八月の記録。
8月1日からの31日間、Twitterの方で手書きの自由詩をあげていました。
今年の夏は自粛やら仕事の都合やらで
とうとう海に会いに行けないまま9月になってしまった。
8月の一日一日を通して、創作の軸にある夏のアンニュイを見つめていました。
ちょっと長いけど、これはその記録です。
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【八月。曹達水と、ロマネスク。】
青いフィルターを通した心象の季節。
8月のあいだ、
心象世界を手書きの文字で記します。
月や潮騒やたくさんの描写に恋をして、今年の夏も心が呼吸をくり返す。
その小さなリズムを感じ、
丁寧な時間を過ごしたいです。
8月2日、ひとりきりの海辺。
すべてはこの場所へ還っていく。
8月3日、夜の街。
私はいつも、お利口なんかじゃない。
8月4日、宵闇遊泳。
夏の夜風と音楽を。
8月5日、君は本当に美しい人。
その光が絶えることのないように。
8月6日、遅刻です。
寝ちゃいました。今日は2本立て。
8月7日、今日もとても暑かったね。
夏の間にリバイバルする感情だらけ。
8月8日、心がある。
それは福音か、呪いか。
8月9日、青い液体になる。
私は夏の概念。
8月10日、他人の中に自分を見る。
あなたを通して私を、未来を。
8月11日、海辺の町とその時間。
夕闇から夜が生まれる。
8月12日、今から仮眠。
昨夜外で感じた風合いを。
8月13日、心地よくすごそう。
通り過ぎた花の香り。
運んだ風と、いつかまた巡り合う。
8月14日、あなたの音楽を忘れない。
幾重にも塗り重ねた、約束の音。
8月15日、昨日みた素敵なムービー。
誰かを思う、想う、ささやかな心。
8月16日、外装に包まれている時
季節の中心にいることをみんな忘れてしまう。
8月17日、真夜中の夢はたしかな真実。
夏の夜に心はコネクトする。
8月18日、寄せ返す波間にさらわれる。
白い裸足と潤む熱。
8月19日、上手く眠れず、明け方に夢をみる。大切にしている原風景の中。
8月20日、秋の音がするってみんなが言うから、残夏の焦燥感に体温があがってしまう。
8月21日、君の笑い声が恋しくなってきた。
なんだかシュンとする。寂しいとは言わない。
8月22日、夕暮れが寂しいだなんて、
忘れていても覚えているでしょう。
8月23日、言葉以外を共有できる
あなたこそが夏なんだ。
8月24日、夜が涼しくなったね。
やりのこしたこと、なんだっけな。
8月25日、記憶の中にいる名前を失くした誰かをたまに疎ましく思う。
8月26日、朝がだんだん遅くなる。
もう直ぐ、もうすぐお別れだね。
8月27日、君のネガさえ美しいと思ってしまう。なんでも良いわけじゃない。君だから、いいよ。
8月28日、見ないようにしてきたものに、
目を向けてみる。
8月29日、ナーバス。
夏の終わりに囚われてしまう。
8月30日、飽きもせず未だに季節がいくのが寂しいのは、夏だけだよ。
8月31日、エピローグにレースの緞帳を。
お別れには夏のスワッグを。
眠るように、概念へ融ける。
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8月32日、青の中から見つめる景色。
ゆっくりと吐いて、また息を吸う。