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Tokyo.

東京で生まれて、東京で育ってきた。
自分にない煌びやかさを纏っているこの街が、結構好きだったりする。

とは言いつつも、地方に憧れのような気持ちを抱いていたりもする。

数年前に遠距離恋愛をしていた時、
東京から2時間くらいの街によく遊びに行っていた。

東京で生まれ育った自分の目に映るその街は、安らぎや癒しや、生活が溢れていて、私に足りない何かを埋めてくれたような気がした。

空が広くて高いような
耳の奥が静寂で満たされているような

視界の向こうにいつも山稜が見えて、
夜になると星明かりで空気が澄んで見える。

家々に灯った明かりが暖かな色をしていることを知り、
朝陽がこんなに尊かったことを思い出す。

車窓はどこまでも続いていきそうな一本道に様々な色彩や影を映していた。

高原へ続く道は夏でも少し寒くて、
緑のいい匂いがした。

私はその街で、「生活」を教わったような気がする。
誰しもに必要な、穏やかさに満ちた生活を。

買い物にいくこと。
食事をつくること。
眠ること、目覚めること。

生きるための当たり前をいつも疎かにしてきた自分にとって、それは不思議な感覚だった。

いつか誰かが、
生活に付随する諸々のやらなくてはならないことを“煩わしいこと”と捉えずに、
日々自分を癒すことだと捉えるようになったと言っていたのが印象的だった。

きっとその感覚と同じ。

抱えていた沢山の荷物をすてて、
穏やかな生活をしたかったけれど。


沢山の景色や感覚、
今こうして文章を書くことを続けている自分の中に確かに残っているもの。

生まれた街から山稜はなかなか見えないけれど、
生まれた街には海があった。

近代的な建物に囲まれた水辺都市。
ハイウェイから見える景色は幻想的で、温度を感じさせない美しさがある。

創作の軸になっているのはいつだって、生まれた街が見せてくれた不思議な青い世界。

多分きっと、穏やかな生活はここでも出来る。
喧騒に閉ざしてしまう日もあるけれど。

東京が好き。

煌びやかな街のネオンも
休日にぬけがらになるジオラマも

変化していく時代と一緒に、作り変わっていくこの街。

うまく表現できないけれど、
東京で創り続けていきたい。
沢山の価値のあるガラクタと、
多種多様な価値観が集まるこの街と。

ほんの数年触れた少し離れた街にも沢山の生活があることを忘れない。

心一つで何処へでも行けることを
繋がっていけることを、何度でも思い出して。


#日記 #東京 #Tokyo #生活 #街 #都市 #地方


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