れも自堕落も焦燥も。
君が私にくれるものは、果たして地獄でしょうか。
混沌とした感情の渦。
君が生きているというフィクションみたいな毎日に、
遠いような近いような感覚だらけ。
嘘じゃない事はひとつあって、
いつも笑っている君が
この先の毎日も笑っていられたら良いなと思う。
君ほど頑張れないかもしれないけど、
私は私を頑張ってみる。
伝えるつもりのない、いつも思っている事。