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今日も。
当たり前じゃない日々や時間に憧れる。
波が連れてくるシーグラスを手に取る瞬間
澄んだ茜の隙間から見える山肌の陰影
真っ直ぐな水平線
他愛もない話をしながら歩く路地裏
髪が短くなっている後ろ姿を見つめる一瞬
伏せたり見つめたり、流れるような美しい視線
白い指先
触れたものが綺麗に見える魔法
眠りに落ちる瞬間に、あなたのことを考えて
朝起きたら直ぐに瞳を閉じた横顔を思い出す
身体が温かかったこと
イヤホンから流れる音楽と
見上げた空が重なって見える時
噴水広場の水飛沫
楽しそうに笑っていた、いつか
声に出して伝える、あの日の夕暮れ。
忘れてしまったすべて
忘れてしまいたい少しのこと
覚えていたかったたくさんのこと
それっぽっちの些末なこと
どこにでもあったような、
今はここにないもの。
そんな日々や時間にいつまでも憧れている。