over lay
心をいつも覆っている波紋のような感覚。
ふわりふわりと漂って、
静かな海の底みたいな夢を見る。
分かり合えたなら、どんなにいいだろう。
そんな事を思いながら私一人の世界に沈む。
何かを手放しただけチリチリとした細かい痛みは深くなっていくけれど、
それも今ここに、私という感覚器官が存在している証明になる。
たまに心を繋ぐような音楽や景色や物語にであっては、
いつかの久遠を夢見るように。
あの時目の前にあったはずの心の行方を探してしまう。
時間は消費され続ける。
景色は後ろへと流れていく。
柔く小さなひかりを抱きしめて、
どこまで歩いて行けるだろう。
この夜の向こうへ。
あの日のあなたの、ずっと向こうまで。