マガジンのカバー画像

モノローグロム

137
日々の記録。
運営しているクリエイター

#夜

time to say goodbye.

time to say goodbye.

今まで生きてきた大半の時間、ひとつだけずっと苦手なことがある。
もしかしたら永遠のテーマになってしまうのかもしれないし、ある日突然パッと解消される日が来るのかもしれない。

自分ひとりで起承転結が結べるのであればどれだけいいだろう。
色々な問題に直面するとよく思う。
素晴らしい出来事もそうじゃない事柄も、私以外がいることでもたらされるのであって
相手の心があるからこそ自分のやり方だけでは解決するこ

もっとみる
empathy

empathy

あなたの描いた景色がたしかに私の目に映っている。

***

私は小高い丘の上にたっている。
ガラスの温室。
眠る心の欠片。

時折大きな花束を抱えた少女が、目の端を通り過ぎていく。
赤い一輪の花。
贈られた彼は、光のように透けてしまいそう。
ガラスの温室にひとりの老人が訪れる。
風は静か。
丘を囲む小さな町をみおろして、私は自分が作ったこの世界に座り込んでいる。

たまに温室のガラスの戸棚を

もっとみる
その声で、あかりを灯して。

その声で、あかりを灯して。

真っ暗闇がよく似合うその声に
ずっとずっと恋をしている。

随分と長い時間
あなたの声を聞いて私はこの夜を歩いてきた。
気がついたらいつからか
真夜中に呼吸をしやすい生き物に。

真っ暗闇にひと掬いの
柔らかいあかりを落とすようなあなたの声。

都会の夜はいつだって明るい。
本当の孤独を私はもう忘れてしまったみたいだ。

その声で、あかりを灯して。
#心象 #声 #夜 #暗闇 #あかり #散文

frasco

frasco

あっちもこっちも工事中。
地上が明るいから、私の街には夜が来ない。

今夜も快晴、青く、そして白く。

枕に耳を当てると地下鉄の走り去る音がする。
通りを歩く誰かの歌う声が聞こえる。
音がすると眠れないなんて、
はじめからそんな繊細にできてはいないし

9階の白昼にみた景色はまるで奥行きがない

水色の、ノートパソコンの上に突っ伏している
イヤフォンから可愛いあの子の泣いてるような歌声

才能に気

もっとみる
othello

othello

口には出して言えないことがたくさんある。

想像と妄想の境目は曖昧で、
たまに頭がおかしくなってしまったのかと思う程
知らないうちに現実の振りをしたフィクションを生きている時がある。
何が起こるかわからない世界。
思いの強さでオセロを裏返すことができる時もあるのは確かだ。

でもたまに、そんなフィクションを裏返すために前向きである事が疲れてしまう時がある。
運命を切り開いていく力は、
思いや情熱

もっとみる

夜に目がなれてくる
体が夜と同じ温度に、色に染まる
遠くのサーチライト
船着き場には誰もいない
キラキラとした 東京の夜
大切な君に、多分会いたいと思う夜です
#夜 #お散歩 #東京

濃紺。

濃紺。

12月の澄み切った夜をみあげている。
白昼と同じくらい、濃紺の空の雲は白い。

マスクで半分隠れた顔。
彫刻のような冷たい耳。
秒単位で刻まれる毎日に、見上げることを忘れて
下を向いたまま歩いていては人生の意味なんて何ひとつ無いように感じる。

押し流されるような年の瀬の忙しなさが
私の今日を囲っていても、
私自身は何ひとつ変わってはいないことを確認する。
反復作業。
反芻。

自分で無くなりそう

もっとみる
時の砂

時の砂

幻の雨の音がする。
いつも通りの真夜中と自分。

もうすぐ雨季になるから、また夏が一つ近づいたね。

夏に生まれて、忘れられないものはいつだって夏の中にある。
同じ時間には戻れないけど、
美化することもなく ただそこに確かに流れていた時間として、
記憶の瓶から砂は溢れて波は寄せかえす。

高い空を見上げて息を吐き出した。
何もない中に全てがあったあの時も、

大雨に雨宿りしたあの夕方も、

通り過

もっとみる
夜とバスに乗って。

夜とバスに乗って。

急に夜のバスに乗りたくなって、
今いる場所から歩いて家に帰る時間の倍以上かけて
4つ隣の街まで歩いた。

乗ったことのない場所にあるバス停。

乗り物酔いが激しい自分がバスに乗りたくなる時は、
酔う暇なんてないくらい頭の中がごちゃごちゃしている時だ。いつだってそう。

遠くへ行きたいと思っても、理由をつけていつも何処へも行けないまま。
ここに居るって決心しても、近くのものから目線をそらすみたいに。

もっとみる
night walk

night walk

夜の中を歩いていると、心がなんだか饒舌になる。

冬の夜が好きになったのは、沢山の思いや景色が自分の中に積もっているからかもしれない。

不自由に生きながら、個として在ることの限りない自由さに目眩がする程焦がれている。

私しかいない。私だけの心。
あなたしかいない、あなただけの心。

夜の冷たさに頭が冷えて、大切なものがそこかしこに溢れているのが今夜はよく分かる。

選択をしなくちゃ。
#20

もっとみる
10月。

10月。

10月になりました。
真夜中は少し肌寒くて、ゆっくり散歩するのが心地よく感じます。

今日は中秋の名月らしい。

最近は頭を空っぽにしている時が多くて、音楽を聴いてぼんやりしたり、
動画サイトで動画を見たりして考える事をしていない。

なんだか全ての事がどうだっていいような、面倒な気持ちになる。

海を眺めて心が循環していく感覚や、
月を見上げて遠くを想ったこと、
夜の温度と生きていこうと思ったこ

もっとみる
Letter

Letter

何よりも美しい言葉には、それを伝えたい相手がいて、伝えようとする想いや感情がある。

宛先のない手紙をしたため続けているのは、本当はあなただけに伝えたいことがあったからだ。

心を閉ざしたり殺したりすることに慣れてしまうと、
世界は急にサイレントモードになる。

嫌という程同じような絶望を味わえば、
一体何を希望にして、ここから脱出したらいいのか分からなくなるでしょう。

考えることもしなくなって

もっとみる
紫煙に、青に。

紫煙に、青に。

夜を仰いで吐き出す空気。

身体の内側に抱えた夢幻にこの夜が中和すれば、紫色の幻視の続きがみえる。

日常の隣にある非日常。

夜を怖がって部屋に閉じこもっていれば、扉は閉まってしまう。

あと少し、もう少しと誰かの価値観を手放せば
自分にしかわからない夜の帳に手が触れる。

主観的な美しさは潔い。
揺るぎのない焔を宿している魂や
掴みとれない幻影のような空気を纏う人は美しい。

みんな自分に何か

もっとみる